体もお財布もすこやかにする情報を発信する雑学サイトです。

すこやか084.org

カテゴリー

チョイス:脂肪肝の原因、肝硬変から肝ガンへ!防ぐ方法とは?

 
お酒のボトル
この記事を書いている人 - WRITER -
Author

脂肪肝→肝硬変→肝ガンへ、お酒飲まない人も油断は禁物です!

スポンサーリンク

お酒を毎日、浴びるように飲んでいるヒトだけがなる・・・と思ったらそうでもないので、油断なりません。
自覚症状がないからとつい油断して、数年したら肝硬変、場合によっては肝臓ガンになることも・・・。
すこやかでいるためには多少の努力も必要です。

この記事の難易度★★★

肝臓って何する臓器?

体重の2%にもなる大きさ。右葉は左葉より大きい。右葉と左葉は肝鎌状間膜により分けられている。
薬物代謝をしてくれる。経口摂取した薬が初めて肝臓で代謝されることを初回通過効果という。代謝には薬物代謝酵素が関係するため薬の効き方には個人差が出る。

皮膚に次ぐ人体最大の臓器。肝細胞2,500億個から成る。タンパク質の合成、ブドウ糖や脂質の代謝、グリコーゲンの貯蔵、アルコールや薬の解毒等、500以上の機能を持つ。2/3切除しても正常に機能する。放射線感受性が高いためガンになっても放射線治療はあまり選択されない。
治療機器の進歩で定位照射が可能となり、必要な線量を無駄なく腫瘍に当てられるようになってきた。
局所制御率は9割を超える。ラジオ波焼灼術ができない病変や高齢者、持病がある人には選択肢となる。

シトクロムP450 (これ大事よ!)

肝臓で薬が代謝されるとき使われる酵素。水に溶けない物質を溶けるようにする働きがある。
ヒトには57種類ものCYPがある。働く程度はヒトにより違う。活性が低い(代謝しにくい)人をプア・メタボライザーといい、極端に速く代謝する人をウルトララピッド・メタボライザーという。
プアの人は体内に留まるため飲む量が少なくて済む。

グリソン鞘

肝小葉を分けている結合組織。肝動脈、門脈、胆管の3本は束ねられていてひとつの鞘に入っているように肝臓の中を走行している。

脂肪肝

日本人の1/3人がこれだとか。中性脂肪が異常に蓄積された肝臓。フォアグラと同じ状態。肝硬変になりやすい。
原因は栄養過多アルコールの過剰摂取、ある種の薬物など。
極端なダイエットによる低栄養性脂肪肝や肝炎ウイルスによるものもある。
あまりに摂取カロリーが少ないと、体が「飢餓状態」だと判断してエネルギーを溜め込むようになってしまうからである。それだけ人類は飢餓というものに対応するようにできていて、飽食に対応するようにはまだなっていないのた。
まずは血液検査のデータを見て欲しい。AST、ALTが30以上、γ-GTPが50以上なら疑いがある。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

では飲まないヒトには関係ないかというと、さにあらず。お酒をあまり飲まないヒトでも肝臓に余分な脂肪がたくさんつくと炎症が起き、肝細胞が弱って死ぬ。
それをマクロファージが取り囲んで食べ続けるため炎症が続いて肝炎を発症する。
また肝臓や筋肉に余分な脂肪がつくとインスリンの働きも悪くなる。心臓も心筋という筋肉である。
Fib-4 indexというスコアリングシステムで進行度を見極める。


異所性脂肪✿が増えるとインスリンに対する反応が悪くなり糖の取り込みが滞るのである。
また胆石や胆嚢ポリープ、肝ガンなどを併発することもあるので経過観察が重要となる。

✿異所性脂肪:本来つくべきでない箇所につく脂肪。見えないけれどろくなことにならない。
内臓に蓄積した場合、その臓器の働きを妨げる可能性がある。
男性は特に加齢と共に心臓周囲に蓄積する傾向があり、心筋梗塞を起こすこともある。非常に危険。

どうしたらいいの?

