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Eテレチョイス:胃のもたれ、胃痛、機能性ディスペプシアについて

2021/09/05
 
胃の内視鏡検査
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食欲がない、胃がもたれる、胃潰瘍、気づいたら胃ガン・・・日本人には胃ガンが多いですね。
なる前にやれること、なったときの処方薬、憎きピロリ菌のこと、おさらいしておきましょう。

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食べ過ぎて肥満もいけないが、食欲不振で痩せすぎはもっと危ない。

ヒトの胃

消化管の一部。空腹時は100mlなのに満腹時には1,500mlにも延びて膨らむ袋。食物を消化して十二指腸に送る。
pH2の強力な胃酸で殺菌、ペプシンでタンパク質を消化、粘液を分泌して胃酸から自身を保護、ガストリンで胃液分泌を促進、ビタミンB12の吸収を促進する臓器。セルロース以外、肉でも魚でも野菜でも受け付けてくれる。

機能性ディスペプシア (FD: functional dyspepsia)

内視鏡検査では特に異常が見つからないのに胃もたれなどの不快感がある。以前は慢性胃炎といった。
飲み食いすると膨らんで消化、蠕動運動でそれらを十二指腸に送るのだが、その運動が機能不全を起こした病態。
ストレスなどによる。

治療薬としてはプロトンポンプ阻害薬✿か消化管運動改善薬、または両方を用いる。

✿PPI:プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor)。酵素活性を阻害することで胃酸の分泌を抑制する薬。1日1回投与で済む。

アコチアミド(アコファイド)

健胃薬。シナプス間隙におけるACh(アセチルコリン:acetylcholine)量を増加させることにより、機能性ディスペプシアの原因となる低下した胃の蠕動運動、胃排出能を改善させる。3回/日食前に服用、4週間ほどでだいぶ食欲が改善する。漢方の六君子湯(りっくんしとう)が併用されることもある。ガイドラインで推奨されている。薬価も安い。

プロスタグランジン

I型からIII型がある。臓器や組織の酵素により働きが異なり、全身オータコイド。
オータコイドとは特定の細胞から分泌され、他の細胞に作用する物質のこと。ヒスタミンやセロトニンもオータコイドの一種である。胃の保護をしている粘液がアスピリンなどの服用で減少、胃から出血を来すことがある。

胃痛

胃が知覚過敏になっているため。灼熱感を感じる場合もある。PPIとアコチアミドを併用、胃酸分泌を抑えると1カ月ほどで改善が見られる。十二指腸にも炎症があってそれが胃の粘膜を刺激、脳が過敏に反応していることがままある。

内視鏡検査

改良が進み、今では胃の検査時に食道、十二指腸も同時に観察可能である。また観察のみならず生検による病理診断に留まらず、止血術、ポリペクトミー、胃粘膜切除術なども同時に行えるようになっている。
経口タイプとより細い経鼻タイプのものがある。

NSAIDs (Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug)

非ステロイド性抗炎症薬。アセチルサリチル酸、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシンなど。シクロオキシゲナーゼの働きを阻害してプロスタグランジンができるのを抑える。
緊張性頭痛、月経痛の他、関節リウマチ、尿管結石、ガンなど幅広くよく効くが、胃腸障害を起こしやすいのは周知の事実である。
また喘息、肝機能障害、腎機能障害を起こすこともある。気づかないまま突然吐血、下血、貧血の検査で見つかることが多い。

心臓カテーテル手術後など、長年抗血栓薬として服用しているヒトは特に注意!である。
病院で必ず「血液をサラサラにするお薬飲んでいますか?」と聞かれるあれである。
高齢者は持病の薬と市販薬を飲むとき注意が必要。とくに多剤併用(ポリファーマシー)しているヒトはお薬手帳が必須である。

ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染・検査・除菌

こいつがいると胃ガンのリスクがいないヒトの10倍以上になるそうである。若い方では飼っている方が少ないが、年齢が高いほど、井戸水や口移しで育った環境の方ほど、飼っている確率が高い。
あの強い胃酸の中でもしっかり食いついて生き延びる菌なのである。

ヘリコはヘリコプターと同じで螺旋を意味する。ピロリとは幽門部のこと。マーシャル博士の実験助手がイースターの長期休暇で培養を放置していたら細菌のコロニーができていた。ピロリ菌は増殖スピードが遅いため通常のスパンなら発見できなかった。マーシャル博士はピロリ菌が胃ガンの原因ではないかと自身で飲んでみたところ、急性胃炎は起きたが慢性胃炎にはならなかった。これをやってみようとするドクターは日本にはあまりいないだろう。

いるかどうかの確認は胃カメラ検査で簡単にできる。胃、十二指腸、食道の異変を目で見ることができる。
見つかったら除菌を行う。感染が陽性と診断されたら、ボノプラザンとクラリスロマイシン、あるいはアモキシシリンの3剤併用除菌療法が標準的に行われる。

クラリスロマイシン耐性のピロリ菌除菌にはメトロニダゾールをアモキシシリン、PPIと共に投与される。ふつう一週間で完了するが、一度でできなくても再度繰り返せば除菌できる。2回目までは保険適用。

消化器についてもっと知りたい方はこちらも→ 消化器:口から肛門までの長~い道のりとそれにまつわるお話。


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