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COVID-19:感染したら処方される薬とその作用を理解するための用語を解説。

2021/10/19
 
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どんなタイプのヒトが抗体価が上がりにくいのか、経口薬は、交互接種は、 ソトロビマブ は、 COVAX 、抗体カクテル療法、SATORI法、アストラゼネカのワクチン成分、ヤヌスキナーゼ、3CLプロテアーゼ、敗血症、ハッピー・ハイポキシアまで、関連情報満載です!

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55,000文字と字数が多いので、PCの方はCtrlキーとFキー同時押しして検索窓を開け、単語を入れてみてください。

国立病院機構仙台医療センターより 不織布はウイルスブロック効果が高いが、ウレタンマスクはほぼ無効
モルヌピラビル
モルヌピラビル、年末に出るか?

マスクはもう欠品状態ではない。ぜひとも不織布のものを隙間なく装着してほしい。ウレタンマスクはほとんどあなたを守ってはくれない。
また外側をやたら触るヒトが多いが、その指でスマホやストローに触れたら、マスクをしている意味がない。

ブースター接種も来年から始めるようだが、また年の順にされるのだろうか?
費用もただではない(1回当たり2,000円強?)のだから 勝手に3~4回既に接種したヒトからは ぜひ徴収し、氏名も公表していただきたい。


2022年にはファイザーとモデルナ製の値上げ(2,500円くらいか?)!も決まっている。いくらで契約しているのか、気になる。日本の外交力よりブーラCEOの交渉力の方が上に決まっているから。


抗体カクテル療法 (ロナプリーブ) についてもご紹介しています (8/31)↓

イスラエルのブースター接種の結果(10/19)

COVID-19ワクチンの先進国といってもいいイスラエルでは7/30~8/31、ブースターキャンペーンが行われた。
ハイリスクグループの方たちは7/12から、60歳以上の方は7/30からブースター接種(3回目)がなされた。


1月中旬には900人/100万人の発症だったものが6月には2人以下まで減ったもののデルタ株登場で8月末には10,000人にもなり、入院も600人と激増した。そのため2回目接種から5カ月を経過したヒトたちを対象に3回目を行うことにしたのだ。結果はご存じのとおり、2回のみ完了のヒトより3回目完了のヒトの方が発症率も重症化率も著しく低下した。この結果を見てもワクチンには一定の感染・重症化抑止効果があることは明白となった。


日本もそのうち始まるであろう。ガン患者さん、臓器移植患者さん、妊婦さんでも接種は推奨されている。
認可が早すぎて心配されている方にご説明しておこう。
この新型コロナウイルス感染症は確かに人類初体験ではあるが、コロナウイルス自体は前からあり、研究されているものだ。SARS(severe acute respir、中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスである。そしてコロナのいいところ(?)は外側にエンベロープがあり、これがアルコールに溶けるということなのだ。だからアルコールで手指消毒ができる。あれがもしエンベロープのないアデノウイルス芽胞のある細菌(アルコールなんかでは消毒できない)だったらこうは簡単にいかなかった。だからコロナでまだましだったのだ。

レムデシビル、遂に一般流通に(10/19)

10/18、ギリアド・サイエンシズは新型コロナウイルス感染症治療薬ベクルリー(商品名レムデシビル)の一般流通を開始したと発表。
2020年5月に特例承認を取得、これまでは政府が買い上げていたが、供給が安定してきたとして2021年8月に保険適用、今後は一般の医薬品と同じ流通システムを通じて供給されることになった。


薬価は100mg1バイアル63,342円中医協(中央社会保険医療協議会)の資料によればピーク時には181億円の売り上げ見込み!とのこと。

抗体価が上がりにくいのはどんなヒトたち?(10/18)

Gut誌✿10月号によれば、それは炎症性腸疾患(IBD:ベーチェット病、クローン病)でインフリキシマブを投与されている患者さん、免疫抑制剤を服用している方、喫煙者である。せっかくワクチン接種を受けてもそれ以外のヒトほどSARS-CoV-2抗スパイクタンパク質抗体濃度が上がらないのだ。まずは医療従事者と服用している方たちからブースター接種を始めるのが順当であろう。喫煙者は自分が禁煙すれば済む話なので、優先権を与える合理性がない。

✿Gut誌:消化器病学と肝臓学に関する月刊の査読付き医学雑誌。英国消化器病学会のジャーナルであり、BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)から発行されている。
査読付きは信頼に足る論文ということ。論文は「発表」されただけでは真実性の担保がない。同じ分野の他の専門家が内容に矛盾がなく、規定の水準をクリアし、広く一般に見て貰うに値する論文であると結論したことを意味する。

若い男性の2回目はファイザーも選べる

10/15、厚労省は分科会に諮り、20歳代より若い男性には1度目がモデルナ製であっても2度目はファイザー製を接種する選択をしてもよいことにした。
若年男性ではワクチン接種後の心筋炎、心膜炎のリスクが若干高いことが懸念されていた。

10/3までの製造販売業者からの報告によると、2回目接種後の20歳代男性における100万回接種当たりの報告数がファイザー製ワクチンでは10.74なのに、モデルナ製ワクチンでは31.48だった。確かにこの差は大きい。
ただ「ファイザーを推奨」としてしまうとモデルナ製が劣っているかのような解釈を広めてしまうなど、委員から反対意見も出たことから、情報提供した上で、若年男性本人が「選択できる」ものとした。

また心筋炎の発症率は実際にCOVID-19に感染した場合の方がはるかに高く、またワクチンで発症したとしても軽度で全員回復しているため、ワクチンを打つメリットは打たないデメリットを上回るとしている。

ワクチンでアナフィラキシー起こすのはほとんど女性(10/15)

アメリカのVAERSのデータによると、ワクチンによりアナフィラキシーの発生率はファイザー製で4.7人/100万人、モデルナ製で2.5人/100万人である。起こした66人中の95%が女性で、過去にアレルギー歴のある方たちだった。
そのアレルギー反応IgE抗体は介在しないことがわかった。ワクチンの含有成分について、皮膚ブリック検査(SPT)や好塩基球活性化試験(BAT)を行い、調べたところではPEG(ポリエチレングリコール)に対する免疫反応だとわかった。
男性より女性の方が圧倒的に化粧品などからのポリエチレングリコールの曝露量が多いからであろう。
アレルギー歴のない女性は心配要らないし、ショックを起こしたとしても、全員がアドレナリン筋注で回復している。
接種を受けるリスクと受けないで感染するリスク(急変するかも、後遺症が出るかも)を天秤にかければ、受けた方がましと言える。

詳しくはJAMA Network Open誌電子版→ https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2784268

モデルナワクチン、日本も30歳以下は非推奨になるか?(10/14)

ファイザー社のワクチンに比べ、モデルナ社のワクチンは、若年者の男性で心筋炎、心膜炎がやや多く見られるとの結果から、各国で敬遠が相次いでいる。
スウェーデン、フィンランドでは30歳未満への接種中断、デンマーク、ノルウェイでは18歳未満には接種しないよう勧告、アイスランドは更に踏み込んでその年齢の男性には接種中断すると決定した。これを受けてか、日本でも厚労省が10~20歳代の男性にはモデルナでなく、ファイザー製を接種するよう推奨するべく、10/15専門家部会に諮る予定。1回目モデルナ接種でも2回目はファイザーにして問題ないとするようだ。

国内9/12までのデータによれば、100万人当たりモデルナでは20歳代で17.1人、10歳代で21.6人、ファイザーでは13.1人、1.9人と確かにモデルナ社の方が心筋炎発症が多いようである。

たとえ心筋炎や心膜炎になったとしても、比較的軽症で自然治癒するとのこと、ワクチン拒否するほどではないとのことである。 モデルナはワクチンとの因果関係を認めていないが、胸の痛みや呼吸困難などが起きた場合は、速やかに医療機関を受診するよう、添付文書で注意喚起している。この添付文書を読む若い男性が何人いるのかは些か疑問だが。
面倒くさがりの方のため、わたくしが代わりに読んで見た。 確かにPDF4枚の2ページ目、15.1.1の箇所に記載されていた。9月改訂の最新版を見たい方はこちらを→ https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400256_631341EA1020_1_05

年内に経口薬承認か?(10/11)

現在許可されている中外の抗体カクテル療法、ロナプリーブもグラクソのゼビュディ(ソトロビマブ)も点滴薬である。とても自宅療養者が自分で使用できるものではない。
また往診してくれるクリニックも少ないことから、地域によっては急変→手遅れという事態があり得る。
そこで期待されるのが経口の抗ウイルス薬である。
メルクのモルヌピラビル、塩野義のS-217622、ファイザーのPF-07321332が年内、ロシュと中外のAT-527が2022年に使用許可申請する予定だ。いずれもP3(フェーズ3: 第III相臨床試験)まで進んでいる。よほどの副作用がなければ、緊急使用許可されるだろう。「基礎疾患なし」とは本人が意識していないだけで、死亡例の中に実は糖尿病がかなり進んでいた、というケースもあった。糖尿病や肝臓病はかなり進まないと目立った症状が出ないため、放置され進行してしまっていることが結構ある。

  • メルクのものは2回/日を5日、年内に1,000万人分生産する予定だそうだ。
  • 塩野義のものは1回/日を5日なので服薬アドヒアランスの点で理想的である。服薬回数が少ない方が患者の手間が少ないため、認知症などでも飲み忘れや怠薬のリスクが少なくなる。
  • ファイザーのものは2回/日を5日、リトナビルを併用する。
  • ロシュ、中外のものは2回/日を5日服用する。

感染研(10/7)の報告

国立感染症研究所が感染リスクについて、厚労省の会合に下記のとおり報告した。
COVID-19陽性になったヒトたちからデータを取り、分析した。
レストラン、居酒屋での感染リスクは1.5倍、自宅では2.1倍、路上や公園では2.3倍、しかも夕方・夜の参加は更にその2倍超え、会食中ずっとマスクなしだと3.9倍、ふたり以上でのカラオケは何と9倍!!だそうだ。

まだ油断するのは早い。マスクは顔にフィットさせ、つけた後外側を触らないことが大事である。
また家族以外はふたりまで、アクリル板や換気などに気を配る店にする、斜めに座る、長居しないなど、Go To Travelが始まったとしても注意して行動する必要がある。
12歳以下はワクチン対象外の丸腰なのだから、うつさないようにするのもおとなの責任である。

塩野義製薬の飲み薬はいつ?(10/6)

メルク、ファイザーのは2回/日だが、シオノギのものは1回/日なのだという。服薬アドヒアランスからすると2回より1回の方がいいに決まっている。認知症だったり忙しい仕事をしていたりすると飲み忘れしやすい。

また田辺三菱製薬の連結子会社カナダのメディカゴのものはベンサミアナタバコから葉にタンパク質を作りコロナウイルスのワクチンができるという。植物を感染させることでコロナウイルスに似たものを作り、タンパク質だけを抽出、植物由来のワクチンとする。生産も短期間に可能で、光と水があればできる。
COVID-19感染から治癒したヒトの何倍も中和抗体ができるとのこと。2022年3月の申請を目指す。

飲み薬、年内にも?(10/4)

MSD(メルクの日本法人)のモルヌピラビル、1,500人の国際共同治験が10月に終わり、結果を待って11月にFDAに緊急使用許可申請する予定とのこと。アメリカで許可されれば日本もそれにならい、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が年内にも許可する運びとか。1日2錠、5日服用すれば入院や死亡のリスクを半分程度に減らせるとのこと。
RNAポリメラーゼ阻害薬である。作用機序としては、COVID-19ウイルスが増殖するのに必要な酵素を阻害することでヒトの体内で増殖できないようにする。飲み薬ができれば医師も訪問しなくて済むし、在宅療養している患者も急変に怯えなくて済むようになるだろう。でもいくらで売りつけられるのか・・・ちょっと心配。

COVID-19感染症を2類から5類にと主張する方もいらっしゃるが、5類になったとき、全額自腹で払う覚悟があって、仰っているのであろうか?今は勝手にワクチン4回(!)打っても無料だが、10日以上も入院する、あるいは自宅で治療するとしても、結構な費用がかかると思われるが・・・。

COVID-19診療の手引き5.3版 (10/3)

COVID-19が重症化するのはウイルスそのものによるのではなく、ウイルスにより誘発される過剰免疫発動(いわゆるサイトカインストーム)である。
このような状態の自宅療養者へのステロイド投与の有効性は複数の前向き研究で証明され、2020年9月以降、WHOは重症例に対するステロイド投与を推奨している。


日本でのステロイド処方基準は、厚労省「COVID-19診療の手引き5.3版」(8/30日改訂)に示されているとおり、中等症Ⅱ以上、つまりSpO2が93%以下を対象としている。対象の患者さんに予後改善効果が認められることから「強く推奨」としている。
その一方、軽症や中等症Iの患者さんでは、ステロイド投与が経過を悪化させる可能性があるとして行わないよう勧告している。ただ中等症のIとⅡを区別するのは医療者でないと難しいが。


現場の呼吸器内科医の中には中等症Ⅱになってからの投与では「遅すぎる」と言うヒトもいる。
そもそも重症化するのは8%くらいの割合なのだが、するかしないかは明確にわからないのだ。
本人が重症化リスクなしと思っていても、死亡してから調べると実は進行した糖尿病であった、という事例もあった。痛くも痒くもない場合、病気だと自覚するのは難しいのである。

PDFで読みたい方はこちら→ https://www.mhlw.go.jp/content/000825966.pdf

レムデシビル、遂に一般流通(10/1)

9/28の厚労省の通達により10/18からCOVID-19治療薬のレムデシビル(ギリアド・サイエンシズのベクルリー)が一般流通となる。
これまでは国がまとめて購入、各医療機関が医療機関等情報支援システム(G-MIS)に入力、配分されてきた。 これがすごい手間だったのだ! 医療機関にとっては。入れる情報が多すぎる!
それが今後は卸売販売業者にじかに発注、配送してもらえるようになる。保険請求は行うが公費負担のため、これまで通り患者負担はない。

コロナ自粛で睡眠障害

外出自粛やテレワークなどで今までとは違うタイプの睡眠障害が増えているそうだ。概日リズム睡眠障害という。
在宅ワークで運動量が低下したヒト、介護施設などでレクリエーション中止や面会制限があってヒトとの対話が減ったヒトなど、理由はさまざま。不眠症脱却には主に4点を心がけたい。

  • 午前中に日光を浴びる。25時間のリズムを24時間に調整するためには必須。ヒトの体は陽を見てから14時間後に眠くなる(はず)ようにできている。夜勤の方は難しいだろうが。
  • 平日と休日でリズムを崩さない。休日だからといって寝だめはよくない。2時間以上ずらさないようにする。
  • 定期的に運動する。通勤しなくなったらその分動かないとフレイルになる。
  • ヒトと接する。独身で一日家にいたらだれとも話さず終わるかも知れない。脳にいく刺激が少なすぎる。

塩野義、はよして~!(9/29)

9/27、シオノギ製薬(本社大阪)手代木社長はP3(フェーズ3:第III相臨床試験)を開始したと発表。軽症~中等症の濃厚接触者2,100人を対象に、1日1回5日間投与する試験とのこと。その後副反応など様子を見て特例承認を申請するのだろう。
年末には100万人分の生産ができる体制を取る予定とのこと。経口薬なら自宅療養者も安心できるだろう。
ワクチンも平行して開発中なり。

ワクチン・パスポート、日本はどうなる?(9/29)

