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熱中症:熱射病、熱疲労、熱失神、熱痙攣の4種類に大別される健康障害。

2021/09/05
 
グラスに入った水と花
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水道から水を飲むネコ
これからの季節、日焼けと熱中症には気をつけよう!

いよいよ、じめっとした日本の酷暑、到来です!
伝統を重んじる日本人なら、お墓参りに行かれることであろうが、どうかひとりでは行かないでください!熱中症になって倒れても、連れがいないと手遅れになる可能性が高いそうである。
救急のドクターが言っていた。

熱中症(heat illness)とは高齢者、乳幼児に多く、室内でも発生する。
日射しのみでなく、温度と湿度も関係する。ではどうすればいいのか?

ならないようにする工夫

とにかくまめに水分補給。一度にどっと大量に飲むのではなく、30分に一回飲むくらいのペースで。
喉についたウイルスも30分以内に流すと繁殖しにくいそうである。風邪予防になる。

家にいるなら冷房も惜しみなく使おう。電気代けちって救急搬送されたのでは大損である。
covid-19対策で病院も忙しいため、もし熱があったらそれこそ搬送先が見つからない可能性も高い!
高齢になるほど、体が熱さに鈍くなるそうである。だから老人は42℃とかの暑い風呂に長く浸かっていられるのである。
しかし、それはヒトの健康にいいかといえば、良くはない。血圧も上がるし。
アトピーさんは汗でかぶれるので、シャワーを浴びられないときは、濡れタオルで優しく汗をぬぐおう。
でもごしごしは厳禁である。皮膚は濡れっぱなしにしないことである。

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熱中症対策(なってしまったら)

まずは涼しい場所に運び体を冷やす。あれば霧吹きで皮膚に水をかける。エアコン、帽子、日傘などをうまく使う。濡れタオルを肩に掛けると水分が蒸発するとき体の熱を奪ってくれるので手軽な予防になる。
現代人は塩分取り過ぎなのでスポーツ飲料でなく水でもよい。アルコール、カフェインの取り過ぎに注意する。

汗で水分とナトリウムが出てしまう。補給すべきは糖分ではなく、水分と塩分
しかしスポーツドリンクは一気に血糖値を上げ糖尿病の元になる。
2018年には95,000人が救急搬送され、159人が死亡した。2020年は65,000人が搬送、112人が死亡している。
ここでもコロナ自粛の影響が出て、高齢者は増え、若年層は減少した。 

治療

熱中症の応急処置のポイントはFIREである。冗談ではない。
水分補給(fluid)、冷却(icing)、安静(rest)、救急車(emergency call)の略である。

  • 意識障害、小脳症状、けいれん発作が出現した場合は重症なので、入院が可能な施設にすみやかに搬送する。
  • 診断は体温だけで行ってはいけない。暑熱環境に曝露されていたかどうかで判断する。
  • 日本救急医学会の「熱中症診療ガイドライン2015」はさまざまなクリニカル・クエスチョンが書かれていて参考になる。しかし2015より新しいバージョンはないようだ。
    詳しくはこちら→ https://www.jaam.jp/nettyu/index.html

病態

熱中症は高温、暑熱環境下において発生する生体の障害の総称である。体温、体液、循環の調節機能が破綻することによって生じる。時に高体温のため細胞障害が発生し、多臓器障害を起こすと死に至ることがある。

炎天下だけでなく、日陰や屋内においても発生する。肉体労働やスポーツなどの筋肉運動の激しい場合に起こりやすいが、高齢者では日常生活の中でも生じる。居室内にエアコンがあるのに使用していなかったため発症した高齢者も多い。入浴中の熱中症もあとを絶たない。高齢になるほど熱に対する感受性、体温調節機能は低下し、基礎疾患を有する率が高くなるため、高齢者は屋内発症や重症例が多くなる。

2013年厚生労働省のレセプトデータによれば、熱中症による入院患者は年間35,571人であり、うち死亡は51.541.54%)であった。65歳以上の高齢者の死亡者は474人で、死亡の86%を占める。熱中症の死亡例の6割以上が入院3日以内であり、最重症例は進行が速いのも特徴である。

診断

「日本救急医学会熱中症分類2015」によれば、暑熱環境にいたか、いたあとの体調不良はすべて熱中症の可能性があるとされる。

Ⅰ度では、めまい、立ちくらみ(失神)、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)などで、意識障害は認めない。

Ⅱ度の症状は、頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下が見られる。

Ⅲ度では、中枢神経症状としてJapan Coma ScaleJCS:他の投稿で説明済み)2点以上の意識障害、小脳症状、けいれん発作のいずれかを呈する。

いずれも感染症や悪性症候群による中枢性高体温、甲状腺クリーゼなどの他の原因を除外したうえで診断される。
診察時の体温の程度と重症度が必ずしも比例しないこともままある。