私もあなたもあと3,000~5,000歩余分に歩く (毎日) ことでこのリスクを遠ざけることができる!
もちろん食い放題・飲み放題との両立は難しいが・・・。まずは内臓脂肪を減らすのが一番の王道である。

有酸素運動とレジスタンス運動✿は体重が減らなくても脂肪肝には効果あり! 珈琲の適量摂取も効果がある。
糖質と炭水化物を減らすのが望ましいが、ゼロにしてはいけない。必要な栄養素であるから。
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」である。運動しすぎて怪我したら元も子もないし。

✿レジスタンス運動:スクワットや腕立て伏せなど、筋肉に負荷をかける運動。頑張りすぎて怪我をしない程度にやってみよう。反動をつけず、じっくり、自分のペースで。
スポーツクラブだとヒトと合わせてやらねばならないから、自宅でこっそり(?)やるのをお勧めする。
慣れないうちはテレビのCMの間にちょこちょこやるくらいでもいい。

肝硬変

線維化により肝臓の組織が破壊され、まさに硬くなった状態。正常な肝臓の硬さは2kPa✿であるが、肝硬変では5kPaにもなる。臓器も血管も弾力性を失うとろくなことがない。

✿kPa:キロパスカルは圧力の単位。

血中のアンモニアが分解されず、手に羽ばたくような震えが起きることがある。
コリンエステラーゼと血小板が低値だと肝硬変と診断される。
血中アンモニア値は30~80 μg/dLが正常だが、200越えになるようなヒトもいる。

検査

まずは 血液検査でAST、ALT、γ-GTPなどの値を見る。次はエコー検査(脂肪肝だと明るく映る)、超音波検査で肝腎コントラスト陽性となれば肝生検となる。
肝生検は針を刺して肝臓の一部を採るため若干のリスクがある。2泊3日ほど入院して調べる。
MRエラストグラフィーという機械で写すとこんな感じ↓である。こちらは3割負担で600円ほど。

山梨大学医学部放射線講座より掲載

診断の目安になる酵素

  • ALT(アラニントランスフェラーゼ):代表的肝機能検査項目。
  • AST(アスパラギン酸トランスフェラーゼ):肝臓疾患、心筋梗塞、骨格筋疾患で増加する。
  • LDH(乳酸脱水素酵素):いろいろな臓器に含まれるためアイソザイムによりどの臓器なのかを調べる。
  • CK(クレアチンキナーゼ):心臓専用と骨格筋専用がある。
  • ALP(アルカリフォスファターゼ):アイソザイムの一種。骨に異常があると出てくる。
  • ACP(酸性フォスファターゼ):前立腺に異常があると出てくる。
  • AMY(アミラーゼ):膵臓が悪いと出てくる。
  • LAP(ロイシンアミノペプチターゼ):肝臓が悪いと出てくる。

アルコール性肝炎

文字通り、過度の飲酒による。脂肪肝、肝炎、肝硬変と進む。休肝日とかではなく、週にどのくらい飲んだかが分かれ目。弱いヒトが無理して飲むのも、強いからといい気になって飲むのも望ましくはない。

白血球が肝細胞に入り肝細胞が死滅する。この段階で飲酒を止めないと肝硬変に至る。
肝硬変とは肝臓の一部が瘢痕化して機能しなくなる疾患。瘢痕化が進行するにつれ肝臓は縮小する。
黄疸、痒み、女性化乳房、精巣萎縮、足のむくみなどが見られる。解毒されない毒素が脳を侵し、眠気、錯乱、見当識障害を引き起こすこともある。ワイン2杯くらいまでなら何とか解毒できるが、連日飲んだくれていたら遠からずなるであろう。休肝日とかの言い訳はいつまでも通用しない。弱いヒトは特に無理して飲むのはやめた方が良い。
また飲めないヒトに無理強いするのも犯罪に等しい。悪気はないとしても・・・。