イスラエルでは8月からブースター接種(ワクチン3回目)を行っている。ワクチン・パスポートは何と2回目から半年以内に3回目を打たないと失効してしまうのだそうだ。

Google、Facebookでは医学的理由でワクチンを打てない従業員以外はワクチン接種義務化、打たないヒトは在宅勤務になる。じゃ、在宅万歳!とはいかない。なんと給料が25%もカットされるとか。25%はきついですよ。

翻って日本、ワタミでは2回接種済みのスタッフさんにはバッジを着けるようにし、お客さんに明示するとのこと。正当な理由で打てないヒトは陰性証明を提出でもバッジOKだそうだ。

自治体はこれ以上コロナ業務が増えたら嫌だからか、まったく乗り気でないが、日本も国内でのワクチン・パスポート、拡がるだろうか?政治家は旅行会社やイベント業界、数多(あまた)の飲食店さんのため、広めたいのだろうが。何たって選挙に資金援助(失礼、献金と言うのでしたね)してくれますからね~。個人的には接種しましたと2枚シールが貼ってある紙で十分用は足りるとおもうのだが。国内では。

ソトロビマブ(9/28)

9/27、グラクソ・スミスクラインはゼビュディ静注がCOVID-19の治療薬として製造販売承認されたと発表した。
COVID-19陽性の軽症~中等症かつハイリスク患者を対象とする特例承認(薬機法第14条の3)で、500mgを点滴で単回投与する。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団(離婚してしまって残念!)の資金援助も受けているし、COVAXファシリティにも提供している。社長のポール・リレット氏によればアジュバントを使用しているため1回の接種に必要な抗原の量が抑えられるためワクチンの生産量を増やせるのだとか。そのためより多くのヒトに届けられる可能性がある。
アメリカでは既に緊急使用許可が、オーストラリアでは暫定的承認が下りている。

グラクソ・スミスクラインは2020年のグループ売上が4兆7,000億円、社員は2,800人のイギリスの会社。

抗原検査キット販売解禁(9/28)

9/27、厚労省からCOVID-19抗原検査キットを薬局で販売しても「差し支えない」との事務連絡が出た。ただし、薬機法の承認を得ているものに限る。ドラッグ・ストアで既に売られている「研究用~」と銘打っているものは性能が未確認のため、これとは別物。
しかし日付、署名、年齢、かかりつけ医などの記入を求められるらしい。ちと面倒か。

子どものワクチン接種はどうなる?(9/28)

今は丸腰である。アメリカは5~11歳について年末頃には接種する予定でいる。一方イギリスでは数日前、12~15歳のワクチン接種は承認しないとしていたが、一転12歳以上には1回する予定とのこと。ただ2回目をするかどうかは未定。

イスラエルの全国調査によればワクチン接種が原因で心筋炎になったのは2.7人/10万人だが、COVID-19に自然感染してなったのは11人/10万人もいるとのこと。この差を考えればワクチンを打つ方が感染するよりましに思えるが、反対派の方たちはどう判断するだろうか・・・。
なお抗体価を調べるのがはやりのようだが、免疫能は抗体価だけで決まるものではない。

交互接種認めます(9/26)

2021/9/21、厚労省自治体に対し、 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」を改訂、 1回目のワクチン接種後に重篤な副反応が発生したヒトなど、やむを得ない場合には2回目に初回と異なるワクチンを接種する交互接種を認めるとした。

これまでは1回目の接種後に重篤なアレルギー反応が出た場合でも2回目に異なるワクチンを接種する交互接種は認められていなかった。
しかし交互接種に関する科学的知見が溜まってきたこともあって、現時点で同一ワクチンを2回接種した場合と比較しても重篤な副反応の増加は認められていないこと、またアメリカなどでは例外的状況での交互接種を認めていることなどから、9月17日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会にて交互接種の実施が了承の運びとなった。
1回目の接種から27日以上の間隔をおいて2回目の接種を行うこととしている。

コンタクト・トレーシング(9/24)

またまた新しい単語が登場?マレーシアではcovid-19ワクチンの申し込みから病院、レストラン、スーパーに至るまで、QRコードのスキャンが義務づけられているとのこと。「行動制限令」という。しかしマレーシアがそんなにスマホ保有率が高いのかちょっと疑問である。マレーシアには7回も行っているし近くて安全で大好きな国だが。
日本も高齢者はスマホを保有していないか、ほとんど使いこなせていない方が多い。何でも「QRコードで」とか「Web申し込みオンリー」にしてしまうと反発を招きそうだ。

×歳以下のこどもは外出するのもいけないらしい。学校も対面授業はなし、おとなでも通院以外は越境してはならずと厳しい。日本もこのくらい厳しくできればもっと感染者を早く減らせるのだろうが、如何せん民主主義や宗教と公衆衛生はなかなか両立しないものだ。マスク着用さえ、「しない権利がある」というくらいだから。
N95マスクでさえ呼吸はできる。そうでなければ看護師たちは結核患者さんのお世話なんか怖くてできやしないではないか。

自宅療養者は何もらえる?(9/22)

covid-19陽性者で自宅療養している方、自治体によっては0410対応✿により、オンライン診療ののち処方箋が薬局に送られ、薬局が自宅まで配送してくれるようになっている。その内容は概ね下記のとおり。

  • アセトアミノフェン(商品名カロナール):頭痛に。
  • テキストロメトルファン(メジコン):鎮咳剤。咳がひどいと体力奪われるし落ち着かない。
  • 酪酸菌(ミヤBM):腸内細菌叢が異常になったときの整腸作用がある。
  • レバミピド(ムコスタ):胃潰瘍の薬だが、胃の粘膜保護のため。消化器症状が出る陽性者が多いので。
  • パルスオキシメーター:陽性となれば保健所がレンタルしてくれるのだが、返さないヒトがいたり、在庫が出払っていたり、彼らが忙しかったりすると、すぐには貸してもらえない。気が利く薬局や主治医が貸してくれるかも知れないが、ヒトの善意は当てにならないので、できれば前もって一家に一台備えておくことを私はお勧めする。
    もしお買い求めになるなら、「医療用」と明記されているものを。

✿0410対応:厚労省が2020/4/10に出したcovid-19対応のため、電話や電子機器での診療で処方箋を出してもいいとする通達。もちろん今の感染爆発による限定的、例外的処置である。

やはりマスクが命綱(9/21)

2021/9/1、NEJM(ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)オンライン版によれば、カリフォルニア州でワクチン接種が進んだからと6/15にマスク着用義務を解除したところ、また感染者激増、7月末には感染の95%以上がデルタ株に置き換わったとのこと。マスクをしないことで曝露リスクが増えたのであろう。咳やくしゃみをしなくても呼気からも微細なしぶきが飛ぶのだ。やはり当分はマスクなしでの生活には戻れなそうである。
顎にかけたり鼻を出していたり、付けてからマスクの外側をべたべた触っていたら意味をなさない。着脱する際は耳の方のゴムだけを触るようにしよう。

気管切開されると麻酔薬を打たれるので意識はなくなる。もちろん家族も面会できなくなる。それよりましでは?

ネルフィナビル(Nelfinavir)( 9/17 )

長崎大学が中心となり、全国10施設で治験が実施中である。2009~2019年にHIVのウイルスを抑えるため使われた抗ウイルス薬、プロテアーゼ✿阻害薬である。
投与期間14日、経過観察14日とし、PCRまたはLAMP法、抗原検査で陽性判定が出た20歳以上の成人で、発症から3日以内の方が対象となる。コロナウイルスの排除期間の短縮が見られるとのこと。

✿プロテアーゼ:ペプチド結合を切断するタンパク分解酵素の一種。加熱すると活性を失う。アレルゲンとして働くと喘息や鼻炎の原因となることもある。パイナップルを食べて下がおかしくなるのは、プロテアーゼの一種ブロメラインが舌の粘膜表面のタンパク質を溶かすからで、パインを入れると肉が柔らかくなるのはこのせい。
またキノコにもブロメラインが含まれ、マイタケは特に多い。

全国で20,000万人ものヒトが国産ワクチンの治験に参加希望なのだそう。外国産に不安がある、あるいは国産を応援したい、などが主な理由らしい。早く開発、販売してほしいが、安全も疎かにはできないので難しいところである。

東京都モニタリング会議

2021/9/9の会議で、抗体カクテル療法を行った患者さん420例につき、9/3時点で軽快したのが95.2%、非改善が4.5%、死亡が0.2%との報告が出た。死亡したのは60歳代で基礎疾患のある方1名である。
また発症4日以内に投与開始した群では軽快した者がより多かった。他の要素もあるだろうが、有効率は高いといえるだろう。訪問診療でも使えるとなると自宅療養者にはひとつの安心材料となろう。

アメリカのブースター接種

9/12、FDAは臓器移植した方たちなど、2回接種では抗体価が上がりにくいヒトたちを優先して3回目の接種を認めた。アメリカは話が早いから、すぐに始まるであろう。政治の動きが速くて羨ましい。

ハッピー・ハイポキシア(Happy Hypoxia)(9/16)

どんどん新しい単語が増える!「幸せな低酸素症」というが、結果はちっともハッピーではない。SpO2が低いのに、本人には自覚がなく、気づかぬうちに重症化してしまうのだ。今自宅療養者は何と12万人もいるらしいが、コロナウイルスのせいで肺の性能が落ちていることに気づきにくくなってしまうかららしい。自宅で療養している方はまめに計測してもらいたい。
まだなっていないヒトはできればパルスオキシメーターを一家に一台備えておくことをお勧めする。
陽性となれば保健所から借りられることになってはいるが、返さないヒトも結構いるし、自治体の予算の都合もあるので、すぐに借りられる保証はまったくないからである。
もし購入されるなら「医療用」と説明があり、認証番号が確認できるものを選ぼう。
まだひと頃のマスクやエチルアルコールのような欠品状態にはないので、今のうちである。

コロナ陽性者のオンライン診断(9/15)

実際にオンライン診断をしている先生によると、馴染み客(かかりつけのよく知る患者さん)ならば問題はないのだが、一見さん(初見の患者さん)の場合はちょっと問題があるとのこと。「既往歴なし」だから自宅療養になっているのに、実は重度の糖尿病だった例もあるとか。つまり、本人は自分の健康に疑いを持っていないか、薄々気づいてはいても放置しているかなどで、実は何らかの重症化リスクを抱えているヒトがざっと1/4もいるそうなのだ!
そんなヒトにステロイド投与なんかしたら、高血糖、下手すると糖尿病性ケトアシドーシスになる可能性もあるので危ない、危ない。


確かに自営業者や専業主婦などだと定期健康診断を受けないかも知れないし、医者が嫌いとか、宣告されるのが怖いとかの理由で痛くないからいいやとばかり、病院で調べない方もいるであろう。しかし、いざcovid-19に感染してみると、困ったことになる。

何故かと言えば、covid-19の軽症とは、一般人が思っている「軽症」ではないからだ。軽症でも約7割のヒトに強い消化管症状が見られる。つまり、嘔吐や下痢である。もし嘔吐や吐き気が5日も続いたら経口摂取できず、やつれてしまうだろうし、下痢であれば脱水になるのも間違いない。
しかも独居の場合は食事などのサポートをしてくれるヒトがいないとかなりきついことになる。調理する気力もないだろうし、買い物に出歩いてはいけないのだから。

そのためよく知らない患者さんの場合は血液検査をした方が良いと思ったとのこと。そうなるとオンラインでは済まないため、防護服を着ての訪問診療となる。

異種プライムブーストワクチン接種

イギリスの臨床研究によれば、異なる種類のワクチンを2回接種した方が同一のものより抗体価が上がるとLancetオンライン版8/6号に掲載された。日本でも日本ワクチン学会が9/7のホームページで異なる種類の併用接種を検討してはどうかと提案した。モデルナの異物混入により2回目を待たされているヒトたちがいるため、それができればより早く希望者に2回接種ができることになる。2回目が終わらないうちに3回目の接種が始まるのでは、またぞろ非難が渦巻くであろう。

いいもの見つけました(9/14)!

抗体カクテル療法については下の方で既にご紹介済みであるが、実際に受ける方も今後出てくるであろうと調べたところ、どうやってやるのか、ノウハウ動画を発見!5分かそこいらなので、よかったらぜひ見ていただきたい。
藤田医科大学病院の動画→ https://hospital.fujita-hu.ac.jp/topics/ajnjo10000004pvb.html

非常にわかりやすいし、具体的で画像も綺麗、さすが大学病院である。途切れる不具合もなかった。
陽性者がサインした同意書にアイロンかけるところ、個人的には気に入っている。
まずは駐車場からエレベーター、レッドとグリーンのゾーニングなど、他の病院で受けるにしても参考になると思う。もっともだれでも受けられるわけではないが。50歳以上でかつ重症化リスク因子のある方のみである。
点滴自体は30分、1回で終わるのだが、藤田では1泊入院となる。経過観察のためであろう。他の病院では日帰りの所もある。まだ新しい治療法であるからヒトによっても作用がまちまち、様子を見る必要があるため早くても2時間はかかるだろう。

デキサメタゾン節約のお触れが出た!(9/13)

8/27、厚労省の医政局経済課よりの通達で、病院、薬局、卸売業者などに適正な使用をするよう依頼された。
デキサメタゾン経口製剤(デカドロン錠0.5mg、4mg)を製造する日医工に増産を依頼したらしいが、covid-19陽性者は世界中にいるため、原料が不足しており、急に増産はできないということで、それならば使う量を調整するしかないとのことで、お達しとなったわけである。


デキサメタゾンはcovid-19陽性者のうち、中等症Ⅱ以上の患者さんに投与されるが、これまでは抗ガン剤を服用しているガン患者さんの悪心・嘔吐に対する制吐目的で広く使われていたため、必要度が高い薬なのである。
抗ガン剤服用となると悪心や嘔吐は必発であるから、制吐剤は欠かせない。そのため関連4学会の合同声明文が医療関係者に配られたのである。

そもそもデキサメタゾンは 酸素投与のいらない軽症~中等症Iの患者さんでは予後の改善は見られず、かえって悪化させる可能性が示唆されているくらいである。
またガン患者さんであっても代替療法があるならそちらに切り替えるように、とのことである。

日本製の新薬はどうなっているの?(9/12)

ただ今治験中なのが数社ある。日本製に限らないが。

  • MSD:MK4482
  • ファイザー:PF-07321332
  • 富士フイルム:ファビピラビル(アビガン錠)初日は何と18錠、2日目以降は8錠ずつ服用する。飲み薬のため酵素療法をしている患者さんには使いにくい。また有害事象もいくらか見られる。多いのは高尿酸血症が17.8%、肝障害が7.6%となっている。
  • 中外製薬:AT-527(ソロトビマブ)
  • 興和:K-237(イベルメクチン)北里大学と共同で治験中。ある論文が捏造だったということで、水を差されたが、もう何億人にも使われている駆虫剤、この治験で有効性が示され、許可に至るよう願うばかりである。特許が切れているし、薬価が安いので助かる。コロナ対策に何かと経費が嵩んでいるので。
  • 塩野義:S-217622。3CLプロテアーゼ阻害剤。まだ第I相試験である。

年末から2022年前半には許可されそう(?)である。子どもの感染が爆発的に増えているので低年齢でもワクチン接種ができるようになるといいが・・・。錠剤の治療薬も待たれる。日本では筋注が少ないため医療者も慣れておらず、また個人が自宅ですることもできない。飲み薬であれば自宅療養でも利用しやすい。陽性者は出歩けないため薬局から処方薬を配達するという手間が発生してしまうが・・・。解熱剤などの配達自体はもう品川区でうまく連携されているので、それを参考に各自治体でもやっていただきたい。

