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失禁関連皮膚炎:褥瘡、床ずれ、その対策、スキンケア製品について。

2021/10/11
 
車椅子の老人
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在宅で寝たきりの家族を介護していらっしゃる方、本当にお疲れさまです。
お食事中の方は一部単語にご注意ください。

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おむつかぶれ

最近では失禁関連皮膚炎(IAD)という。高齢化が進み、失禁により皮膚がふやけ、皮膚炎を起こす病態が増えている。
付着した排泄物により皮膚がふやけ、皮膚のバリア機能が破綻することが原因である。
失禁があると長時間水分に晒され、湿潤状態となり、肌がふやけ、角質層、顆粒層のバリアが構造破綻する。
健康な皮膚なら寄せ付けないタンパク質などの大きな分子も真皮深層まで侵入、皮膚炎となる。

便失禁があれば更に便の酵素により皮脂や角質細胞が分解され、細菌にも曝露されることで細胞自体が傷害される。このため毛細血管から出血、軽微な発赤を呈するようになる。
なってしまうと治しにくいため、予防的ケアに努める。
既に起きてしまっている方には湿った状態が長くならないようこまめにオムツ交換する、保湿を心がけるなど、できることをしよう。
ご自分ではできない場合が多いであろうから。

床ずれ

栄養状態と貧血の改善が鍵。最も軽い糜爛期、肉芽期、壊死期と続く。
水道水でよく洗い、ガーゼで水分を取り、適切な軟膏を塗布する。入浴は血行促進洗浄のため積極的に行うべき。入浴後に必要な処置をする。高齢者は動脈硬化があるため血行不良があると思って間違いない。
糖尿病があればなおさら末梢循環が悪く、四肢末端にチアノーゼが見られることも多い。
喫煙も血管をぎゅっと収縮させ、ヘモグロビンは酸素より二酸化炭素を好むため、全身が酸欠ぎみとなる。
メリットは何もない。

  • 糜爛期:混合軟膏の塗布のみで治癒する。
  • 肉芽期:壊死した黒い部分がなくなり、肉芽で覆われる。
  • 壊死期:壊死した皮膚は細菌の巣窟となるため外科的切除(デブリードマン)が必要。
    殺菌力の強い軟膏で除菌する必要がある。

スラフ

褥瘡のステージⅢ出見られる。黄色やグレーに変色し溶解した組織。

エスカー

褥瘡のステージⅣで見られる。黒色壊死組織。

褥瘡の原因

床ずれと同じ。座っている時は尻の血管が圧迫され血が流れなくなるが、立てばまた元通りに流れる。
しかし寝たきりだと踵や腰、首の付け根等にいつも体重がかかって血が通わなくなるため、白血球もうまく働かない。しかも体温で温かいので、細菌の培地になりやすく、腐りやすい。
寝たきりでないヒトは自然に寝返りを打てるのでそこまでには至らない。
半身不随や意識混濁の場合は毎日誰かのケアが必要になる。体位を変えてやらなければならない。
人手不足の施設では2時間毎に体位交換などとてもできないため、ひどい褥瘡になって放置されている方も見受けられる。

  • 摩擦、ずれ
  • 乾燥
  • 湿潤、ふやけ
  • 栄養不足、やせ
  • 持病、薬
  • むくみ
  • 介護の人手不足、知識不足

予防とケア

まずは体圧分散が大切である。自身で動けるヒトは15分に一度は腕で支えてお尻を浮かせる。
かかとの下にビーズマット、腕の下に安楽枕など、使えるものは何でも使う。
ポジショニンググローブで背抜きを行う。寝たきりの場合、シーツやパジャマにシワがあるとそれも刺激となる。

  • 座っているとき:股関節、膝関節、足関節を90度になるよう座る。太ももの裏側で支えられるようにしないと圧迫される部位ができ、そこの皮膚が傷みやすい。ドーナツ型クッションは姿勢が崩れるため望ましくない。
  • 寝ているとき:可能であれば2時間毎に体の向きをずらしていく。 シーツやピロケースのシワも刺激になるため、ホテルのベッドメイクよろしく、ぴしっと敷く。
  • 健康な部位には予防として撥水剤やエモリエント剤を塗るなど、健康な皮膚から余分な水分が行かないよう対処しておく必要がある。

体の洗い方

石鹸をよく泡立てて泡で包むように優しく洗う。よく流す。ごしごしは厳禁。洗えない場合はタオルで優しく拭く。
拭き残しがないよう、耳、指の間、尻などは念入りにする。すぐに乾燥するので保湿剤を塗る。
入浴する場合、温度に注意する。42℃では皮脂が落ちすぎてしまう。
褥瘡がある場合は湯が汚れないよう、防水性ドレッシング剤でカバーしておく。最後に剥がしてからシャワーをかけて流す。入浴後の消毒は不要。
湿度が40%以下にならないよう、加湿器を使うなど、調整する。高齢者は赤ちゃんに比べて肌の水分量がだいぶ少ない。

床擦れの治療薬は?

  • 急性期:ドレッシング剤を貼り傷を保護し、適度な湿り気を維持する。毎日観察するため剥がしやすく透明なタイプのものを選ぶ。
  • 慢性期:浸出液や膿が出る場合、それに合う塗り薬を用いる。塗った上から覆うドレッシング剤も合ったものを選ぶ。
  • 浅いもの(真皮まで):ハイドロコロイドなどで湿潤環境を保つ。
  • 深いもの(皮下組織に達する):感染抑制のため、ヨウ素軟膏,スルファジアジン銀などを塗る。
    感染や壊死組織の除去した後はbFGF(フィブラストスプレー)などの肉芽形成を促進する薬剤や被覆材を選択する。

外科的処置

膿汁、骨髄炎などの組織感染があるときは、外科的デブリードマンとなる。必要があればポケット切開術もなされる。
場合により、感染の沈静化や創の縮小のため植皮術も行われるが、患者さんに体力がなければ必要であってもできないこともある。

皮膚に関してはこちらも→ 皮膚:アトピー、汗、ヒスタミン、セロリ皮膚炎、痒みの表現(英語)

皮膚といえばマルホ→ https://www.maruho.co.jp/kanja/ 動画も説明も非常にわかりやすくてお勧めです。


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