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肺炎:COPD、間質性肺炎、鳥のせいで肺ガンになるって本当なの?

2021/10/09
 
虹と綺麗な空気
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誤嚥性肺炎についてはこちらに記載→ ごえん性肺炎:食べ物ばかりでなく、自身の唾液でもなるのです!

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肺炎

日本人の死因の第3位。毎年12万人もが死亡している。感染性と非感染性がある。65歳以上の肺炎の多くは肺炎レンサ球菌の感染による。全身に散らばると敗血症による多臓器不全となる。肺炎球菌ワクチンは一度接種すれば抗体が5年有効なのでその間は感染リスクから逃れられる。

肺炎球菌などによるものを細菌性肺炎群と呼び、それ以外を非定型型肺炎群と呼ぶ。マイコプラズマやクラミジア(下の方に記述)による。原因菌により有効な抗生物質が違ってくるので識別する必要がある。
高齢になるほど死亡率に占める割合が高くなる。

口腔ケア

口腔内にはたくさんの細菌がいるため肺炎、腸炎、口内炎の元になる。口で食べない経管栄養の患者さんでも、毎日ブラッシング、うがい、保湿を行う必要がある。特に毎食後のブラッシングは不可欠。うがいは食前。口内炎で痛いときはアズノールうがい液を用いる。
食欲がなくて口の中が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなるため保湿効果のあるマウスウォッシュを使う。

COPD

病期がⅠ期からⅡ期に進行すると呼吸機能が大きく低下するが、同時に骨密度も低下して、椎体骨折が多くなる。
炎症性サイトカインの産生が活発になるため。肺胞を破壊する好中球マクロファージを活性化させるばかりでなく、マクロファージが破骨細胞へと分化するのを促進✿する。
更に呼吸機能低下で運動不足が重なるため骨粗鬆症を促進させる。そして円背となり肺が圧迫、呼吸容積が減少するという負のスパイラルに陥る。肺障害と骨密度低下にサルコペニア(筋力低下)が加わる。
慢性炎症、低栄養、喫煙、低酸素血症はすべて骨粗鬆症のリスク要因となる。更にビタミンDの欠乏が増悪を招く。治療のための内服や吸入のステロイドを長期使用することで骨粗鬆症リスクがますます高まる。

✿骨というものはスクラップ&ビルドを繰り返すもの。破骨細胞が壊し骨芽細胞が作ることで新陳代謝される。壊す方ばかり多くなればそりゃ骨折しやすくなる。そして骨折→寝たきり→認知症となるパターンが非常に多い。

高齢患者ではCOPDに合併する骨粗鬆症の治療にビスホスホネート製剤が適さない者がいる。肺の過膨張で食道や胃を圧迫しがちで嚥下機能が低下、肺炎など気道感染のリスクとなる。ビスホスホネート製剤は副作用として食道などに炎症を起こしやすい。その場合は活性化ビタミンD3製剤が適している。

人工呼吸器関連肺炎(VAP)

集中治療室で長期使用した気管チューブに分泌物が溜まりその細菌で肺炎を起こすことがある。
防ぐため分泌物吸引ラインを付けた気管チューブも開発されている。

間質性肺炎(ILD)

肺胞を包む壁(間質)に炎症が起こり酸素を十分に取り込めないため呼吸が苦しくなる。放置すると肺線維症に進んでしまう。致命的、治療は困難。

酸素と二酸化炭素のガス交換を行っている間質(肺胞を包む壁)に炎症が起こった状態。酸素が十分に取り込めず呼吸が苦しくなる。進行すれば肺線維症になる。アスベスト、膠原病、抗ガン剤(イレッサ)、抗リウマチ薬、インターフェロン製剤、不整脈治療薬、小柴胡湯(しょうさいことう)、総合感冒薬が原因となることが多い。

病因不明の瀰漫(びまん)性間質性肺炎(特発性間質性肺炎)。中高年者に多く男女比は1.58:1で男性に多い

乾性咳嗽と息切れ、特に労作時呼吸困難が主要症状である。急性型ではこの他に発熱、関節痛、稀に皮疹等の症状を呈することもある。理学所見で特徴的なものはベルクロ・ラ音(聴診器で聞くとわかる)とばち状指(だれでも見ればわかる)がある。