治験コールセンターオープン(9/9)

9/3、厚労省は治験コールセンターをオープンした。個人ではなく、法人さんを募集。18歳以上でcovid-19陽性、でも軽症で感染から日が経っていない方たちを対象とする。関東では千葉大、順天堂大、慶応大学病院で行われる。
治験対象の薬は以下の通り。

  • ロシュ:AT-527
  • MSD:MK-4482
  • ファイザー:PF-07321332
  • 富士フイルム:ファビピラビル

病院は選べるが薬は選べないのではないかと思われる。数を割り振るのは結構大変なのだ。
年齢、性別、喫煙歴、飲酒傾向、持病などなど、ふたつに分けなければならないので。

イベルメクチン品薄なり(9/8)

アメリカ人、どうしようもないですね。全米中毒管理センターには例年の5倍も問い合わせが来ているとか。covid-19の治療のため、家畜用のイベルメクチン(商品名ストロメクトール)を勝手に飲んで、中毒起こしているヒトが多いのだそう。CDCが8/21、「あなたは馬でも牛でもありせません、やめてください」とツイートを出す始末です。
いくら大柄(肥満?)のヒトが多いとしても、馬や牛ほど体重はないでしょうし、消化や吸収の薬物動態が違うはずとは思わないのでしょうか?ヒトにもダニ、回虫、オンコセルカ症の治療薬として処方され、アフリカなどでは何億人も救ってきた薬ではありますが、ヒト用でないと危険ですよね。分量や濃度が違いますもの。中毒起こすと幻覚や震えなどが起きるそうです。日本でも北里大学などで治験が進行中ですが、まだ正式には許可されていませんので、欲しがるのはやめましょう。

ついでながら、アメリカでは今12歳未満の子にワクチンを打ってくれるドクターを親が探しているとのこと。この7月以降こどもの感染が激増しているため。10歳代前半より乳幼児の方が拡散させやすいというデータも出ているためか。まだこどもに接種しても安全なのかどうか治験のデータが揃っていないため、メーカーも推奨できないでいる。12~15歳に関してはFDAもEUAを出している。また免疫抑制剤を使用しているヒトたち(臓器移植したヒト、HIV感染者のヒトたちなど)については3回目のブースター接種をする予定だが、12歳未満に適応外使用するのは不適切としている。2~5歳児についてはファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソンも治験を実施中である。
データが揃えば申請、許可、使用となるであろう。残念だが、それまでこどもたちは丸腰のままとなる。こどもにマスクを着けさせない親が実に多いが、無謀である。

sotrovimab(9/7)

9/6、グラクソ・スミスクラインは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として、 厚生労働省に特例承認の適用を求めたと発表した。
酸素療法を必要としない軽症・中等症で重症化リスクが高いCOVID-19患者を対象とし、点滴静注(単回)するモノクローナル抗体。
海外での第II相、第III相臨床試験で、重症化リスクの高い軽症~中等症のCOVID-19成人患者において、入院または死亡リスクをプラセボ群と比較し85%も有意に低下させることが示された。
アメリカのFDAからは5/26に緊急使用許可(EUA)が発行されている。日本ではいつになるであろうか。

レムデシビル(ベクルリー)

陽性者で中等症Ⅱ以上のヒトに処方される。千葉大学病院によればcovid-19感染症に対してステロイド先行より抗ウイルス薬先行かステロイドとの併用の方が気管挿管、ICU入室、ECMO導入に至ることが有意に少ないとのこと。
ただ発症から日数が経過してきつい肺炎となってしまったら全身性ステロイド投与を考慮することになる。

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)(9/6)

8/20時点で聖路加国際病院ではcovid-19陽性者のうち89.1%がデルタ株であるという。デルタ株は発症から重症化までの日数が非常に短い。しかも呼吸困難の自覚が乏しいためトイレまで歩くだけでSpO2が94%から84%に低下、ICUに入室する例があった。
covid-19ウイルス感染により激しい炎症が起きると肺の毛細血管の血管透過性が亢進、ここに微少血栓が肺のあちこちにでき、換気の低下、血流量の不均等をきたす。トイレでいきむ(怒責)だけで急性呼吸窮迫症候群から高度な肺水腫へと一気に進んでしまうのである。肥満や長引く発熱が急性増悪のリスクとなる。

バリシチニブ、レムデシビル、抗凝固薬が投与される。高齢者にはステロイドのパルス療法をしても生存に寄与しない。若年者には効果があり、薬価も安い。

ワクチン接種後の抗体価(9/4)

抗体価が上がりにくいヒトと上がりやすいヒトがいるとのこと。ではどんなヒトが上がりにくいのか?

  • 免疫抑制剤を接種しているヒト:臓器移植したヒトなど。
  • 高齢者:これは個人の努力でどうなるものでもない。残念。
  • ステロイド剤を内服しているヒト:これも治療のためであるからやむなし。
  • 飲酒頻度が高いヒト:これはいくらでも自制できる。

上がりやすいのはこんなヒトたちである。

  • 女性:なぜかはまだわかっていないが、データによれば明らか。
  • covid-19の既往歴があるヒト:それはそうだろうが、隔離生活や後遺症は大変であろう。
  • 1回目接種から2回目接種の期間が長いヒト:7~8週間空けるのが一番上がるらしい。
  • 抗ヒスタミン薬を常用しているヒト:花粉症の方、初めてのメリットと言えるかも・・・。

マスクポリシー(9/2)

次々と新しい単語が出てくるものである。マスクはサージカルマスク限定とし、布製やウレタン製では入場させないことをいうらしい。μ(ミュー)型まで出てくるともはやマスクしているふりでは済まなくなってきた。女優さんで「マスクは義務じゃない、窒息しそうになる、こどもが可哀想」との意思表明があったが、結核病棟で働く医師や看護師はN95マスクしているが、だれも窒息なんかせず、しかもきびきび能率よく動いているぞ、それに死んだり気管挿管されたり後遺症を何カ月も引きずったりするのと、たかがマスク装着するのとどちらがましなのか?と私なら突っ込みたい。

埼玉県:あるヒトは受け入れを35回断られたとか。患者さんも気の毒だが、私は20:00に救急要請されてから翌日の14:00!まで陽性患者を抱えて病院を探しまくった救急隊員の方が気の毒でならない。うつされていないといいが・・・。芸能人はすぐに入院できて羨ましい。

今一般人にできることは、マスク装着、ワクチン接種、人混みになるべく行かない、これしかないのでは?

ミネソタ州: デルタ株はすごい。 5月にはPCR検査受けたヒトの0.7%だったのが、7月にはなんと70%にもなっているという。麻疹並みに感染するというのは本当らしい。

神奈川県:8/20、自宅療養者でSpO2が96未満か発熱が3日以上のヒトにはデキサメタゾンかプレドニゾロンを10日間投与することにした(ルーティン処方)。酸素投与無しでのステロイド投与にはまだエビデンスがないが、放置プレイよりはずっとましだ。伏臥位が肺を守るので、上向きより下向きに寝た方がいいらしい。
解熱にはアセトアミノフェン、咳嗽にはデキストロメトルファンかリン酸コデイン、悪心・嘔吐にはメトクロプラミド7日間のルーティン処方をしてくれるとのこと。工夫してくれる自治体の居住者が羨ましい。

東京都:旧こどもの城にて130床用意し、酸素ステーションとする。また9月中には築地の跡地にも酸素ステーションを設けるらしい。やれることは何でもやってもらいたい。

品川モデル:WEBカメラ、マイク付きPCまたはタブレットにてオンライン診療がスタートしている。システム上の待合室に陽性患者さんが入ると、参加医療機関に通知され、その時間に手の空いているドクターがオンライン診断してくれる仕組み。curon Type-Cというのを使うらしい。処方薬はもちろん、患者さんが取りに行くのは駄目なので、薬局が配送してくれる。処方例マニュアルがあるためドクターにより処方の差は出ないようにしてあるそうな。
発症後2~3日は抗菌エンピリック治療、5日目以降はステロイド療法だそうだ。
ドクター、保健所、品川区医師会、薬剤師会がまとまってシステムが動いている。音頭取りしてくれるヒトがいて、羨ましい。私の居住区ときたら・・・。

デパートのクラスター感染(9/1)とマスクの質

阪神百貨店では145人、伊勢丹では88人も感染者が出たとか。どこの百貨店でも宝石売り場や着物売り場は空いていても地下の食品売り場は押せ押せであろう。また感染対策は万全だったとしているが、おそらく社食や喫煙所ではマスク無しでおしゃべりしたこともあったであろう。全員が一言も喋らず黙々と食事や休憩をしているとは考えにくい。またあるドクターが試しにネックゲートル(こういう名称なのを初めて知った!)で入店を試みたところ、すんなり入れたとのこと。入り口に店員さんが立って、アルコール消毒や「マスクしてください」は言うが、マスクの素材については何の指摘もないとのこと。サージカルマスクではdroplet(粒径5ミクロン以上)てもaerosol(5ミクロン以下)でも9割除去してくれるが、布製では2割、ウレタンマスクに至ってはまったく除去してくれないとか。

某医院では患者さんが布製やウレタン製で来た場合、1枚10円で不織布マスクを販売、付け替えてもらわないと治療に応じないことにしているそうである。もはやここまで感染者が激増すると、マスクの質でリスクが変わってくるのかも知れない。

例を挙げれば、名古屋市の自宅療養者は8/1時点で461人だったのに、8/30二は6,347人にもなっている。この増え方では全国どこでも保健所は手一杯で、電話が繋がらなかったから「死亡していた」案件が増えていくだろう。
感染はひとり暮らしの方にはかなりリスクが高いことになる。
保健所も従来の仕事がいろいろあるのにガンの集団検診などを一時中断するなどして、コロナ対応に人員を割いているようだが、これからますます手が回らなくなるであろう。

またパルスオキシメーターを在宅療養者に貸し出す業務もしているが、治癒しても返却してくれない方が多いとか。家族のため、自分のため手元に保持して置きたいのだろうが、5,000円くらいから売っているのだから、返却してもらいたい。税金で購っているのであるから。次の方に回せなくて困っているそうだ。

ロナプリーブいよいよ外来で!(8/31)

この7月に特例承認されたばかりの抗体カクテル療法(REGEN-COV)がいよいよ通院でも可能となるようである。
8/4のNEJM電子版によれば家庭内感染を減らすのに有効だとのこと。またin vitroでもin vivoでも有効性が確認された。臨床試験はアメリカ、ルーマニア、モルドバ(ルーマニアとウクライナの間ね)の112施設で行われ、 α、β、γ、δ、ε株のいずれでも感染リスクを有意に減らすことが確認された。用量制限毒性(DLT)も見られなかった。

中外製薬の奥田社長は現状静注である抗体カクテル療法は皮下注でも使用できるため、承認申請をするとしている。
8/26、中医協(中央社会保険医療協議会総会)で「宿泊療養施設を医療施設とみなす」ことにし、条件付で外来投与もできるように各自治体に通知を出した。医療施設となれば病院と同じく抗体カクテル療法を外来、つまり日帰りで処置することができるようになる。現状は入院患者のみとなっているため、軽症患者にすることができない。

そもそも入院してから登録センターに発注するため、病状が進んで中等症や重症になってしまうのが度々あったのだ。これは軽症患者用なのに。各自治体がすばやく対応してくれるのを期待する。ワクチンの不手際を見るとあまり期待はできないが・・・。また発症から7日以内で重症化リスクの高い方でなおかつ腎臓や肝臓が傷んでいない方限定なので、その条件を満たす方ってどのくらいいらっしゃるものなのか・・・。

問題はそれだけではない。抗体遺伝子を組み込んだチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を培養、精製して製造するため、化学合成できる低分子薬と違ってそうは簡単に製造量を増やせない。

ついでにいうと、もしcovid-19が5類になった場合は、全額補助されているこのカクテル療法も自己負担が発生、3割負担で6万円くらいになるそうだ。アメリカでは23万円くらいなので。

ワクチンが打ちたいのに打てないで困っている方、国内ワクチンの治験ボランティアというのがあるそうだ。
負担軽減費も数万円だとか。アンケートに答え、個人情報を入力すると申し込める。ただし、東京と大阪のみ。
20~78歳であり、まだワクチンを一度も打っていない方に限る。

ただ治験なので、もしプラセボ群に入ってしまったら、1カ月ほどワクチンなり経口薬なりがない状態なので、その間に感染するリスクはある。本人も医師もだれがプラセボ群かは知らないので、その間丸腰ということである。まあ万一感染しても優先的に診てもらえるとは思うが。
国産ワクチン開発のため、我こそはと思う方、よければお試しを。

副反応が嫌だからワクチン打ちたくない方へ

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルによると、ワクチンの副反応よりcovid-19直接感染の方が後遺症が長期に残る(これをロング・コビッドというらしい)ことのこと。ワクチン接種による虚血性脳卒中は接種者1,000万人当たり143人であるが、自然感染では1,699人にも上る。

またCDDの8/24号の報告では、カルフォルニア州のワクチン未接種者は2回完了者より感染が4.9倍多く、入院率に至っては29.2倍も高いとのデータが出た。
またデルタ株は水疱瘡なみの感染力があるとのことで、ひとりが10人くらいにうつしてしまうとのこと。ガン患者や妊婦さん、HIV感染者、臓器移植した方でもワクチンを打っているし、2度では抗体価が低くても(免疫抑制剤摂取のため)3度目を打つと抗体価がぐっと上がるのは既にわかっている。
宗教的にできない方もいるだろうが、ご自身と家族、仕事仲間、友人のため、考えてみてはどうだろうか。

敗血症(8/30)

covid-19感染症の患者さんで、生存者は42%ですが、死亡者では何と100%!だそうです。
呼吸が苦しい、血栓症になる、その上敗血症にもなるとしたら、そりゃ甘い病気ではありませんね。
かかっても大したことない、とたかを括るのは危険です。そもそもcovid-19以外の病気の患者さんたちも手術を延ばされたり入院できなかったりしています。ニュースではcovid-19のことしか言いませんが、病院にはガンのヒトや心筋梗塞、脳卒中など、1分を急ぐ病気の方がたくさんいるわけです。そういった人たちのことも考えて行動しましょう。

詐欺メール頻発(8/29)

「自衛隊大規模接種センターの概要 予約サイト案内」なるメールが届き、開けるとクレジットの番号や有効期限などを入力するよう誘導するそうである。国の予算で無料でなされるワクチン接種、クレジットカードが必要なはずはない。くれぐれも正直に入力しないでいただきたい。世の中、油断も隙もない。ご注意を!

