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遺言状:種類、要件を満たす書き方、遺族を困らせないためには?

 
公正証書遺言
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相続を「争族」にしないためにはちょっとの準備と工夫が必要です。

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日本の民法は古いからちょっとだけ「大改正」された。

遺言

法的には「いごん」という。遺言書にはご存じのとおり、3種類ある。
自分が死ぬのを想定するのは嫌かも知れないが、認知症になってからでは家族が大変である。
どうか準備はしておいてほしい。あなたの家族のために。特に現金以外の土地やら株券やらがある場合は。

◆自筆証書遺言

すべて自筆で書いたもの。書いた年月日署名捺印があることが条件。この日付が一番新しいものが有効となる。吉日とかでは意味をなさない。筆記用具や紙の種類は問われない。

財産目録に限り、パソコンでの作成・印刷も認められるが、各ページに署名・捺印が必要。無料で書き直しがいつでもできるお手軽さがありがたい。しかし不備なく認める(したためる)にはそれなりの法律知識が必要。

◆公正証書遺言

遺言者自身の希望を公証人が聴き取り、作成する。同じものを3部作成し、うち1部は公証役場に保管されるため、偽造や紛失の心配がない。証人が必要で公証役場に出向く手間と費用もかかるが、不備のおそれはなく、偽造されないのがありがたい。

手数料は財産の価額により、決まっている。地域差はない。
公証人手数料については→ https://www.koshonin.gr.jp/business/b10

◆秘密証書遺言

自筆、代筆、パソコンでもいいが、署名は自筆でなければならない。

遺言者はこれを誰にも見せることなく封筒に入れ、捺印した印鑑で封印する。

証人2名立ち会いで公証役場に持参し、中身が遺言書であることを伝え、全員が署名捺印する。しかし内容は公証人も見ていないため、確実性は劣る。財産の多寡にかかわらず一律11,000円

遺留分

法定相続人に認められる法定相続分の1/2。相続人の兄弟姉妹にはない

遺留分を超えての遺言はトラブルの元凶となる。遺留分は、被相続人が相続開始時において有した財産の価格を算定基準とする。相続は被相続人(亡くなった方)の死亡により開始するので、被相続人の死亡時の遺産の価額が遺留分の計算の算定基準になる。

つまり、現金なのか、土地なのか、株なのか、美術・骨董品なのか・・・、その内容によって大きく結果が異なってくるのである。もし自宅しか財産がなかったら・・・最悪である。売却しなければ相続税も払えず、兄弟で分け合うこともできない。

全財産を○○さんに、とか、××に寄付、とか書いても遺留分は侵害できない。相続人(もらう人)が主張しなければこの限りではないが。もらえるものをいらないという方はかなり少ないと思われる。

2019年7月1日より、遺留分減殺請求権が遺留分侵害額請求権に変わり、遺留分を侵害している額に相当する金銭の支払いを請求することができることになった。

もちろんいつでもいいわけではなく、時効がある。「知ったときから1年」または「相続が起きてから10年」である。いつまでも権利確定しないと周りも取引などで不安定だからである。

またある人が遺留分を放棄しても、他の人の割合は増えない。そこが相続放棄と違うところ。

遺留分のある相続人にどうしても財産を遺したくない場合は、「推定相続人の廃除」を検討するしかない。素行が悪い、家族に暴力を振るうなど、よほどのことがあれば家裁が認めるであろう。

▲民法第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

▲民法第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

▲民法第千四十九条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
▲2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。

相続順位

配偶者:常に相続人となる。子がいなければ100%。

第1順位:直系卑属(実の子、養子)は配偶者と1/2ずつ。子が3人いれば各自は1/6ずつとなる。民法改正により、非嫡出子(婚外子)も嫡出子(配偶者の子)と差がなくなった

第2順位:直系尊属(相続人の親)、親がいなければ祖父母。1/3。配偶者は2/3。

第3順位:兄弟姉妹は1/4、配偶者が3/4。しかし兄弟姉妹に遺留分はない

預金の解約

経験のない方は思いもよらないであろうが、亡くなった方の「預金の解約」は非常に大変である。
まずどこに預金しているか、知らない場合もある。
最近ではネット銀行で通帳がない場合もあるため、同居していないと全口座の把握が難しい。
また口座の有無がわかったとして、次の手続きがまた大変!である。

◆遺言書がない場合の必要書類

○ 金融機関指定の書式の口座払戻請求書と相続届

○ 故人の出生から死亡までの戸籍謄本(これ集めるのが大変!直接行くか郵便で送ってもらう)

○ 相続人全員の戸籍謄本

○ 預金口座の通帳と銀行届出印

○ 遺産分割協議書(相続人全員の話し合いと合意が必要)

○ 3カ月以内に発行された相続人全員の印鑑証明書の原本(1通300円)

◆遺言書がある場合

○ 金融機関指定の書式の口座払戻請求書と相続届

○ 故人の死亡時の戸籍謄本(遺言の内容によって必要となる戸籍が増える可能性あり)

○ 遺言執行者の選任審判書謄本(裁判所で遺言執行者が選任されている場合には必要)

○ 預金口座の通帳と銀行届出印

○ 遺言書

検認調書(自筆証書遺言の場合に必要、公正証書遺言の場合は不要)

これらを滞りなく提出後、銀行の相続担当が不備を確認してから解約となる。それなりに手間と日数がかかる。

ただし、2019年7月1日に改正民法(改正相続法)が施行され、被相続人の死後一時的に必要となる資金(葬儀費用や未払い医療費)を直ちに捻出することができるよう、相続人が単独で、各金融機関から預貯金の仮払いを受けることができるようになった。同居して面倒見てきた家族は少し助かるであろう。

しかしその相続人が金融機関から仮払いを受けることができる金額は、相続開始日時点の預金残高×3分の1×当該相続人の法定相続分(ただし、1金融機関の払い戻しの上限額150万円)までである。何10億円あろうとも!

まず故人の戸籍謄本が必要であるが、これが難物。長生きして、あちこち転居した方の戸籍すべてを辿るのは、遺族といえども簡単ではない。また各役所に行くか頼むかして郵送してもらうのに経費と日数がかかる。さらに遺産分割協議書の提出もいる。それにはすべての相続人を確定させなければならないが、両親も知らない「認知された子」がいたりするのだ。ある意味人生はドラマなのである。

相続人全員の署名・実印の捺印、そして全員の印鑑証明書原本(直近3カ月以内)の添付が要る。もたもたしているとこの3カ月が過ぎてしまい、また取り直しになる(1通300円)。それらすべてが法的に有効に整って、銀行が確認してからでないと、解約はできない。
そして不備なく一発で揃えられる遺族もこれまた少ない。

弁護士

弁護士法23条の2に定められた照会手続き。弁護士はそれぞれの金融機関や個人に対して、照会と調査を行うことができる。弁護士会照会では、故人名義の預貯金、株の口座といった取引履歴を確認できる。
相続財産の価額や種類が多い場合は依頼した方が無難である。

後から別の相続人が出て来たり、財産が見つかったりしたら、それこそ大揉め、身内で裁判沙汰である。配偶者はひとりしかいないが、子どもたちが複数いて、その連れ合いもいるなら関係者はかなり多いのだから、揉めることになりやすい。

その他関連情報はこちらにも→ 成年後見制度:費用、手続きなど。認知症になる前にやるべきことは?

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