赤沈、CRP、白血球数、リンパ球数、GOT、 LDHの上昇がみられることが多い。胸部X線所見では粒状影と輪状影がみられ、肺部縮小を伴う。病変の多くは背部肺底から始まり、次第に胸膜下の肺領域を上行して進展する。
しばしば免疫学的異常を伴い、高γグロブリン血症60%、リウマチ因子40%、抗核抗体は27%が陽性である。

治療としては、ステロイド免疫抑制薬が用いられる。予後は不良で、ステロイドに反応しない場合には急激に死の転機をとる。

過敏性肺炎

主にカビを原因とする。原因不明や喘息と診断されがちだが、血液検査をするとトリコスポロンの陽性反応が出る。トリコスポロンは白いカビで水回りに繁殖しやすい。脱衣所、洗濯機の周囲、シンク、畳の裏、枕などが危険。木と湿気を好むため築20年以上の木造家屋がハイリスクと思われてきたが、近年の住宅は気密性が高いため鉄筋コンクリート造のマンションでも1~3階は繁殖に適している。5階以上の高層階では繁殖しない。自宅に繁殖している場合には大改装か転居しか手がない。

喫煙者は特に注意が必要。たばこのせいでアレルギーに対する抗体ができにくくなるため肺炎特有の症状が出にくくなる。慢性化するまで肺炎になっていることに気づきにくく手遅れになりがち
咳や痰、息切れが長引き、自宅にカビがある場合、旅行などで数日離れると症状が改善し、戻ると再発するならこれである。水回りを点検、白や黄色のカビを写真に撮って呼吸器内科医に相談する。抗体反応の検査は健康保険でカバーされている。

鳥関連過敏症肺炎

最近は鳥タンパクも問題になってきている。胸腔鏡で組織検査するとわかる。気管支の周囲からやられていく。血液検査をすると鳥の抗体に陽性反応が出る。公園の清掃作業をしていて土鳩(ドバト)のフンを毎日知らずに吸い込んでいて肺がダメージを受けることもある。

鳥を特に飼育していなくても罹ることがある。鶏肉を食べて発症することはない。あくまで鳥の羽毛やフンに含まれる微細な物質を吸い込むことでアレルギー反応を起こす。種類に関係なくどんな鳥からでもなりうる
ペットの文鳥、インコ、近くに来る鳩や烏の羽根やフンでも発症、命を落とすことがある。飼っていなくても自宅から半径2㎞以内に鳥小屋があると発症する可能性がある。レース鳩は高価なため鳥小屋の移転はしてもらえないケースが多い。鳥の多い公園、神社、駅も注意が必要。鶏糞肥料を使った畑からも鳥タンパクは舞い上がる。地方でも都会の家庭菜園でも大量に舞う。

冬に悪化するのは羽毛布団由来が多い。使用を止め綿の布団やブランケットに変えれば症状は治まる。
ダウンジャケットも要注意。満員電車や人の多い場所ではだれかが着ているためマスクで防護する以外にない。トリコスポリンより重症化、死亡する率が高い。罹患者の10%で肺ガンを合併する。血液検査は自由診療で5,000~10,000円ほどかかる。

市中肺炎

常在菌で真正細菌の一種、モラクセラ菌による。

急性肺障害(TRALI)

怪我や手術などの侵襲後12~48時間に胸部X線写真上で両側肺浸潤陰影を呈する急性呼吸不全。侵襲により免疫担当細胞が活性化され、サイトカインなどが産生される。間質性および肺胞性肺水腫と肺虚脱などで、低酸素血症を来す。

レジオネラ症

温泉施設や老人福祉施設などで発生する。噴水、循環式浴槽、給湯設備、加湿器、空調システムで増殖する。ヒトが菌を含む気体を吸い込むことで感染する。院内感染以外の市中肺炎の5%を占める。
長時間溜まった水で増殖しやすい。20~45℃で増殖しやすいためそれ以外の低温や高温を維持するか、とにかく清掃することで防げる。悪寒を伴う急激な発熱が見られる。
レジオネラ肺炎は重症化する。進行が早く1週間で死亡することもある。