モデルナ異物混入(8/28)

2021/8/26、モデルナ製新型コロナウイルスワクチンに異物混入(金属片)があった問題で、製造を受託していたスペインのロビ社は、複数ある製造ラインのひとつが原因となった可能性があると声明を発表した。

同社は調査を進めており、念のため問題となったロットに近いロットも使用を保留しているという。異物が見つかったロットが供給されたのは日本だけで、「現在のところ、ワクチンの安全性・有効性に関する問題は確認されていない」としている。
何故日本向けだけなのか、どんな金属なのか、日本から係を視察に行かせればいいのに、と思う。ただで恵んで貰っているわけではないし。せっかく接種する気で予約した方々は休む予定を組んだり、交通費を使ったり、時間も無駄にしたりと、さぞがっかりしていることだろう。
満員電車で通勤する働く世代、性的に活発な世代に早く行き渡るよう願ってやまない。
自分だけ3回目、4回目を打つなんて、言語道断である。名前を公表してもらいたい。

国産ワクチン(8/27)

塩野義によれば、年内にP3(フェーズ3:第III相臨床試験)を始め、2022年3月までに6,000万人分供給する予定とのこと。第I相、第II相臨床試験は60人で行われ、安全性、忍容性、免疫原性に大きな問題はなかったとのことである。
モデルナの異物混入でせっかくの予約をキャンセルされた方々も早く接種ができますように。
国産ワクチン、待ち遠しいですね。ぜひ治療薬もどこかの会社で早く上市していただきたいものです。

covid-19感染症を5類にするとどうなるか?(8/26)

病床逼迫のため、「新型インフルエンザ等」に分類されているcovid-19感染症を、感染症法でいうところの5類にしてはどうかという話が前からちらほら出ていた。では実際、5類に指定されると私たちにはどんな違いが出てくるのか?メリットとデメリットを調べてみた。

★メリット:

  • 保健所は仕事量がだいぶ減って楽になる。今は自宅や指定のホテルで療養している患者さんに毎日確認の電話をしなければならないが、一度で捕まらなければ何度もかけなければならない。その上、入院を希望する患者さんには開いている病院を探して手配してあげないといけない。これがすごい手間である。これがなくなれば、従来の仕事に専念できる。今は倒れそうなほど毎日残業だそうである。

★デメリット:

  • 自粛要請、入院措置などの行動制限ができなくなる→当然野放しなので感染が恐ろしいほど拡がる。
  • 原則すべての医療機関で受け入れなければならなくなる→規模の小さいクリニックではゾーニングができず、スタッフもぎりぎりの人数であるため、かかりつけ患者を診られなくなる。PPEも十分ではないだろう。
  • 通常診療が今でもぎりぎりなのに、更に手が塞がって、ガン患者や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な患者の手術が延び延びになる。
  • PPEなどの物資が需要が急増して欠品が常態化するか、価格が高騰する。
  • 今は新型インフル~に分類され、入院措置となっているため、公費で宿泊料用(軟禁?)がなされるが、3割自己負担となる。

ブースター接種 (8/17)

2021/8/16、ファイザー社はブースター接種の治験データをFDAに提出した。近くEMA (欧州医薬品庁) にも提出するとのこと。いよいよ3回目を打たせようと動き出した。2回接種してから8~9カ月後に3回目を打つと落ちてきた中和抗体価が再度ぐぐっと上がり、重症化リスクや死亡リスク低減に役立つとのことである。

既にイスラエルとフランスでは3度目の接種が始まっている。日本もこのくらい素早い動きを見せてくれればいいものを。

イベルメクチンも既に駆虫剤として世界で何億人にも投与され、特に重篤な副作用もなく、何と言っても薬価が安いのだから、早く適応外処方を例外的に認めてくれたらいのに、と思う。現在は北里大学や一部の開業医が賠償責任を負う形になっている。患者さんも「納得してやってもらいます」みたいな一筆を入れなきゃならない。軽症の患者さんには効き目があるそうだ。自宅待機で手遅れ→死亡となるくらいならやってみてはどうなのだろうか。
それにcovid-19ばかり騒いでいるが、軽症の患者さんが増えたせいで、ガンの手術が延期された、熱があると心筋梗塞や脳卒中でもすぐに搬送先が決まらない、なんて影響が出て来ている。こちらの方がより重症で、手遅れになりかねないではないか。
注射2回済んだから旅行するとか、友人とわいわいバーベキューするとか、パーティーで大人数・長時間過ごすとか、今はまだ早いのではないだろうか。生きていればいつかまたできるのだから。

中和抗体薬を追加 (8/15)

日本感染症学会は2021/8/6、「covid-19に対する薬物治療の考え方第8版」をまとめ、ホームページで公開、そこに先日許可された中和抗体カクテル療法を追加した。
12歳以上かつ体重40kg以上のヒト遺伝子組換のカシリビマブとイムデビマブを各600mg併用して単回点滴静注する。対象は感染し重症化リスクを有しながらも酸素投与までは要しない患者さん。症状が発現したら速やかに投与を開始する。症状が出てから8日目以降の患者さんでは有効性を裏付けるデータがないとしている。
中和抗体については下の6/30の記事参照。

最近の動向 (8/14)

2021年8月11日、WHOはオープンラベルのランダム化比較試験を開始した。
covid-19により入院している重症患者さんに対し、以下の3種類の既存薬を投与し、効果を見定めるとのこと。
既に他の疾患で効果が認められ、汎用されている薬で、covid-19の治療に使える物があるなら、新規に開発するより早く、安全性も副作用もわかっているため、有利である。ふつう適応の拡大というのは時間がかかるものだが、ここはcovid-19蔓延の有事ということで、有効であれば素早い動きとなるのであろう。

  • アルテスネート:抗マラリア薬アモジアキン。7日間の静注。
  • イマチニブ:慢性骨髄性白血病の分子標的薬。14日間の経口投与。
  • インフリキシマブ:関節リウマチやベーチェット病の薬。遺伝子組換薬レミケード。単回静注。1回で済むのは患者さんとしては助かるな。

    ★ちなみにSolidarity PLUS trialとして2020年3月からも試験がされていた薬はもう打ち切られている。
    レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル、インターフェロンβ-1aである。
    有意な効果が見られなかったということであろう。

電話取材した結果 (8/13)

  • 某クリニックに聞いたみたところ、疑わしい症状があるからとPCR検査を受けたヒトに結果を伝えるべく電話すると、1/2は外にいた!とのこと。
    仕事であれレジャーであれ、もし陽性であれば、自分が感染源になって結果が出るまでの数日間、仕事仲間や友人、電車に乗り合わせた他人様にうつして回っていたことになる。
  • 検査会社も多忙のため結果報告も前より遅くなってきている。
  • 自治体により、自宅療養者にはパルスオキシメーターが貸し出されるが、その返却率が低いそうだ。手元に押しておきたい気持ちはわかるが、借りた物を返さないのは泥棒である。
    Amazonなどでいくらでも売っている (意外と欠品してはいない!) ので必要なら購入しよう。
  • 品川区は地元医師会と区がうまく連携していて、在宅療養者にオンライン診療をしているそうだ。
    診療すれば当然処方箋を出す。でその処方箋を元に調剤薬局が宅配してくれる (陽性者を出歩かせないため) そうなのだが、これが混んでいてちょっとでも遅れると激怒する方が結構いるそうな。
    ヒトが善意でやってくれていることに、高飛車な態度を取るのはいかがなものだろうか。
    よその区はそこまでしてくれていないというのに。
  • 墨田区は医師会と区の連携が実に円滑で動きが早い。表彰するなら菅総理よりこちらじゃないかと思う。
    保健所に丸投げの自治体は見学に行ってもらいたい。私の住んでいる自治体の動きの鈍いことと言ったら・・・。

アストラゼネカワクチンの接種が16日から始まるそうで (8/9)

2021/8/4、厚労省はアストラゼネカ製のcovid-19ワクチン(商品名バキスゼブリア筋注)を緊急事態宣言対象自治体は8月16日 (月) から、それ以外の自治体は、8/23から接種を開始できるよう、配送するスケジュールであると都道府県に説明した。同じ会場でも構わないが、他社のワクチンと混ざらないよう個別の管理者を置くよう要請した。

海外で接種後に、血小板減少症を伴う血栓症(TTS)が特に若年者に多く発生していると報告されていることから、既往歴として「毛細血管漏出症候群」を尋ねる質問が追加された専用の予診票を使うこととしている。
さて、自治体がきちんと分別できるのか、不安である。

アストラゼネカのワクチン (8/2)

厚労省は7月30日、アストラゼネカのバキスゼブリア筋注につき、40歳以上を対象に公的接種で使用することを決めた。同日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会に諮問、了承を得た。このワクチンは2021年5月に承認 を取得したものの、海外で接種後に血栓症が数例報告されたため、公的接種での使用を見合わせていた。しかし自治体や法人、大学などが続々接種に名乗りを上げたため、予想外に欠品が出て、回らなくなったため、その穴埋めにしようということだろう。せっかく予約したのにキャンセルさせられたヒトや、準備したのにものが回って来ない、キャンセルの電話で怒鳴られる自治体のヒトたちが気の毒である。一方では従業員とその家族だけでなく、友だちでも近隣住民でもいいよ、みたいな余り気味の企業もある。担当大臣が5人もいるのになぜこうもうまくいかないのか・・・。
船頭多くして船山に上る、とはこのことか?

塩野義製薬が発表 (7/26)

プロテアーゼ阻害薬の化学構造式
3CLプロテアーゼ阻害剤の構造式
東京薬科大学より掲載

1日1回でいいCOVID-19用の経口抗ウイルス薬 (S-217622) の第I相臨床試験 (P1) を50~100人の健常者で7/22より始めたとのリリースが出た。3CLプロテアーゼ✿阻害薬で、新型コロナウイルスの増殖を抑制するものらしい。

しかし今第I相臨床試験なので、これから第III相までとなると商品化、認可はどんなに早くても、来年暮れ頃になりそうである。

一方ファイザーのブーラCEOはこの年末までには2回/日の経口治療薬を販売したいと言っているので、強い副作用がなければ、そちらが先行することになるだろう。
しかし国産の、しかも経口薬ができるなら楽しみではある。
既に同社の株価はうなぎ登りである。まあ先を見越すのが投資家というものだから当然ではあるが、果たして申請に耐えられる製品ができるかどうか・・・まだ不安ではある。
東京薬科大学では2013年から研究していたようなので、期待できそうだ。

✿3CLプロテアーゼ:タンパク質をペプチドやアミノ酸まで加水分解するRNAウイルス由来の酵素の一群。
 Lはlike (~のようだ) のL。

更に詳しく知りたい方は塩野義へ→ https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2021/07/210726.html

鼻噴霧ワクチン (7/21)

最近ちっとも目新しい報告ができず、しょんぼりしていた。怠けていたわけではないので念のため。
がしかし、2021/7/19、塩野義製薬はCOVID-19の鼻噴霧ワクチン研究をスタートさせたとのこと。
鼻にシュッ!とするだけなので、筋肉注射の技術も器具も人手も要らない。
有効成分に多糖類を塗して (まぶして) 粘膜にお届けするものらしい。
これとは別に筋肉注射のワクチンも治験を進めているとのこと。国の「条件付き早期承認制度」が適用されれば年内にも供給可能だそうである。
個人的には注射翌日腕がとても痛かったので、鼻噴霧が望ましい。早くしておくれ~、と思うこの頃である。
ワクチン怖い、嫌だ、無理強いされたくない方も多々いらっしゃるようであるが、本人が打たない自由はもちろんあるものの、だからといって冷蔵庫のコンセントを抜いたり、どこかの社長のように「打たないことを強要」したりするのは違法である。自分の体は自分で守るしかないのだから、よく調べて自分なりに判断を下そう。

イベルメクチンを企業治験するって!(7/5)

いやはや、企業治験なんて初めて聞いた!
製薬会社の興和が7月1日、新型コロナウイルス感染症に対し、かのイベルメクチンの臨床試験を始めると発表。同薬の開発でノーベル生理学医学賞を受賞した大村智先生 (北里大特別栄誉教授) からの依頼だとのこと。
イベルメクチンは既に各国でCOVID-19に対する効果を調べる複数の臨床試験が行われており、国内では北里大学病院が医師主導で治験を進めているが、企業治験は初となる。しかしアフリカなどでは既に重症化を抑えたり死亡率を有意に下げている実績があるため、日本人に効かないとは言えないはずである。厚労省も使ってみることは改訂第五版で認めてはいる。しかし今のところ医療被害者救済制度の適用がないため、もしもの時は医師が賠償責任を追わねばならず、患者からも同意の一筆取っている状態である。なかなか一般の開業医では使いたくても使いにくいであろうから、大きい所がやってみてくれると有り難い。

抗体カクテル療法 (6/30)

6/29、中外製薬はCOVID-19治療薬の製造販売承認申請を厚労省に出したと発表した。カシリビマブイムデビマブをミックスしたものである。国内では第I相臨床試験が終わったところで、特例承認の適用を希望している。海外ではもう第III相試験が行われ、入院してはいないが高リスクの患者様に対し、入院・死亡のリスクが優位に減ったとの結果が出ているとのこと。
詳しくは中外製薬へ→ https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210629170000_1122.html

追記:中外製薬は2021年7月19日、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ点滴静注セット」について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、厚生労働省から特例承認を取得したと発表した。
これが正式名称なのですな。

アクテムラ (6/27)

6月25日、中外製薬は抗IL-6受容体抗体アクテムラ(トシリズマブ)について、新型コロナウイルス感染症治療薬としてFDA(アメリカ食品医薬品局)から緊急使用許可を取得したと発表した。
対象となるのは、全身性コルチコステロイドを投与され、酸素補給、人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)を必要とする入院患者。年内に日本での許可も目指すとのことである。治療薬の選択肢が増えるのは何よりである。

WHOの発表 (6/25)

現在、世界では288のワクチン開発が行われているとのこと。その内訳は、
遺伝子組換タンパクワクチンが32%、ウイルスベクターワクチンが15%、DNAワクチンが10%、不活化ワクチンが15%だとのこと。
どの会社も頑張っているだろうが、日本の会社にも頑張っていただきたい。でないと高いモノを売りつけられそうだから・・・。

アメリカの話 (6/24)

6月中旬の段階でワクチン接種が2回とも完了しているのは40%しかいないそうである。「したいヒト」はもう皆接種して、あとは「したくないヒト」がやらずに残っているのだそう。
またニューヨークではワクチン接種してもマスクは着けようという雰囲気らしいが、南部ではしないヒトが多いとのこと。CDCが「ワクチン2回済んだヒトはマスク無しでよし」なんて軽い発表したせいである。遂にジョージア州のスーパーで、マスクをするよう注意した店員が、客に銃殺される事態に至ってしまった。

また臓器移植をした方たちは当然免疫抑制剤を一生服用していくわけであるが、そうするとワクチンを接種しても1回目では15%、2回目でも54%しか中和抗体ができないそうである。免疫を抑制しているのだから、そりゃ当然であろう。抑制しないと移植した臓器を免疫細胞が敵として攻撃、生着してくれないためだ。

そこで、自己判断で勝手に (自主的に?) 3回目を受けた方たちが何人もいて、しかも研究者の所に「もう一回打つけど、血液要る?」と連絡してきたそうな。こういう点、日本人ではまあない話ですな。それで調べてみると、もちろん抗体がかなり増えていたそうである。あまり抗体価が上がらない方は3度打ちするのがいいのかも知れない。
日本ではまだ1回目さえろくに行き渡っていないから、さすがに賛成意見は得られないであろうが。

また男性に限ってはテストステロンが低値の方はそうでない方よりCOVID-19に感染した際、重症化しやすいそうである。テストステロン濃度は30歳を過ぎると年に1~2%ずつ低下するそうだが、40歳で少ない方もいれば、70歳代なのに多い方もいるらしい。老化とストレスが減る原因だそうだ。ストレスでコルチゾールが分泌されると副腎が疲れ、テストステロンの材料となるDHEAが作られにくくなるからだそうである。老化はどうにもできないが、ストレスは何とかできるかも・・・と頑張るのがストレスになるのであろうか・・・?