自分の健康は自分でしか守れないのだから。

パラクリン

細胞刺激の仕組み。肝臓が切られても元の大きさに戻るのはHGF (間細胞増殖因子) が活性化し肝臓の血管内皮細胞やマクロファージにより生産され肝実質細胞に作用するため。
刺激物質を作る場所と使う場所が離れているのに刺激が伝達される。
刺激物質を自分が受け取って自分が活性化されるのはオートクリンという。

マイオカイン

脂肪肝に効く薬はただひとつ、減量のみである。大きな筋肉、大腿四頭筋などを動かすと、筋肉から放出される。
筋肉は「第2の肝臓」と呼ばれ、中性脂肪がエネルギーに変換されるので、日々あと少し体を動かすのを意識すると改善していく。有酸素運動とスクワットなど筋肉に多少負荷をかける運動を取り入れるとよい。

栄養

もちろん食事も大切である。まずお菓子や間食(特に糖分)をやめることである。寝る前2時間は食べない、タンパク質や大豆(コリン、不飽和脂肪酸が含まれる)、納豆(ビタミンB2)を摂るとよい。

肝臓ガンの治療は?

ガンの状態により、ガイドラインに沿って治療方針が決められる。

  • 手術: ガンが1ヵ所で転移がなく元気なら 適応となる。高齢でフレイル状態のヒトや肝炎などで体が耐えられないヒトは対象とならない。予備能がないヒトでは術中に大出血を起こす可能性が高い。
  • ラジオ波焼灼術:ガンが 3個以内、各3㎝以下なら 600KHzの電流を6~7分流す。局所麻酔なので手術よりは体の負担が軽く済む。7日ほど入院して3割負担ならば15万円ほど。
  • 肝動脈塞栓療法:ガンが4個以上ある場合、ラジオ波の適応にならない。また肝ガンは再発することが多い。
  • 肝臓のガン細胞を栄養する冠動脈までカテーテルを入れ、まずは抗ガン剤を注入、その後ガン細胞のそばの冠動脈を詰まらせて栄養を摂れなくして、ガン細胞を死滅させる。6日ほど入院して3割負担なら21万円ほど。

肝ガンの薬は?

門脈や胆管まで、あるいは転移している肝ガンは手術が適応にならないため抗ガン剤治療となる。2021年9月時点で6種類が保険適用となっている。

  • レンバチニブ:分子標的薬。
  • アテゾリズマブ:免疫チェックポイント阻害薬。
  • ベバシズマブ:分子標的薬。
  • ソラフェニブ:分子標的薬。
    ✿分子標的薬:ガン細胞と正常細胞の差を特異的に捉えて作用するため副作用が少ないと思われていたが、イレッサによる間質性肺炎などもあり、注意が必要である。絶対に安全な抗ガン剤というのはなかなかないものである。

シャリテ病院事件

1991年8月、ドイツのシュピーゲル紙がスクープした。東ベルリンにあるフンボルト大学医学部の付属病院でベッド数2,000、医師900人、東ドイツ最大の病院で起きた事件。
移植のための肝臓が足りなかったため、ベルリン以外の病院から「もうすぐ死にそうな患者」をシャリテに連れてきた。途中に設備の整った病院があっても、敢えて連れて来た。治療のためではなく、ドナーにするために。
当時ヘリはなかったので何キロも道路の悪い道のりを車で運んだ。重症患者にすべき移動ではなかった。
移送が原因で死んだ患者もあり、あらゆる臓器が提出されていた。内部書簡の抗議が外部に漏れて、明るみに出た。
一部のドクターたちにこんな事件を起こされてしまうと、臓器移植に疑念を持たれ、提供者が増えない負のスパイラルに入ってしまうおそれがある。非常に意味のあることなのに・・・。

別記事で肺炎についても書いております→ 肺炎:COPD、間質性肺炎、鳥のせいで肺ガンになるって本当なの?

ガンについて知りたい方はこちらも→ ガン治療最前線:抗ガン剤の種類、効く理由、関連用語をおさらい。

この記事を書いている人 - WRITER -
Author

Copyright© すこやか084.org , 2021 All Rights Reserved.