検査

血算✿、血液ガス、電解質、血糖、肝機能、腎機能、凝固系を含む血液検査と、頭部CT検査は必須となる。
脳卒中と熱中症を合併する高齢者も稀ではない。失神を伴った場合は心疾患などの鑑別のため、12誘導心電図、心臓超音波検査、胸部CT検査も必要となる。


意識障害の場合は、薬物の影響も疑い薬物中毒検出用キット(Triage DOA)の使用も考慮する。
重症の場合は後遺障害を考慮し、急性期に頭部MRI検査を行うこともある。

血算:白血球、赤血球、血小板の数やヘモグロビンの濃度などを測定すること。

病院での応急処置

体表冷却と経口または経静脈的水分補給が必要である。冷却開始が早いケース、早く平熱まで冷却できたケースは予後がよい。現場で熱中症を疑った場合は、周囲のヒトが早期に上記のような応急処置を開始することが望ましい。

経口投与としては、経口補水液(ORS:oral rehydration solution)などの電解質が多く(Na:50mEq/L、K:20mEq/L✿程度)含まれている飲料が望ましい。糖分が含まれているほうが腸管での吸収力が高い。


Na濃度の低いスポーツドリンク(Na:21mEq/L、K:5mEq/L程度)や水などを大量に摂取した場合には、低Na血症を引き起こすこともあり、注意が必要である。
またお茶にはカフェインが含まれており、利尿作用があるため応急処置としての水分補給には向かない

✿mEq/L(ミリ当量、ミリ・イクイバレント、メック):電解質の量を表す単位で。、物質量(mmol)×イオンの価数。輸液のように電解質を含む溶液では、溶液1L中に溶けている溶質のミリ当量として使用する。

輸液療法

まずはリンゲル液または生理食塩液にて急速輸液を行う。高体温の場合は、あらかじめ冷却した輸液を投与する。電解質、尿量、全身状態などを考慮してその後の輸液選択をする。

冷却療法

診断早期より冷却を開始し、直腸温や膀胱温をモニターしながら、深部体温が38℃台になるまで冷却する。従来の蒸散冷却や水冷式ブランケットのほかに、血管内冷却システムやゲルパッドによる水冷式体表冷却が行われている。38℃台まで早く冷却することが脳後遺症の軽減につながる。

腎代替療法

重症Ⅲ度で腎障害もしくは多臓器障害を呈している場合は、集中治療管理下にて血液浄化を考慮する。
高サイトカイン血症に対しても有効である。

人工肝補助療法

肝不全を含む多臓器障害の場合には、血漿交換(PE:plasma exchange)や持続血液ろ過透析療法(CHDF:continuous hemodiafiltration)を行い、救命できたとする報告もある。

抗DIC治療

播種性血管内凝固症候群DIC:disseminated intravascular coagulation)治療薬としてアンチトロンビンⅢ(AT-Ⅲ)やトロンボモデュリンの使用報告があるが、臨床的なエビデンスはまだない。
しかしDIC例は中枢神経障害肝腎機能障害を高率に合併しており、死亡リスクに影響している。

専門医へのコンサルト

Ⅲ度の中枢神経症状が継続している場合、肝腎機能障害またはDICがある場合は、救急科専門医、集中治療専門医へコンサルトする。かつ深部体温が39℃以上であれば緊急性が非常に高い

脱水

体の組織の水分が不足した状態。水分摂取の低下、発汗の増加、熱中症、下痢や嘔吐、広範囲の火傷、塩分摂取不足などによる。特に乳幼児は体の水分が多く(赤ちゃんは約80%、老人は約60%)、自分で主張できないため脱水が進んで死亡するリスクが高い。

手の甲の血管の張り具合を見る。手の甲にはたくさんの静脈があり、水分量が十分であれば血管がふっくらとしてよく見えるが、脱水になるとぺちゃんこになって見づらくなる

日頃から点滴や採血時針が入りづらいヒトは慢性の脱水症状なので常時水分摂取を心がける。
女性でよく膀胱炎を起こす人も水分不足である。また皮膚も脱水になるとしわしわになり張りがなくなる。
皮膚をつまんで離してみたとき戻りが遅いのをツルゴールの低下という。
ただし心不全、慢性腎不全のため水分制限を受けているヒトは多量の水分摂取が危険であり、注意が必要である。

関連情報はこちらにも→ 医学用語:コロナに限らず、情報を理解するには多少の知識が必要です。

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