次は経口薬 (6/20)

中外製薬とロシュのAT-527がこの5月、P3 (第III相臨床試験) に入った。早く認可されることを切に望む。
経口薬が出れば入院できず在宅療養している罹患者も安心して過ごせるようになるだろう。
点滴や注射剤では自宅で患者本人が行うことはできないので。糖尿病の自己注射とは違って。

現在使われている薬 (6/19)

  • バリシチニブ:イーライリリー社の関節リウマチの薬。JAK阻害薬。詳しくは別記事でご紹介済み。
  • ファビピラビル:富士フイルム・富山化学の抗インフルエンザ薬。いわゆるアビガン。
  • ナファモスタット:日医工などの急性膵炎治療薬。タンパク分解酵素阻害薬。
  • カモスタット:小野薬品工業など。上記と同じ。
  • イベルメクチン:MSDの駆虫薬。オンコセルカ症の救世主。ただし、これはCOVID-19の治療には許可されていないため、医師が患者さんにインフォームド・コンセント (説明と同意) を取って処方している。薬価は安い。
  • トシリズマブ:中外・ロシュの関節リウマチの薬。抗IL-6R抗体。

各国の状況

ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチンは2020年12月にイギリス、アメリカ、ヨーロッパ-各国などで承認され、現在は約40カ国以上で承認されている。
アメリカのモデルナ社のワクチンも2020年12月にアメリカで緊急使用が認められ、2021年1月にはヨーロッパでも承認を取得。

  • イギリス:アストラゼネカ社のワクチンは、イギリス、インド、ヨーロッパなどで承認を取得した。
  • ロシア:2020年8月にスプートニクV (ウイルスベクターワクチン) を承認。
  • 中国:シノファームの不活化ワクチン、シノバックスの不活化ワクチンを承認。
    シノバックのワクチンはチリやインドネシアでも使用が認められた。
  • インド:2021年1月バラート・バイオテク社の不活化ワクチンを承認した。
  • アメリカ:ジョンソン・エンド・ジョンソンのウイルスベクターワクチンがこの2月に緊急使用許可を取得。
    これのいい点は1回摂取で済むこと、冷蔵庫の温度で最大3カ月の保存ができることである。株主だから言うわけではない。

ドクターインタビュー(6/15)

ここ数日かけて、数人のドクターにインタビューしてみた。以下抜粋してみる。

A医師:打ち手が足りないと言うから、立候補してみたが、厚労省から何の音沙汰もない。何故かと思い、こちらかり連絡してみたら、充足しているので要らない、とのこと。マスコミは「足りない」から接種が進まないかの如く、吹聴しすぎではないのか?とのこと。
せっかく手を挙げてくれた先生にお断りの連絡も寄越さず、連絡させ、「要らないよ」とは随分失礼じゃないのか、とわたくしは思う。

B先生:フリーランスの医師だが、病院など3施設で勤務している。なので当然優先接種できるものと思っていたら、専属でないから「対象外です」と言われ、一気にワクチン接種に協力する気が失せた、とのこと。
毎日病院や施設で勤務していればリスクは専属でも掛け持ちでも同じであろうに。それは小さい施設に所属する介護福祉士や看護助手さんたちにも言えることではあるが。

C医師:ちょうど県境で開業しているため、県をまたいで患者が来る。それなのにワクチンを受け付けようと思っても、一方の自治体の患者にしか提供できず、一方の患者には断りをするほかない。自治体ごとと決めてしまうとそうしたことが起きる。また接種券が早い自治体と遅い自治体があり、未だに高齢者でも接種券が届かず、大手町に予約もできないヒトがいると思えば、素早い自治体では10歳代の子まで接種できていたりする。国も初めてとはいえ、もう少しどうにかならないものか、とのこと。激しく同意!である。

ワクチン接種、取りあえず幅広く一回でも打っておくのと、二回打つのとでは、どちらが効果あるのか?(6/9)

米国メイヨークリニック (超有名な巨大病院!) のBrufau氏らは、mRNAワクチンをメーカー推奨の21~28日間隔で2回目接種する場合と、2回目の接種を遅らせてもより多くの住民に初回接種を行う場合、どちらがCOVID-19対策に有効かを検討するシミュレーションを行った。

ワクチンの初回接種後の予防効果が80%を超えていて、1日当たりの国民の接種率が0.3%以下の場合は、2回目の接種を遅らせる戦略の方が、累積死亡率を減らすのに有効だと報告した。詳しくは2021年5月12日のBMJ (ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル) 誌電子版に掲載。主にイギリスがこの広く浅く方式を採っている。

米国疾病管理予防センター(CDC)は、ファイザー社やモデルナ社の臨床試験データから、ワクチンの単回接種後の効果は約80%と推定している。

そこで彼らは、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の接種を遅らせた場合と、メーカーが推奨している標準的なスケジュールに従って接種した場合の、公衆衛生上の利益(COVID-19による死者数や入院患者数)を比較するために、米国民を想定してシミュレーションを行うことにした。

主要評価項目は、初回接種から180日後までのCOVID-19の累積死亡率とした。標準的なスケジュールと同じ2回接種と、初回の接種を行き渡らせることを優先し、再接種を遅らせる戦略を比較するシミュレーションを10回行い、結果の中央値を出した。

単回接種の効果が80%以上の場合であれば、広く浅くの戦略の方が有効であることが示唆された。

また初回接種後の予防効果が80%以上なら、接種率が0.3%以下の場合に、2回目を遅らせても1回目の接種者を増やす戦略の方が累積死亡率を減らすのに有効だと結論している。

原題は「Public health impact of delaying second dose of BNT162b2 or mRNA-1273 covid-19 vaccine: simulation agent based modeling study」、概要はBMJ誌へ→ https://www.bmj.com/content/373/bmj.n1087

 

治療薬(6/2)

  • 軽症の場合

ポピドンヨードによる含嗽、イベルメクチン✿(商品名ストロメクトール)錠の投与。
✿イベルメクチン:腸管糞線虫症、疥癬に使われている薬。かの北里大学の大村先生が発見したが特許はMSDが持っている。犬のフィラリア、オンコセルカ症の予防・治療に使われている。MSDは目下もっと割のいい(薬価の高い)治療薬を開発しているため、お安いイベルメクチンを積極的に増産するのは気が進まないらしい。

吸入ステロイドもある。アストラゼネカのブデソニド(パルミコート)はタービュヘイラー✿で吸いこむ。
✿タービュヘイラーとは押してパウダーを吸入するもの。喘息の方が口にしゅっとする、あれである。

  • 中等症の場合

アビガン、ベクルリー、オルミエント、デカドロン✿の投与。

✿ファビピラビル:商品名アビガン、インフルエンザウイルス感染症の錠剤。
✿ベクルリー:ギリアド・サンエンシズ社の商品名レムデシビル。関節リウマチの点滴静注薬。
✿バリシチニブ:商品名オルミエント、イーライリリー社のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤。
✿デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム:商品名デカドロン、ステロイドの静注剤。

  • 重傷の場合

上記のお薬プラス免疫抑制剤(ステロイドやアクテムラ)の投与。
✿シリシズマブ:商品名アクテムラ、中外製薬の1本40,000円もする!皮下注。遺伝子組換えの関節リウマチの薬。

ヤヌスキナーゼ(Janus kinase)阻害薬とは

JAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種類がある。
関節リウマチでは、炎症が起きている関節内に白血球など免疫に関与する細胞が多数見受けられるが、サイトカインという物質がこれらの細胞を活性化して炎症を引き起こす。


サイトカインは細胞の表面にあるサイトカイン受容体に結合することにより細胞に刺激を与えるが、その刺激は細胞内に伝わって細胞の中心にある核に到達、結果、核内ではDNA合成が盛んに行われ、細胞が増殖したり、炎症を起こす様々な物質が増産されたりするようになる。
JAKは細胞の中でサイトカイン受容体に結合し、サイトカインによる刺激を下流に伝える重要なキナーゼ(酵素)なのである。これを阻害(邪魔)すれば炎症が起きないだろうという発想で開発された。

添付文書

PMDA(医薬品医療機器総合機構)のページから、一般名、業者名、受ける人用のガイド、添付文書、審査報告書などが閲覧できる。副反応、接種前、接種後の注意などもPDFになっているので、必要なら印刷もできる。メーカーからの情報であるので、これ以上詳しいものはないはずである。適正使用ガイドを見れば作用機序なども詳しくわかるので、詳~しく知りたい方は是非。

★ファイザー社のコミナティ筋注についてはこちら→ https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/631341D

★モデルナ社のワクチンについてはこちら→ https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/631341E

★アストラゼネカ社のバキスゼブリア筋注についてはこちら→ https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/631341F

 

地元のかかりつけ医で接種したら、初診料取られるの?(5/26)

わたくしの居住地の自治体とかかりつけ医に取材したところ、ワクチン接種のみであれば大規模接種センターと同じく初診料その他はかからない(無料)とのことだった。問診するのだから取られるのかと思ったので問い合わせしてみた。予診票お薬手帳保険証は忘れずに持参しよう。注射は医師の指導の元、看護師でもできるが、問診は医師しかできない。また年齢のせいかどうか、毎日飲む薬の名前をきちんと言えない方がままいらっしゃるため、お薬手帳の持参は大切な情報となる。

が、もし接種後副反応や後日何かの不具合(腕が上がらない、痺れる、モデルナアームになったなど)が出た場合には保険診療となるとのこと。接種会場は広いため、接種後30分はその場に留まってアナフィラキシーが出ないかどうか確認してから帰ることが可能であろうし、その場での治療(アドレナリン筋注)であれば無料となるが、手狭な開業医では難しいであろう。その場合、心配な方は近場に留まって様子を見る方が無難かも知れない。

追加情報:知人がやっと接種券が来た!とカルテのあるクリニックに予約しようと電話を入れたところ、定期的に通院しているヒトしか予約させないとの返答であった、とのこと。ひどい!
わたくしは「かかりつけ医」というのはカルテがあることを言うのだと解釈していたが、開業医の解釈では、定期的に通ってくる慢性疾患の客 (患者様) のことらしい。たまに行くだけでは客じゃないなんて高級クラブか?

そしてニュースでは大手町会場が予約半分でがらがらだと言っていたが、年齢制限・地域制限が緩和され、すぐに予約満杯となり、今や予約受付さえもストップとなっている。なぜ7月でもいいから先まで予約させないのか?先の分はインターネット限定にして1週間前に確認メールを一斉送信すれば忘れたり無断キャンセルしたりが減らせると思うのだが・・・。電話だけでは回線パンク、ネットだけではパソコンやスマホを使いこなせない方が困るのはわかりきっているので、両方併用する必要があるだろう。「オリンピックに間に合わない」と知人はがっくりしていた。

アストラゼネカのワクチン(5/24)

  • 正式名称:バキスゼブリア筋注
  • 種類:遺伝子組換えサルアデノウイルスベクター
  • 概要:COVID-19のスパイクタンパク質のアミノ酸配列をコードする遺伝子を組み込んだサルのアデノウイルスをヒトの胎児腎由来細胞で増殖、精製後、安定剤を添加して調製した注射剤。

成分

別投稿でご紹介のとおり、白砂糖、失礼、精製白糖、大活躍でございますね。
関連情報はこちら→ モデルナワクチン:認可されました。成分がわかったのでお知らせします。

抗体カクテル療法(5/22)

中外製薬のリリース(5/10)によれば、ロシュ社から日本における独占的開発権と販売権をこの2月に取得、COVID-19に対する治療・予防のための飲み薬の第III相臨床試験(phase III clinical trial)を開始したとのこと。AT-527という飲み薬である。550mgを1日2回、5日間投与する実験だそうだ。

カクテル療法というのは複数の種類(このケースではcasirivimabとimdevimab)を混ぜること。
薬事承認された場合、日本での供給を日本政府が確保するという合意ができたとのこと。

ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位に非競合的に結合する2種類の異なる抗体医薬品を同時に投与することで、SARS-CoV-2に対して中和活性を示し、ヒト集団で現在蔓延しているスパイクタンパク質に変異を持つウイルス株を防御することが期待できる。COVID-19の治療及び予防に対して複数の海外臨床試験が実施され、国内では日本人における安全性・忍容性、薬物動態を検討する第Ⅰ相臨床試験は本年3月に開始していた。

予防でも治療でも、経口薬で済むなら注射より助かる。早く実用化を望むものである。早く何とかしてくれ~!

マスクの予防効果はいかほど?(5/21)

マスクの飛沫カット率表
ノーズフィッターをW字にして密着させよう! 外側は汚いと思って間違いない。!

マスクしていればうつらない、重症化しないと思い込むのは危険。心配な方は頬の部分の隙間もメンディングテープで留めた方がいいかも。まあ食事で外すと面倒ではあるが。外したとき外側を触らない、捨てるときもゴム以外触らず、外側を内側に丸めてゴムでくるんで捨てるようにしよう。ぽいと捨てるとウイルスがゴミ箱中で飛び散る。そのくらい気をつけないとうつるということである。インタビューを見ているとやたら外側をつまんで位置を直したり、べたべた触ったりする方が実に多い。あれではしている意味がない。コストをかけているのだから、効果的に装着しよう。

モデルナアーム(5/20)

またしても新語が出て来た!何とモデルナ製ワクチンを接種後5~9日後に注射を打った部分が赤く腫れ、痒くなったり痛みが出たりするのが数日間続くという。映像で見たがなかなか広範囲である。アメリカでは2020年12月からファイザー社製のものと同時に打たれており、ニューヨークでは4月下旬で人口の32%が接種完了している。

アメリカでもワクチンの種類は会場によって決まっている。そりゃ冷凍庫の都合があるから当然である。4/23にジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンも再度許可されたが、ファイザー社とJ社製ではここまでの症状は見られないとのことである。しかし、数日で元に戻るとのこと。

どのワクチンを受けても何らかの副作用は出るようだ。接種後に悪寒、発熱、倦怠感、関節痛などを経験する方が多い。また頭痛、筋肉痛、吐気や嘔吐、下痢、腹痛などの副作用が出る方もいる。ただ赤く腫れるのはモデルナだけのようである。どのワクチンでも1度目より2度目の方が副作用がきつくなるという話はもう定説となっている。

確かにモデルナ製はファイザー製より若干副作用がきついかも知れないが、アメリカの識者は「副作用は一時的で、痛ければ鎮痛剤を服用すればよい。しかしウイルスに感染したら死に至る可能性があるので接種は受けてほしい」と口を揃えて言う。リスクとベネフィットを考えれば「打たない」という選択肢は選べないであろう。下記に気をつけて接種に臨んでいただきたい。怖がらずに。アレルギー体質の方は会場の近辺で1時間くらい様子を見たらいい。車があるなら中で。30分以上その場に留まると他の方の流れを阻害するかも知れないので。

  • 接種日の前夜、接種当日は飲酒しない。
  • 処方薬は規定通り服用する。
  • 接種後はたくさん水分補給する。
  • 注射部位が腫れたら冷やす。保冷剤をハンカチ等でくるんで当てるとよい。
  • 頭痛や発熱などがあれば市販の解熱剤や鎮痛剤を服用。
  • 接種前に予防的に服用するのは推奨されていない。

各国の打ち手不足に薬剤師さん♥

日経のアンケート結果によれば、日本では残念ながら年配のドクターほど、医師・看護師(医師の指導の元という但し書きが付くが)以外が打つことに抵抗があるようである。理由はアナフィラキシーが起きたとき処置ができないだろうという妥当なものから、「医師の専権事項である」というものまでざざまである。法的責任はどうするのかというのもある。それは政治の方で時限立法なり何なりすればいいのであるが・・・。
では各国ではどうなのか?