皮膚筋炎

ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候などが代表的症状。病状が進むと間質性肺炎、筋力低下が見られることもある。ステロイドの内服、γ-グロブリン療法、ステロイド・パルス(短期・大量に投与して劇的改善を狙う)療法、免疫抑制剤内服など。

カリニ肺炎(PCP:ニューモシスチス肺炎に名前が変わった)

ニューモシスチス・イロベチイという原虫が原因。人獣間に広く不顕性感染(サブクリニカル感染)している原虫が肺胞内で増殖することで起きる重篤な肺炎。酸素と二酸化炭素の交換が円滑に行かず息苦しくなる。

宿主の免疫不全に乗じて発症する典型的な日和見感染症の一つ。1950年代に主にヨーロッパにおいて未熟児での発生が注目された古典的病型は間質性形質細胞性肺炎の像を呈したが、最近多い白血病、悪性リンパ腫、癌腫、臓器移植患者などに対するステロイドや免疫抑制剤、抗癌剤などの長期投与に基づく発症例は、間質病変に乏しく肺胞上皮の剥離と破壊、ガラス様膜形成、肺胞マクロファージの遊走が特徴で、急速に呼吸困難に陥る例が多い。

またHIV患者の併発例ではこれらの中間病型を示し、比較的緩徐に病状が進展するが、一般に再発率が高い。肺胞内に寄生し、栄養型と嚢子がみられる本原虫の生活史はまだ不明の点が多いが、組織侵入性はない。
しかし肺胞内で増殖した多数の虫体の肺胞上皮への付着、蜂窩状物質の充満に基づく含気性の低下がガス交換を阻害して肺胞毛細管ブロックに陥り、低酸素血症を誘導する。

そのため痰の喀出が困難な乾性咳嗽、発熱、進行性の呼吸困難、チアノーゼ、肺門部から急速に両肺野に陰影が広がり全肺野がすりガラス様になる胸部X線所見を呈する特異な肺炎を起こす。診断は基礎疾患の有無と臨床経過から本症を疑いうるが、喀痰の集嚢子法、気管支洗浄法、経皮的肺吸引、開胸的肺生検などにより原虫を検出すれば診断確定となる。

治療にはST剤の内服または点滴静注、ペンタミジンの筋注または吸入などがあるが、基礎疾患により薬剤の感受性や副作用の発現に違いが見られる。

テイ・サックス病

ガングリオシドが蓄積する常染色体劣性遺伝病。アシュケナジー・ユダヤ人(ドイツ、ポーランド、ロシア系)に多い。生後4~6ヵ月で精神運動機能の退行が始まる。1歳頃には筋緊張低下、視力喪失、2歳で頭が大きくなり、発作を起こすようになる。四肢を動かさず、蛙姿位を示す。3歳では嚥下困難になり、5歳までに肺炎を併発して死亡する。

クラミジア

細菌に属するが、一般細菌と異なり無細胞培地では増殖できず、動物細胞内でのみ増殖できる偏性細胞寄生性(obligate intracellular parasite)の小球菌。

特異な形態変化を伴う増殖環を有しており、小型で感染性のある基本小体、大型で増殖能を有する網様体とその中間体の3つの形態がある。

現在、クラミジア属にはChlamydia psittaci(オウム病クラミジア)、C. trachomatis(トラコーマクラミジア)、C. pneumoniae(肺炎クラミジア)、C. pecorum(クラミジア・ペコルム)の4種があり、このうち前3種がヒトに感染し、肺炎やトラコーマ、非淋菌性尿道炎などの感染症を惹起する。

診断には検体中のクラミジア菌体あるいは菌体構成成分を直接証明する抗原検出法と、抗クラミジア抗体を証明する抗体価測定法がある。

有効な抗菌薬は3種間でまったく差がなく、テトラサイクリン系ではミノサイクリン、ドキシサイクリン、マクロライド系ではクラリスロマイシン、ニューキノロン系ではスパルフロキサシン、トスフロキサシンが有効である。
しかし、β‐ラクタム薬、アミノ配糖体は無効である。

より詳しくはNIIDへ→ https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/395-chlamydia-intro.html


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