体もお財布もすこやかにする情報を発信する雑学サイトです。

すこやか084.org

カテゴリー

チョイス: 胸やけ、実はバレット食道、アカラシア、食道ガンかも?

2021/10/16
 
胸やけ
この記事を書いている人 - WRITER -
Author

胸やけ、曖気(おくび:いわゆるげっぷ)、よくあることだからと軽く考えていたら実は・・・。

スポンサーリンク

食道

喉と胃を繋ぐ全長約25cmの管。横紋筋の頸部食道、平滑筋の胸部食道、腹部食道の3部構成になっている。
多くの臓器には漿膜があるが、食道にはない。そのためガンができると外へ出やすい(転移しやすい)。
これまでは胃酸を含んだ胃内容物が食道に逆流することによる食道下部粘膜を刺激するのが原因と思われてきたが、そうでない場合もあることがわかった。食物が通るときには大きく伸びて拡がる。

蠕動運動で胃に送るだけで、消化する機能はない。上部消化器といいながら。
ここに何千種類もの化学物質の塊であるたばこを通すことは半ば自殺のようなものである。

胃酸

主成分は 塩酸でpH1.0~1.5の強酸。胃が溶けないのは薄い粘液が胃壁を守っているから。これが機能しなくなると胃潰瘍となる。 食物を消化したり殺菌したりするために強酸になっている。それでもピロリ菌は殺せないが。

原因

これまでは胃酸を含んだ胃内容物が食道に逆流することによる食道下部粘膜を刺激するのが原因と思われてきたが、そうでない場合もあることがわかった。食物が通るときには大きく伸びて拡がる。

炭酸飲料によるげっぷ、肥満やきついベルトなどにより腹圧が胃を押すこと、激辛、甘い物の食べ過ぎ、油っぽい食事、早食い、食べ過ぎ、カフェインなども好ましくない。食べてすぐ横になる、猫背、便秘も逆流の原因となる。

診断

食道内視鏡で食道の糜爛や出血を診る。Grade A~Dがある。Dが一番重症。重症だと咳や吃逆(きつぎゃく:しゃっくりのこと)が出ることもある。
自律神経の乱れによる知覚過敏による糜爛のないタイプもある。

薬であまり効果が出ないときは、24時間pHモニタリング検査を行う。胃酸の量を調べる。pH4以下だと逆流があるとされる。1泊、3割負担で2~3万円くらい。

考えられる病気は?

  • 逆流性食道炎:胃酸が逆流し、それに晒されることで食道に炎症が起きる。胃は粘膜で胃酸から保護されているが、食道にそんなバリアはない。
  • 食道アカラシア:筋肉の弛緩不全により、食物の通過障害が起きる。
  • バレット食道:胃酸の逆流が原因とされる。食道が胃に置き換わる。胸やけで気づくことが多い。
    腺ガンのリスクは0.3%/年。全食道ガンの5%を占める。
  • 食道粘膜障害:強アルカリなどの腐食性物質による。
  • 食道裂孔ヘルニア:3種類あるが、ひどい場合には手術適応となる。
  • 食道カンジダ症:真菌が増殖することで嚥下痛、嚥下障害などが起きる。抗真菌薬を内服する。
  • マロリー・ワイス症候群:嘔吐の繰り返しにより、食道と胃の接合部近くに裂傷を生じ、大量出血を起こす。
  • 特発性食道破裂:内圧が急速に上昇し、食道が破裂する。原因は不明。
  • 食道静脈瘤:門脈圧が亢進、食道静脈に血液が大量に流れ、瘤ができ、血流が渋滞する。
  • ベーチェット病:20~30歳代に多く、炎症反応の反復により臓器が傷害される難治性疾患。
  • 食道ガン:悪性腫瘍ができる。
    ガンについては別記事でご紹介→ ガン治療最前線:抗ガン剤の種類、効く理由、関連用語をおさらい。

胸やけの原因は実にいろいろあるため、問診と検査で判別していく。行くのは消化器科である。

逆流性食道炎(reflux esophagitis)

胃の内容物が食道や口腔内に上がってくることで胸やけを起こす。内視鏡検査してみると食道に粘膜障害が見つかる。逆流する原因は下部食道括約筋圧の低下が主である。普段は食道と胃の間が閉まっている。
典型的には胸焼け、呑酸があり、ときに胸痛、咳嗽、咽頭違和感などで気づくこともある。
日本人の有病率は10%にもなる。
放置しているとバレット食道、食道ガンに進むこともある。

呑酸とは?

口腔内への胃酸逆流により、苦みや酸っぱさを感じる、あるいはそのようなげっぷが出ること。

治療薬は主に3種類

★ PPI:プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor): 第一選択肢。3割負担で1,000円ほど。
2016年からボノプラザン(タケキャブ)が長期処方に加わった。服用が長期に及ぶと腸管からのマグネシウム吸収が抑制され、低Mg血症、二次的にK血症、低Ca血症を引き起こす。pHが10と強アルカリであるため。
1年を超える服用には内視鏡で胃粘膜を見た方がよい。

アルギン酸塩(アルロイドG)、制酸薬は症状改善に効果がある。また消化管運動機能改善薬、漢方薬(六君子湯エキス)も単独でなく、PPIとの併用であれば症状改善に寄与する。

★ ヒスタミンH2受容体拮抗薬: いわゆるH2ブロッカー。ガスター、ザンタック、アシノンなど。胃酸の分泌を促進する信号が伝わるのを邪魔して分泌を抑制する。Hはもちろんヒスタミンのこと。抑止効果はPPIに劣るが、夜間の酸分泌亢進を食い止める効果はPPIより高い。長期投与も安心。

★ P-CAB: カリウムイオン競合型酸ブロッカー。タケキャブなど。最も強力に胃酸の分泌を抑制する薬。
PPIは数日かかるが、これは数時間で効いてくる。夜間の咳き込みにも有効。3割負担で2,000円ほど。
難治性食道炎のほとんどの症状を消失させる。個人差も少ない。
高齢者で食道裂孔ヘルニアのある患者さんにはP-CABの長期投与が必要。
またピロリ菌除菌に従来はPPIが使用されてきたが、今後は主役がPCABと抗生剤の組み合わせになるだろう。

腹腔鏡下噴門形成術

緩んだ括約筋に胃を噴門に縛り付ける。バレット食道から食道ガンになるリスクを下げられる。1週間ほど入院が必要。食道裂孔ヘルニアの場合も適応となる。

予防法

生活習慣の中から胃酸逆流を促進するものを避ける。喫煙、アルコール、チョコレート、脂肪食、臥位など。
食事の内容を検討してみる。検査は消化器内科へ。

消化器についてもっと知りたい方は→ 消化器:口から肛門までの長~い道のりとそれにまつわるお話。
肺について知りたい方はこちらも→ 肺炎:COPD、間質性肺炎、鳥のせいで肺ガンになるって本当なの?

この記事を書いている人 - WRITER -
Author

Copyright© すこやか084.org , 2021 All Rights Reserved.