国際薬剤師・薬学連合(FIP)のウェブサイトによれば、各国とも既に薬剤師が薬局でワクチン接種できるよう法改正したり研修をしたりしているとのこと。

  • オーストラリアの場合:この夏から始めるとして学科はWebの学習でいいようになっている。また接種するとなんと48豪ドル(5,000円位)/人も薬局に支払われるそうだ。日本では考えられない。
  • カナダの場合:元々薬局での予防接種が一般化しているが、COVID-19ワクチンの打ち手確保のため、薬学部の学生、インターン、薬局のテクニシャンにも4時間の実習で打てるようにした。またカナダ薬剤師会はFAQを公開、ワクチンの種類、保管方法、安全性、有効性などをわかりやすくまとめている。
  • アメリカの場合:薬剤師会のウェブサイトにワクチン情報がまとめられている。多くはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)へのリンクが貼られていて、患者さんへの説明資材やガイドがあり、接種できる薬局の検索もできるように作られている。

既に感染したヒトもワクチン接種した方がよいのか?

2021年4月15日、米国海軍メディカルリサーチセンターのアンドリュー・レティツィア氏らが抗体陽性者の再感染リスクは抗体陰性者の初回感染リスクの1/5程度だったとLancet誌で報告した。以下、要約してみた。


SARS-CoV-2に感染すると、多くの場合抗体陽性となり、しばらくその状態が維持されるものの、免疫反応のレベルと持続期間には個人差が出る。複数の研究で再感染が起きることは既に報告されている。
そこで彼らは既に感染して抗体陽性となった18~20歳の健康な人々の再感染リスクについて検討することにした。

前向きコホート研究COVID-19 Health action Response for Marines(CHARM)の一環として行われた。
CHARMは米海兵隊に入隊予定の若者(18~20歳)を対象にしているそうだ。海兵隊では、新兵からの感染を防ぐため、入隊前2週間は自宅隔離、その後身体的距離を維持しつつマスクを着用してホテルなどに移動、さらに2週間、監視下で厳格に隔離される。隔離終了時点のPCR検査で陰性が確認されれば、海兵隊の施設に移って基礎訓練を受けることになるそうだ。

研究チームは隔離施設入所時点で採血、IgG抗体をELISA法により検出し、1:150以上の希釈で陽性なら血清陽性と判断した。調査では、人口統計学的特性、危険因子、COVID-19に特異的な14の症状、非特異的な症状、薬剤服用歴などの情報を収集した。

研究グループはそれらの若者を更に6週間追跡、血清陽性者と陰性者の両方に、2週後、4週後、6週後にPCR検査を実施して感染の有無を調べた。

血清陽性者で、PCRで陽性になった若者とならなかった若者の、ベースラインの中和抗体の活性を調べた。中和活性が検出された若者の割合は、再感染しなかった若者では83%だったが、再感染者では32%だった。

再感染時のウイルス量は、血清陰性者が初回感染した場合と比べると、おおよそ10分の1だった

研究グルーブは、血清陽性の若者が再感染するリスクは血清陰性者より82%低かったとした。
しかし、初回感染による抗体獲得は再感染を予防するのに役立つが、必ずしも十分なレベルに達するとは限らないと結論している。そのため感染歴のある若者にもワクチン接種が必要であることが示唆された
今回、基礎訓練を開始した新兵のSARS-CoV-2感染リスクは著しく高かったが、これは身体接触が多く、密な環境で行われることが多い訓練内容に起因すると研究グループは考えているとのこと。

原文で読みたい方はLancetへ→ https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(21)00158-2/fulltext

COVID-19ワクチン(ファイザー社)の成分

他社の成分はわかり次第掲載いたしますので、しばしお待ちを。

  • ✿有効成分
  • トジナメラン(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA)
  • ✿添加物
  • ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)
  • ALC-0159:2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド
  • DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
  • コレステロール
  • 塩化カリウム
  • リン酸二水素カリウム
  • 塩化ナトリウム
  • リン酸水素ナトリウム二水和物
  • 精製白糖

    ポリエチレングリコール:アレルギーの元じゃないかと噂が出ましたが、食品添加物や化粧品にたっぷり入っていてさほど害もない成分ですので、これでアナフィラキシーショックが惹起されることはないかと・・・。

    さらに詳しく知りたい方はファイザー社へ→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html

求人情報、出ました。

ここだけの話、大手町での接種会場で看護師の募集案件が出た(5/12)。交通費全額、時給2,100円×8時間。お手すきの元看護師、休職中だけどやってもいいよ、という有志のみなさま、ご検討を。コミナティ筋注、問診、アナフィラキシーの対応までやってほしいらしい。どこかにお勤めの看護師さん方はもう手一杯で、とても大手町に出向するシフトの余裕がないであろうから。
日本橋のコールセンターはなぜか6:30出勤だそうで。なぜこの会場だけこんなに早いのか謎。他のセンターは8:30出勤なのに。

開業医たちの対応

大学病院などの大規模施設でない、町のクリニックなどの小さめの施設でもワクチン摂取に協力してくれる医院。自治体の連絡が不備なせいでやりにくくてしょうがないらしい。シリンジが5本取りと6本取りがあり、どちらがいつく、いつ入るのかはっきりしないためである。以下複数のクリニックのドクターたちから聞いてみた。

  • 待機グループを作る。つまりワクチンが余ったとき、すぐ連絡したら来てくれる患者を募っておく。この発想はさすがドクターだと思う。近所に住んでいる無職の高齢者であれば確かにすぐに来てもらえるので無駄にせずに済む。捨てるなんてもったいない!
  • 予約システム:事務職のパソコンスキルにより、ドクターキューブ、Excel、紙台帳での管理と分かれる。
  • 捌ける人数:派遣の事務+看護師+医師の3名体制で20人/時くらいらしい。1本の瓶から5~6本シリンジに取るだけで馴れている者でも10分ほどかかる、予診票を書き込んでこない高齢者が多いため、問診に時間がかかる、予約はしたが当日具合が悪くなって来られない、ひどいと連絡もしないということがあるため、なかなか捗らないのだ。

マウスにマスク実験

面白い(可愛いと思うのは不謹慎か・・・)実験結果を見つけた。何とCOVID-19に感染されたマウスと感染していない健康マウスの実験である。
もちろんどう考えたってマウスにマスクなんか装着できるはずはないからどうするのかと思ったら、ケージの外からマスクを遮蔽物として被せるという方法での実験。

で、結論はというと、マスクまったくなしの感染は66%であった。感染マウスの側にのみマスクをした場合、非感染マウスがうつされる確率は16%に減ったのだ。非感染マウスの側にのみマスクを覆った場合の感染率は25%であった。
で、両方にマスクを装着した結果・・・なんと1%になったのだ!!マスク万歳!!である。

邪魔だけど、暑いけど、肌が汗で蒸れるけど、みんなでマスクをしよう。そして最低2m空けよう。
絶叫したり思い切り咳やくしゃみをしたりした場合は最悪5mエアロゾルが飛ぶので、友人だろうが恋人だろうが、マスクなしで近距離に立つのはかなりリスキーである。屋外で酒の立ち飲みもやめた方がいい。屋外だからといって感染リスクが低くなる訳ではなく、また風でも吹いていたらエアロゾルがぶっかかるのを富岳(理研)のシミュレーションで見てほしい。
ウイルスの変異はヒトの免疫より小回りが効くから若年者でも罹ったら翌日急変→受け入れ先が決まらず死亡ってことも十分ありうる。
もはや「死ぬのは高齢者だけだから関係ないぜ~♪」という思い込みは通用しないフェーズまで来ているのだ。

蛇足ながら、ヒト以外にもCOVID-19は感染する。既にネコイヌ、動物園のトラミンクの感染が確認されている。怖いのはそれらの動物に入り込むことで変異して再度ヒトにうつったら、もっと大きな変異になってVaccineも治療薬も効かなくなる可能性が高い・・・ということ。
ヒトは高度になりすぎた故にウイルスほど早く変身できないから、免疫応答が追いつかないのだ。
素早いワクチン接種行き渡りで (羨ましい) 下火になったからもうマスクは要らないとする国がぼちぼち出て来ているが、甘いのではないか。気を緩めると絶滅していないウイルスがまた跋扈してくるに違いない。
スペクトラムの幅広い治療薬が出てこない限り、油断しない方が身のためだと思う。特に人口密度の高い東京や大阪などは。

J&Jの新型コロナワクチン

アメリカのCDCとFDAは2021年4月23日、血栓症を理由に (6例) 接種の一時停止となっていた新型コロナワクチンの接種の停止を解除した。稀な血栓症 (脳静脈洞血栓症:CVST) のリスクよりワクチン接種のベネフィットが上回る (18歳以上) との判断である。
何といっても1回の接種で済むのだから、遅々として進まないワクチン接種計画にはありがたいニュースとなる。当面はアメリカでのみ行い、引き続き血小板減少を伴う血栓症候群(TTS)が発生するリスクは調査を継続するとしている。

4月23日の時点で、合計15例のTTSが報告された。これらの症例は全員、18歳~59歳までの女性で、年齢の中央値は37歳だった。報告によると、ワクチン接種後6日~15日の間に症状が出たという。なぜ女性ばかりなのかは未だ不明とのこと。

中外製薬(ロシュグループ)のプレスリリース

4月16日、皮下投与によるカシリビマブ(casirivimab)とイムデビマブ(imdevimab)の中和抗体カクテル療法が、予防目的の第III相臨床試験で症候性COVID-19の発症リスクを81%減少させたとの発表があった。

英文で原論文を読みたい方は→ https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2021-04-12.htm

スイスのロシュ社は、新型コロナウイルス感染者との家庭内での濃厚接触者を対象に、中和抗体カクテル療法によるCOVID-19発症リスクおよび負担軽減を評価した第III相臨床試験(REGN-COV 2069試験)において、良好な結果を確認したと発表した。 
REGN-COV 2069試験は、有効性と安全性を評価する複数コホートからなる二重盲検ランダム化プラセボ対照試験(かなりレベルの高い試験法)で、ロシュ社が米国・国立アレルギー・感染症研究所と共同で実施したもの(日本は不参加、残念!)。

過去4日以内にSARS-CoV-2陽性と判定された人と同居し、SARS-CoV-2に感染しておらず、カシリビマブイムデビマブ(1,200mg)またはプラセボを単回皮下投与した1,505例が対象。29日間の評価期間におけるSARS-CoV-2の症候性感染が生じた人の割合とした。その結果、投与群において症候性感染の発症リスクがプラセボ群に比べ81%も減少(p<0.0001)したことが示された。

また新規感染の無症候性患者204例について、カシリビマブイムデビマブ(1,200mg)またはプラセボに無作為に割り付け、抗体カクテル療法を評価した。その結果、投与群は症候性COVID-19に進行リスクを全体で31%減少させた。

投与された群で症候性COVID-19感染を発症した人は、平均1週間以内に症状が消失したのに対し、プラセボ群では症状が消失するまでに3週間を要した。投与群に重大な副作用などは認められなかった、としている。苦しむ期間は短いに超したことはない。

✿中和抗体:ウイルス感染阻止能(中和能)を有する抗体のこと。一般に抗体がウイルスのタンパク質に特異的に結合しても、必ずしもウイルス感染を阻止するわけではない。
特にウイルスタンパク質の受容体に結合部位を認識する抗体は、ウイルスの受容体結合を阻止することにより中和能を発揮することが多い。

予防のワクチンとは違うが、かかっても軽く済むというのはありがたいものである。早く実用化に漕ぎつけてもらいたいものである。

SATORI法

なんと、5分足らずで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を高感度で検出できるとのこと。
SATORIは、CRISPR-based amplification-free digital RNA detectionという英名から、「仏の悟り」との語呂合わせでアルファベットを抜き出した命名とのこと。

理研の渡邉主任研究員と、東大先端研の西増教授らが2021年4月15日に厚生労働省にて記者向け説明を行った。「この論文を最初に投稿したのは2020年8月。それから半年余りたっており、実際の技術開発はさらに進んでいる」と渡邉主任研究員は話した。

増幅不要で感度は抗原検査法の10倍超とのこと。

半導体製造プロセスを活用して微細構造をチップ上に造形するマイクロチップ(マイクロチャンバーアレイ、bioMEMS)技術と、細菌の獲得免疫システムであるCRISPR/Casツールとの融合で開発された。

なぜわずか5分足らずで検出を達成できるのかといえば、新型コロナウイルスRNAをサンプル(唾液など)から精製する過程や、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)などによって新型コロナウイルスRNAを増幅する過程が不要だから。
精製や増幅などのプロセスを必要とせず、5fM(1L当たり1,000兆分の1モル)という高感度を達成できるという。増幅法を用いた既存技術では、検出時間に1時間前後を要することが多い。

5fMは、ウイルスRNAの量に換算すると、1μL(100万分の1L)当たり1,000個に相当する。この感度は、従来の抗原検査法に比べ10~100倍高いが、PCR検査法に比べると10分の1~100分の1しかない。

しかし新型コロナウイルス感染者の検体中に含まれるウイルスRNA量を考慮すれば、SATORI法は新型コロナウイルスの感染診断を実施する上で必要な感度を満たしているとしている。

迅速高感度の実現に寄与するマイクロチップ技術は、日本独自のもの。

渡邉主任研究員は、容積3fL(1,000兆分の1L)という世界最小レベルの微小試験管を1枚に100万個集積したマイクロチップを造形した。このマイクロチップを利用したデジタル検出法の採用により、唾液などのサンプルをマイクロチップに加えてから発した蛍光を蛍光顕微鏡により検出するまでの時間を、わずか2分未満で行えるようになった。チップに唾液を加えるなどの手順に要する時間を加えたとしても、全体でも5分未満という。

SATORI法では、新型コロナウイルスの標的を認識する28塩基のRNAを含む1本鎖RNA(ガイドRNA)と大腸菌で生産したCas13aタンパク質との複合体を1分子程度、切断されると蛍光シグナルを発する蛍光レポーター(1本鎖RNA)を多数、個々の微小試験管に入れる。ここに唾液などのサンプルを垂らした後で油を加え、微小試験管に封入し、反応を進める。

標的の塩基配列を持つRNAがサンプル中に存在してガイドRNAに結合すると、Cas13aタンパク質の構造が変化して、周囲のRNAを非選択的(塩基配列に依存しない)に分解する酵素活性を発揮する。この酵素活性はコラテラル分解活性と呼ばれる。この酵素活性により蛍光レポーターが切断され、1分以内に蛍光が生じる。1検体当たりの微小試験管の数は100万個。このうち光った蛍光試験管の数を蛍光顕微鏡でカウントすることにより、標的塩基配列を含むRNAの濃度が分かるという仕組みだ。

既存のウイルスRNA検出方法では、RNAの増幅に1時間程度の時間を要し、さらに増幅エラーによる偽陰性が生じてしまう。また増幅するために、ウイルスRNAを精製する必要がある。この精製過程にも数十分を要する。

SATORI法では、標的RNA塩基配列を増幅する必要が無いため、ウイルスRNAの精製も不要との結果を得た。ウイルスRNAを含む唾液でも、迅速高感度検出が可能であることを研究グループは見いだした。

実際の新型コロナウイルス患者から採取したウイルスRNAを細胞培養で増やしておき、このウイルスRNAを精製して唾液に加えたサンプルを測定し、迅速高感度検出できることを確認した。実際の臨床検体からの迅速高感度検出はこれから検証していくと、渡邉主任研究員は話した。

SATORI法のコストについては、マイクロチップの原価は5.2ドルで、大量生産によりコストダウンできるとのこと。検査試薬代3.9ドルを合わせたランニングコストは1検査9ドル程度である。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査が検査試薬代のみで5ドル程度であるので、ほとんど変わらないとした。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202104/570000.html

ワクチン接種のドタバタ

医療従事者優先とか言いながら混沌としている模様。そもそも医療従事者は都道府県の管轄、住民は市区町村の管轄になっていて連絡が密でない。またディープフリーザーが配置されている基本型施設とそこからワクチンを回してもらう連携型接種施設が医療従事者用、基本型とサテライト型(自治体が設ける臨時接種会場)が住民用と話がややこしい。更に4/26までに医療従事者、6月末までに高齢者が2回接種終えると日にちだけ決まっているが行政側と地元医師会の連携が噛み合っていない。4/5からは医療従事者と高齢者の接種を同時進行することになっているが・・・。東京都の予約システムでは勤務先所在地にも居住地にも関係なく申し込めるとのこと。
アメリカでワクチン接種2回を完了した人たちは “fully vaccinated people” と呼ばれ、少人数ならマスクなしで会ってもいい等、若干の自由が与えられるらしい。またワクチンを受けるために平然と嘘をつく人も多いらしい。在宅勤務なのに勤め先が医療機関や学校なのをいいことに受けるとか、薬局でも打てるため余ったワクチン目当てに列をなして並んだり等。溶かしたワクチンはその日のうちに消費しないと廃棄になるため補欠枠があるのだ。また教会などの接種会場で4時間以上ボランティアすると打ってもらえるが、もう予約で一杯だとか。アメリカでも早めにワクチンを接種できた人々というのは、パソコンやインターネットに強く、仕事を簡単に休んでワクチン接種の列に並んだりすることができる、比較的裕福な人々、つまり白人が多いというわけだ。アフリカ系やヒスパニックなどの人たちはこの問題でも後回しにされがち。タスキギー梅毒実験からあまり変わっていないのだ。日本でも医療従事者がまだ25%くらいしか接種していないのに、首相は外遊を理由にちゃっかり2回打っているし・・・。そのくせアメリカには行くがインドには行くのをキャンセルする・・・。
医療従事者でもなく高齢者でもない日本の人々にはいつ順番が来るのやら・・・。オリンピック後の感染爆発が怖い。

ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)

アデノウイルスのベクターを使うアストラゼネカ社とジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチンを接種した人のうちの数人が血栓症を発症、死亡するケースも見られた。

アデノウイルスとは、直径80nmで正20面体の形をした、2本鎖で直鎖状のDNAウイルスである。プール熱の原因となる、よくあるウイルスである。多くの場合は重症化せず、何ら症状を引き起こさないタイプもある。
ゲノムは約36,000塩基対。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)やインフルエンザウイルスはご存じの通り1本鎖のRNAウイルスなので、ウイルスのゲノムそのものがまるで違う。
エンベロープは持たず、ウイルスゲノムを取り囲むのはカプシドと呼ばれるタンパク質の殻である。

アデノウイルスのカプシドは、主にヘキソンという構造タンパク質でできた面を20個持ち、面と面が接する角にファイバーという突起がついた形をしている。このファイバーが細胞の受容体を認識し、細胞内に取り込まれていくように働く。

ヒトから分離されたウイルスだけでも50種以上の血清型があり、マウス、サル、イヌから分離された血清型も多数ある。しかもそれぞれの性質がかなり異なる。
ヒトのアデノウイルスは基本的にヒトの細胞にしか感染しないが、チンパンジーから分離されたアデノウイルスはチンパンジーの細胞だけでなくヒトの細胞にも感染する。

治療やワクチンに使われているアデノウイルスはヒトに感染しても、ヒト細胞内では増殖しない
ウイルスゲノムDNAそのものも複製されず、ヒト細胞の核ゲノムに組み込まれることもない。投与したウイルスのゲノムDNAを鋳型として目的とするタンパク質が発現するが、徐々にウイルスゲノムDNAが分解されていき、アデノウイルスが感染した細胞は排除されていく。人体はすばらしい。

mRNAを直接接種するmRNAワクチンの場合、mRNAそのものが分解されやすいので、あまり長く細胞内でとどまることはなく、目的とするタンパク質が発現しているのは数日程度。
これに対し、アデノウイルスベクターはもう少し細胞内で長く存在でき、数週間から1カ月程度、目的とするタンパク質を発現させる。

アデノウイルスベクターを使った遺伝子治療やワクチンは、一度接種するとアデノウイルスそのものに対する免疫反応も誘導されるため、二度目からは効果が得られない。かぜの原因としてのアデノウイルスに感染したことがあれば、ヒトはその血清型に対する抗体を持っている。しかし型がたくさんあるため何度もかぜをひく。

このようにファイザー社とバイオンテック社が開発したmRNAワクチンアデノウイルスベクターには大きな違いがある。このワクチンの第III相臨床試験の結果から、mRNAワクチンの方が効果が高いとする結論が得られている。
mRNAワクチンにも様々な作用が働いて免疫賦活につながっているのだろうと推測される。

アデノウイルスベクターを使った治療については、1997年に米国ペンシルベニア大学でオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症に対するアデノウイルスベクターを使った遺伝子治療において、18歳の患者が血液凝固異常多臓器不全を起こして亡くなっている。このときの投与法は肝動脈内投与で、多量のウイルスを投与した結果として自然免疫系が強く活性化され、IL-6IL-10が大量に産生され、全身性炎症反応症候群(SIRS)が起きたとされている。

同じ臨床試験に参加していたが投与量が死亡例よりも少なかったケースではこうした強い副作用は起きていない。この死亡例では投与量が多すぎたといえる。しかし同じ6×1011ウイルス粒子/kgで投与された患者が他にもいたのだが、その患者にはSIRSが起きなかった。体質による個人差であろう。

今回アストラゼネカ社製の新型コロナワクチンを投与された人の中からごく稀に血栓塞栓症が起きていて話題になったが、この新型コロナワクチンの投与量は5×1010ウイルス粒子/人で、しかも筋注。米Johnson & Johnson社のワクチンも5×1010ウイルス粒子/人である。

ただふだん当たり前に起こっているアデノウイルスによる感染症では、ごくわずかな量のウイルスが鼻腔や気道の粘膜に付着、細胞に感染して増え、そこから粘膜のいくつもの細胞に広がっていくというステップを踏んでいるのに対し、遺伝子治療やワクチンで使うアデノウイルスは、1010という大量のウイルスを直接体内に一度に投与するので、ヒトの身体の免疫応答はふつうのかぜをひいては治っていく過程とは少し状況が異なるのであろう。

新型コロナに対するアデノウイルスベクターを使ったワクチンは、臨床試験を行った結果を受けて使用されており、既に欧米などでは何万人も接種されている (日本は遅すぎる!) ことを考えれば、VITTは決して頻度の高い現象ではない。打つリスクより打たないリスクの方が大きいと言えるだろう。

COVID-19の変異株

大阪をはじめ関西で広がっているのがコロナウイルスの英国型変異株である。大阪府では変異株PCR検査の結果、4月の1週間で変異株PCR陽性率は82.8%に増加している(変異株PCR実施率20.9%)。

変異株が流行の主流に躍り出る中、大阪では第3波で重症者の増加速度が加速している。大阪府の発表では、重症病床運用率(入院患者数/実運用病床)は94.4%となるが、これは軽症中等症患者を受け入れる医療機関が重症者20人を診ているから100%を超えていないだけである。

大阪府が4月14日に開催した新型コロナウイルス対策本部会議では、「重症病床は逼迫という状況を超え、ほぼ満床状態となり、重症医療の危機に陥っている」との認識が共有された。今後も療養者数の急増が見込まれることから軽症中等症病床も「極めて逼迫する恐れ」があり、またコロナ患者の急増により一般医療が制限を受けているため「大阪府の医療提供体制は全体として限界を超えると想定される」との結論に至っている。これは、医療崩壊そのものと言ってもいい。

大阪府はこの危機に、緊急事態宣言発令の国への要請を視野に入れながら、下記のとおり動いた。

  • 府民に対する不要不急の外出・移動自粛の徹底
  • 事業者・自治体におけるテレワークの徹底
  • 教育現場における部活動・サークル活動などの制限や感染リスクの高い教育活動の自粛、大学などでのオンライン授業の推進を図る方針を決定
  • 直ちに対策に動く

全国でようやく高齢者を対象とした新型コロナのワクチン接種が始まったばかりの日本。しかし医療従事者でも接種完了はまだ先になりそうである。

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/doctor/

COVAX ファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility)

Gaviワクチンアライアンス、CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)、WHOが主導するワクチン共同購入の仕組
高・中所得国が自ら資金を拠出し、自国用にワクチンを購入する枠組みと、ドナー(国や団体等)からの拠出金により途上国へのワクチン供給を行う枠組み(Gavi COVAX AMC)の組み合わせ。9種類のワクチンが対象となっている。ここまで疾患が世界に蔓延すると買える国と買えない国が出てくることは想定できる。しかしそれを放置することは感染症蔓延抑止を考えるとプラスにならない。今や飛行機でどんな遠くの国にでもウイルスは旅ができるのだ。一国だけ封じ込めてもすぐに飛行機や船に乗って奴らはずかずかと侵略してくる。
既にワクチン争奪戦は始まっており、日本が外交力の拙さゆえ高いものを売りつけられないか心配である。
今は買わないという選択肢がないのがつらい。

品川区内勤務の医療従事者からの情報

品川区の医療従事者接種は基本型接種施設(大学病院など大きい施設)における接種が完了、連携型接種施設(クリニックや老健などの小さい所)へのワクチンの移送が始まったところだそうだが、またも問題発生!だそうだ。

連携型へのワクチンとシリンジ(細い注射器)は何と、別の業者が搬入するとのことで、ワクチンは届いてもシリンジはまだということがあった。
ワクチンの申し込みはワクチン接種円滑化システム(V-SYS)で行う。シリンジが来たか来ないかわからないうちにワクチンを依頼することになる。しかもシリンジは5回取れるものと6回取れるものがあるのだから、どちらのシリンジを受け取るのかによって、接種できる人数も読みが違ってくるのだ。
もしシリンジが間に合わなかったら、「ないのでまた来てください」と予約の人たちに言わなくてはならない。結果としては間に合ったということだが。

一方住民接種用のワクチンは4月5日の週から始まったものの、品川区の割り当てはたったの2箱しか届いていなかった。それがようやく4月26日の週と、5月3日の週に、都全体に合計536箱が供給された。
しかし26日以降の各区市町村への配分量はどんな理由からか、ムラが大きい。

23区で最も少ない港区、品川区、豊島区、荒川区は3箱なのに、なぜか葛飾区は47箱!
その他市町村でも1~27箱とかなりの差がある。人口比率に応じてならば合点もいくが、各自治体の希望数の6割程度を配分したらしい。自治体丸投げのこういうときこそ、自治体担当者の「気働き」がものをいうのかも知れない。

ワクチンの配分は国が都道府県への量をまず決め、都道府県が区市町村の申請に基づいてさらに割り振る。
配分量は1週間単位で決められ、今後も順次申請、配分がなされる予定だそうだ。

47箱最多獲得の葛飾区は75歳以上の高齢者約66,000人で、全対象者の人数に基づいて都に80箱を申請したようだ。一方品川区は「2週間程度で打てる量」を考えて申請したそうだ。まずは高齢者施設の入所者に接種を開始する方針。大型連休直前で、連休中の接種体制が整っていないため、敢えて少ない量を申請したわけだ。

しかし、「品川区は65歳以上の高齢者が86,000人おり、3箱だとその約3%にしか1回目接種を行えない」と非難がましく報道されたのだ。そもそも2週間で接種できる量 (捌ける可能量) をもらっただけだから……。
大量に受け取った自治体が順調に捌けるか、また冷凍保管しなくてはならないことを考えると果たしてどちらが良かったのかは一概に言えないのではないか。
連休中にもばしばし打てれば望ましいが、一般人が旅行している間、医師や看護師のみが働かなければならないという論法もおかしい。休みは必要であるし、学会やら研修やらで勉強も必要であろう。専門職なのだから。

✿詳しいことは各自治体にお問い合わせください。電話はおそらく繋がりません。インターネットでの検索をお勧めします(こちらも繋がりにくいらしいが)。自身でできない方は友人なり知人なりに頼みましょう (あくまで丁寧に!)。できれば自分で覚えましょう。

生まれつき、パソコンできるヒトなんかいません。70歳代だからできないわけでもありません。仕事をしていないのであれば、時間はたっぷりあるはず。この機会に検索くらいできるようにしましょう。できて損はありません!これからどんどん「詳しくはWEBへ!」が当たり前の時代になっていくでしょうから。

歯科医師

現場では医師が予診票を見て問診する、その後で看護師が接種と接種後の見守りをするというパターンが多いであろう。
国は特例で歯科医師の接種を認めたが、その条件のうるさいことうるさいこと。
• 必要な医師・看護師などの数が確保ができず、歯科医師の協力なしには特設会場での集団接種が実施できない状況であること。
• 筋肉内注射の経験を有している、または筋肉内注射について必要な研修を受けている歯科医であること。
• 歯科医師による接種について患者の同意を得ること。 
わざわざ講習を受けて、本来の仕事に穴を開けて (つまり他のスタッフの仕事が増える)、なおかつ相手に「歯科医ですが、いいですか?」と了解を取るなんて、それでも協力してくれる歯科医なんているのだろうか?甚だ疑問である。

イギリスでは医療関係者でもないボランティアにまで筋注させているというのに・・・(まあそれは受けたくないが)。看護学生や医学生でもいいのではないか。学生ならばオンラインで比較的時間が自由になるであろうし、筋肉や血管について素人よりは知っているはずだから。動脈に射したりしたら、そりゃ危ないから。
結論として、一般人にいつ順番が来るかは予想が立たず、ということになる。詐欺みたいで申し訳ない。

COVID-19用の錠剤

4月27日、アメリカのファイザー社アルバート・ブーラCEO(最高経営責任者)は、新型コロナウイルスの感染初期の患者が、自宅で自身が経口摂取できる錠剤タイプを2021年末までに一般向けに発売できる可能性があると述べた。
CNBCに対するインタビューでこの抗ウイルス剤は変異株にも効果を持つことを期待していると話した。

更にブーラCEOはテレグラフ誌が26日、アメリカとベルギーで新型コロナウイルス感染症の「治療」を目的とした錠剤を、成人のボランティアに服用させる試験が既に行われているとした報道は事実であり、ファイザーが取り組んでいることも認めた。

ブーラCEOは同社が2種類の抗ウイルス剤をテストしていると説明した。ひとつは静注の抗ウイルス剤で、今ひとつは経口剤だという。
自宅で患者自身が経口摂取するならば、治療のために病院や医療機関に行く必要がないという点が大きなメリットであろうと述べた。なんたってアメリカは広いから。

この錠剤がフェーズIIIの臨床試験をクリアして発売されるまで、どの程度の時間が必要かという質問に対し、ブーラCEOは「すべてがうまくいけば、年内に発売したい」と答えた。
彼はさらに、同社が夏にかけてさらなる詳細を開示する予定だとも話した。
ファイザーは3月23日に、「PF-07321332」と呼ばれるこの薬の第I相の臨床試験を開始したと発表した。
この治療薬はプロテアーゼ阻害剤✿で、細胞内で起こるウイルス複製を防止する効果があるという。プロテアーゼ阻害剤は、HIVやC型肝炎ウイルスなどの治療薬として既に認可され、効果を発揮している。

✿プロテアーゼという酵素を阻害し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の体内での感染拡大を抑える薬。

ブーラCEOはCNBCのインタビューにおいて、もう一つ重要なのは、世界的な大流行に対処する上で、貧困国におけるワクチンの接種率を引き上げることが必要だと話した。「インドやアフリカのような致命的な流行に直面している国に解決策を提供できなければ、これらの国がウイルスの変異株を生み出すプールになってしまう」と述べた。

ファイザー社は今後、少なくとも25億回分のワクチンを年内に製造する予定で、通年ベースでは30億回分に達するという。

★私見:ただ心配なのはその馬鹿高いであろう薬価である。アメリカは日本と違い、国が決めるのではなく、開発した製薬会社が決めるため、途方もない金額になる可能性が大きい。オプジーボがそうだったように。果たしてそのとき、日本は払えるのだろうか・・・?そもそも今のワクチン代もだれも騒がないが、EU相手の定価より割高に買わされているのではないのか・・・?

CNBCより抜粋。詳しくは→ https://www.cnbc.com/2021/04/27/pfizer-at-home-covid-pill-could-be-available-by-year-end-ceo-albert-bourla-says.html

ECMOって何?

経皮的心肺補助法(PCPS)のことをさす。一般的に遠心ポンプと膜型人工肺を用いた閉鎖回路の人工心肺装置で、大腿動静脈経由で心肺補助を行うものと定義される。
欧米では同じ装置を使用しても ECMO (extracorporeal membrane oxygenation)という名称が汎用されている。ECMOを直訳すれば酸素化の補助を意味する。
静脈脱血・静脈返血はV-V ECMO、静脈脱血・動脈返血はV-A ECMOと称されており、V-V ECMOが文字通り呼吸不全に対する補助、V-A ECMOがPCPSとほぼ同義で使用されている。

日本循環器学会などのガイドラインにより適用となるのは下記の症例。
• 1)心肺停止状態、あるいは心原性ショック状態での心肺蘇生(クラスⅠ,レベルB)
• 2)難治性心不全での呼吸循環補助(クラスⅡa,レベルC)
• 3)開心術後低拍出状態(クラスⅡa,レベルC)
• 4)薬剤抵抗性難治性不整脈
• 5)重症呼吸不全 (今回のCOVID-19はこれに当たる)

また日本救急医学会の用語集によれば、上記に加えて下記も適用となる。
• 1)心筋梗塞や心筋炎で、大動脈内バルーンパンピング(IABP)施行下でも心係数が1.5L/分/m2 以下の重症ポンプ失調例
• 2)急性冠症候群の冠動脈形成術までのサポートやブリッジ
• 3)急性肺血栓塞栓症によるショック
• 4)偶発性低体温による循環不全

なお機械的に換気されている患者さんは多くが鎮静剤ないし筋弛緩薬を投与される。何故って、急に動いたりしたら呼吸器が外れて窒息しちゃうから。
もっと詳しく知りたい方は亀田病院→ http://www.kameda.com/pr/intensive_care_medicine/post_26.html

 

GCS (Glasgow Coma Scale)

救急外来や集中治療室など限られた場所で使用されている指標。意識レベルの「開眼」を4段階、「発語」を5段階、「運動」を6段階に分け、それぞれの最良応答で評価し、合計点(最軽症は15点~最重症なら3点)で重症度・緊急度を判断する。
点数が低いほど重症度・緊急度が高い。
GCSは3つの運動機能で判断するという多軸指標であるため、認知および覚醒反応をより具体的に知ることに向いている。
一次性脳障害、特に脳血管障害や頭部外傷の重症度や緊急度、あるいは進行度を知る目的で作成された評価指標であるため、精神状態を評価するのには適さない。
GCSが8点以下は緊急度が高いと判断し、呼吸や循環に注意しながら早急に原因を検査する必要がある。
また短時間に合計が2点以上低下した場合も病態が急速に悪化していると判断する。
13点以下であった場合は頭部CT検査などで頭蓋内病変の有無を調べる必要がある。

意味のある回復 (meaningful recovery)

心停止から取り得る転帰は神経学的回復から持続的植物状態、死亡まで幅広い。悲嘆に暮れる家族が知りたいのはこの「意味のある回復」に至るのかどうか、という一点である。心停止から生還した入院患者でその率は10~30%である。心停止は脳に全体的な虚血侵襲を与える。脳の酸素蓄積は心停止発症の20秒後に失われるが、糖とアデノシン三リン酸の蓄積は5分で消失する。だから海女さんは5分くらいなら息を止めていられるのだ。神経細胞が死ぬと心停止後昏睡に至る。

Todd麻痺

痙攣発作後に起きる一過性の麻痺。患者自身は意識障害をきたしているため、病歴を聴取することは困難である。
周囲の目撃者から聴取する。

穿刺部位

第1選択は大腿動静脈が多い。頸部動静脈も考慮される。鎮静剤を投与されるため患者さん本人に意識はない。

合併症

1)穿刺時の出血
2)カテーテル迷入による医原性大血管・内臓損傷
3)カテーテル挿入動脈の阻血
4)体外循環による凝固障害(ヘパリンを使用することで抗凝固薬を使用せず合併症が発生しないことも増えた)
5)動脈送血における左心系に対する過負荷 

昏睡

24時間後の時点で瞳孔反射、角膜反射がなく、72時間後の時点で運動反応性のない場合は、「意味のある神経学的回復の見込み」は残念ながらないと判断される。

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)

通常の酸素療法でも吸入酸素濃度を100%近くまで到達させることは可能だが、急性呼吸窮迫症候群に陥ってしまった肺は陽圧をかけないと換気が維持できず、また呼吸努力が強くなるため患者さんは苦痛を強いられることになるため、症状緩和の観点からも、本来は人工呼吸管理が望ましい。これにはどうしても人手がかかる。

2020年のCOVID-19パンデミック当初は酸素飽和度が急速に悪化するため、とにかく早期に挿管・人工呼吸管理をしていた施設が多かったが、わずか数日で抜管できた。
若年層のARDS症例は、通常酸素療法や高流量鼻カニューラ酸素療法(ネーザルハイフロー)・非侵襲性換気(NIV)で乗り切ることも可能かも知れないが、今後ウイルスの変異次第では若年者でも重症化する可能性も出てくる。うつりやすい、重症化しやすいように変異してきている以上、屋外だからと油断して、立ち飲みしている場合ではない。

COVID-19(WHOが発表した名前)

coronaのCO、VirusのVI、Disease(疾患)のD、感染者が最初に報告された2019年の19を組み合わせた命名。
正式名称はSARS-CoV-2。SARS(severe acute respiratory syndrome)や中東呼吸器症候群(MERS)の姉妹種。ちなみにコロナワクチンでは世界で通じないのでCOVID-19ワクチンと言おう。発音はワクチンではなく、ヴァクシイ~ンである。

変異種(Variant)

近縁の生物種間で多くの遺伝子組換えが起き、それぞれの生物種の特徴を合わせたようなウイルスが生まれること。基本的性質が大きく変わるためウイルス名も変わる。ゆえにSARS-CoV-2。

変異株(Mutant Strain)

突然変異で遺伝子情報が変異し一部の性質が変わったウイルス。N501Yというのはこの話。スパイクタンパクの501番目のNがYに変わったことを意味する。この性質の変化が「感染力増強」ということで、ウイルスにとっては進化であり、迎え撃つヒトにとってはとんだ災難となる。
基本的性質は変化していないため名前は変わらない。

✿スパイクタンパク:宿主の細胞と結合するときの部位。

臨床研究(Clinical Research)

ヒトを対象とした研究全体。介入研究観察研究があり、侵襲の有り・無しで更に分けられる。臨床試験はこれらのうち、侵襲を伴う介入研究を指す。治験はこの中に含まれる。

緊急使用許可 ( Emergency Use Authorization : EUA )

アメリカにおいて緊急時(今回のCOVID-19蔓延など)に未承認薬の使用を許可したり、既承認薬の適応症を広げたりする法的手段。許可するのはFDA(アメリカ食品医薬品局)。4条件をクリアしたものに限る。ある意味仮免許。

特例承認

日本独自の薬事承認制度。他国で既に販売されている医薬品だが日本ではまだ未承認である薬を通常よりだいぶ簡略化された手続きで使用を認めるとする制度。3条件がある。
そのうちひとつは「日本と同水準の承認制度を持った国」とあり、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアと明記されている。これはある意味本免許である。
2020年5月にギリアド社のベクルリー(レムデシビル)がCOVID-19治療薬として承認されている。

有害事象(Adverse Event)

治療中に見られるすべての好ましからざる兆候や異常。因果関係は問わない。

副作用(Side Effect)

通常の投与量で起きる好ましくない反応。因果関係あり。「好ましくない」とは期待される主作用以外のものをいう。
例えばアレルギーに頻用される抗ヒスタミン剤の眠気など。副作用を利用して不眠症の改善に利用することもある。「飲んだら乗るな」である。

副反応(Adverse Reaction)

日本でワクチンについてのみ使う。ワクチンの免疫付与以外の反応で因果関係あり。

小児のワクチン接種率激減

出生時の小児用肺炎球菌ワクチンMR(麻疹・風疹)ワクチンの接種率が減っている。
肺炎球菌ワクチンはHibワクチンやB型肝炎ワクチンと同時接種されるため打たないと複数に免疫ができないことになる。麻疹は特にうつりやすいため予防に越したことはない。COVID-19怖しで乳幼児健診や予防接種回避することは乳児のためにならない。子を守ることは親にしかできないのだから。

VPD (Vaccine Preventable Diseases )

ワクチンで予防可能な病気。こんなにたくさんあるとは・・・。おたふく風邪になると1/1,000人が重い難聴になる。RO(基本再生産数)とはひとりの患者が何人に感染させるかを表すが、インフルエンザは1.4~2.5人なのに、麻疹は12~18人である。免疫がなければ必ずうつされるといってもあながち間違いではない。COVID-19感染を恐れて受診手控えが思わぬ病気の原因になるかも知れない。乳幼児はひとりで病院に行けないのだから。

B型肝炎破傷風おたふく風邪
ロタウイルス感染症百日咳水疱瘡
ヒブ感染症ポリオ日本脳炎
肺炎球菌感染症麻疹インフルエンザ
ジフテリア風疹ヒトパピローマウイルス感染症
乳幼児のワクチンの種類

コロナワクチン接種でアナフィラキシーになったらどうしてくれる?

予診票がありますので、アレルギーなどある方はきちんと書いておくとよいでしょう。また抗凝固剤を服用しているなども書く欄がありますので、記入し、当日医師の問診の際、付け加えるといいでしょう。どの会場にも医師はいるはずです。心配なら打ってから30分その場に留まれば安心できるでしょう。
ただ、医療者でなく、高齢者でもない一般の方に順番が来るのはかなり先になりそうですが・・・。


アナフィラキシーショック

アナフィラキシーはI型アレルギーである。IgE抗体が抗原に反応し肥満細胞から顆粒を放出させる現象。そこにはヒスタミンが含まれるため激しい痒み、浮腫を引き起こす。
その後ロイコトリエンプロスタグランジンTNFαIL-4などの炎症性メディエーターを産生する。
しかしヒスタミンは半減期が分単位と短いので症状が持続するなら顆粒放出が続いているとみなせる。治療はまずこの放出を防ぐことを考えるべきで、となると打つ手はもちろんみんなのアドレナリン筋注をおいて他にない。
会場ならばドクターがひとりはいるだろうから、大丈夫、落ち着こう。
注射自体は歯科医や薬剤師、医学生、看護学生がやっても構わないと思う。そうでもしなければ、一般人まで行き渡るのに数年かかってしまうだろうから。日経新聞では今のペースではあと7年かかるだろうとしている。
ただアナフィラキシーショックの対応は歯科医や薬剤師ではできないだろう。

アドレナリン筋注

肥満細胞(体型とは関係ない)のβ2受容体に作用して速効、脱顆粒を抑制してくれる上に、ロイコトリエンやプロスタグランジンの産生・放出も抑制してくれる。0.3~0.5mgを大腿外側広筋に筋注する。
皮下注では血管を収縮させて薬剤がしっかり循環しにくいため。
SARS-CoV-2ワクチンは腕の三角筋に筋注する。ヒスタミン放出なら抗ヒスタミン剤でいいのでは、と思いつくが、ここはやはりアドレナリン筋注の出番である。痒みより激烈な反応を抑えなければならないから。
またステロイドは効くまでに時間がかかるのと二相性反応✿への効果が乏しい点で推奨されていない。

一方抗精神病薬(クロルプロマジン等)との併用は禁忌とされていたが、2018年4月、アナフィラキシーの場合は外された。

✿二相性反応:アナフィラキシーが落ち着いたと思った数時間後、誘因もないのに再度アナフィラキシーになることがある。誰にでも起こりうる(日本では6.3%)。
アドレナリンの使用では減少するが、ステロイドの使用では減少しない。

輸液

アナフィラキシーは血管拡張、血管透過性亢進により血管内のボリュームが減少する。つまり時間が経つほど静脈ルートの確保が難しくなるのでさっさと確保することが必要となる(何度も刺し直しされるなんて嫌だもの)。
生食(正式にいうと生理食塩水)かリンゲル液を全開で落とす(つまり早く入れる)。留置針は18~20G。✿

✿Gとはゲージ(針の太さ、外径)のこと。Gが大きいほど針は細い。インフルエンザは26G、歯科では27~33Gを使う。ハブの樹脂部分が間違わないよう国際基準で色が決まっている。
ピンクなら18G、黄色なら20G、黒なら22Gである。余裕がある方は見てみて。

注射

静注>筋注>皮下注>皮内注の順で効き目が早く出る。それは当然である。注射なんて嫌だろうが、罹患して2週間も隔離されたり、くびになったり(アルバイトや派遣なら可能性大!)、後遺症が残ったりするよりははるかにまし。チャンスが来たらぜひ打ってもらいたい。妊婦さんでも問題ないと産婦人科学会は発表している。

副反応最新情報 (ファイザー社のワクチン)

医療従事者で新型コロナウイルスワクチンを接種後、発熱、倦怠感、頭痛などの副反応が1回目より2回目に強く出るという話は多く出ていた。
症状は接種当日~翌日に出現している場合が多かった。数日我慢すれば元通りになるようではあったが。2回目打つ予定の方は翌日休めるよう出勤調整しておいた方がいいようだ。
2月14日に特例承認となったファイザー製の新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を2月17日から先行接種対象者に接種開始。2月25日に被接種者登録が終了、19,808例が1回目を接種しコホート調査に登録され、2回目接種者は17,579例だった。
接種者の職種は医師17%、看護師47%、その他医療従事者36%(薬剤師・臨床検査技師・放射線技師は各3%、理学療法士2%ほか)。
年代は20代:21%、30代:24%、40代:25%、50代:21%、60代以上:8.7%で、男性34%、女性66%だった。
治療中疾患は高血圧が最も多く、次いで脂質異常症、糖尿病、気管支喘息の順に多かった。

症状の出現について、接種後8日目以降に回収した1回目接種1万9,035例(全体の96.1%) 及び2回目接種3,933例の健康観察日誌から調べた結果、1回目に比べると2回目接種では接種翌日に頭痛(約40%)、全身倦怠感(約60%)を自覚した。また、接種部位の疼痛については1回目、2回目ともに接種翌日時点で約90%の接種者が記録していた。
これは2009年のH1N1pdmインフルエンザワクチンNHO 2万人調査での疼痛出現の割合(43.8%)と比較しても、頻度が明らかに高い。
腕が筋トレしたような筋肉痛になる(ある体験者によれば)ので、利き腕にするのはやめた方がよい。接種翌日も仕事を休めるなら休もう。

関連の医学用語についてはこちら→ 医学用語:コロナに限らず、情報を理解するには多少の知識が必要です。

 

 

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