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サーチュイン遺伝子:長寿遺伝子とレスベラトロールについての解説

2021/09/05
 
茶色のうさぎ
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長生きしたいというよりも、病気にならず、自由に動ける体を維持したいものです。
「健康寿命」を延ばしましょう。

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並んだ試験管
医薬の分野はどんどん進化する。

サーチュイン遺伝子

長寿遺伝子、若返り遺伝子とも呼ばれる。2000年、アメリカのMIT (マサチューセッツ工科大学) のガランテ教授が酵母の中から発見した。その後の研究で、ヒトはみな持っていることがわかった7種類の遺伝子ファミリー。
30%のカロリー制限を3週間するとスイッチが入り、NAD依存性ヒストン脱アセチル化酵素が出て来て細胞修復、防御作用、ストレス応答などを調整し、寿命を延ばすとされた。ヒトでの実験ではたった7週間で体質が変わったという。

しかしこの遺伝子は飢餓状態など環境のストレス因子に応じてスイッチオンとなるもので、細胞修復やエネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えるが、満腹ではオフである。サーチュインは生体機能の調節役として働いている。

Sir2 (サーツー: silent information regulator-2 )

酵母ではこの遺伝子が減ると寿命が短くなり、活性化されると長寿になる。この長寿遺伝子はヒトでいうところのサーチュインに該当する。

この遺伝子が活性化すると、細胞内でエネルギー源を作り出すミトコンドリア(母由来)が増え、細胞内の異常タンパク質や、古びたミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる。これをオートファジー(自食作用)という。

それにより細胞を傷つける活性酸素の除去や細胞の修復、脂肪の燃焼、シミ・シワの防止、動脈硬化や糖尿病の予防などいい方向に働いてくれる。さらには認知症、難聴などの予防といった好ましい作用も及ぼす。
人体の健康度を測るバロメーターのほとんどを改善するともいわれている。

しかしこの遺伝子群、いつでも有効になっているわけではない。通常は眠っていて、ある条件が満たされたときにだけスイッチが入るようになっている。そのスイッチとは、ずばり、空腹である。

ヒトの歴史は長らく飢餓との戦いで、満腹に備えるようにはできていなかった。そのため飢餓状態がしばらく続いても生命を保てるように長寿遺伝子が働くメカニズムが用意されたと考えられている。
ヒトが飽食になり、肥満や高血糖に悩むようになったのはまだ近世のことである。

農耕、貿易が広まって以来、先進国では空腹を感じることが少なくなってきており、カロリー摂取の制限には若干の我慢と工夫が必要なくらいである。
サーチュイン酵素の量がカロリー摂取を一定量抑えることで増えたとする実験の模様は、NHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる~発見!長寿遺伝子」でも紹介され、大きな反響を呼んだ。

間食や夜食は×、適度な運動は○である。

ヒトにはサーカディアンリズムがあるため、1日の中でも長寿遺伝子が活性化したり、眠ったりするサイクルがあると考えられる。ヒトが食事をすると急激な血糖上昇を抑えるためインスリンが分泌されるが、インスリンが働くと長寿遺伝子や自食作用の機構がシャットダウンされてしまう。
ゆえに、小腹がすいたからとおやつをつまんでしまっては、せっかくの長寿遺伝子のスイッチが入らなくなってしまうということである。
特に甘いドリンク、お菓子、果物などに含まれる単純糖質は、インスリンの急激な分泌を促す。

幸い睡眠中は最も長寿遺伝子が働きやすい時間帯と言える。サーチュインのことを考えれば、夜食は最悪ということになる。飽食・過食は長寿遺伝子の敵と考えた方がよい。

また適度な運動 (スポーツ選手のような過激な運動ではない) は長寿遺伝子を活性化させる。アメリカでの研究で、食事のカロリーを12.5%カットし、運動で消費カロリーを12.5%増やすと、カロリーを25%制限したのと同じ効果があることが確かめられた。「適度な」運動というのがなかなか難しい。まじめなヒトは頑張りすぎ、スポーツ選手は体を酷使し、怠け者はすぐやめてしまう・・・。

レスベラトロール

ポリフェノールの一種で抗酸化作用がある。赤ワイン、チョコ、アーモンドなどに多く含まれるレスベラトロールが、カロリー制限をしなくても長寿遺伝子を活性化させるのではないかと考えられており、すでに多くのサプリメントが商品化されている。かなりお高いが。
が、問題はそこではない。
酵母の長寿遺伝子を活性化させるのは間違いないが、ヒトでは健常者対象の実験が多く、ガンや生活習慣病の患者さんについての臨床試験は予備的、あるいは小規模なものがほとんどで、「活性化させる」と断定するには至っていない。
またもう一点は、現在日本での流通は医薬品ではなく、食品としてであるため、摂取基準も上限量も定められていないことである。まだ健康被害の届けは出ていないが、スイスのある会社が定義した一日摂取許容量✿(ADI)は60kgのヒトで450mg/日、別の会社では120mg/日としている。赤ワイン1杯には1mgしか含まれていないが、日本で販売されているサプリの中には1~500mg以上/日のものまである。中にはADIを超える製品もあるということである。
長期間過剰摂取させたラット、イヌ、ウサギでは腎臓、膀胱に障害が見られた。骨髄腫の患者に投与する実験では腎障害が数人見られたため実験は中止となった。

✿1日摂取許容量:食品添加物では全部決まっている。ただ、単品で摂取した場合での安全基準なので、ザル。今時コンビニのお弁当だってひとつ食べれば添加物が40種類以上入っているだろう。ジュースの「香料」だって、1種類ではなく複合させているのだから。メロンもいちごも一滴も入っていなくたってあの香りは出せるのだ。しかも添加物はおしなべて原価が安い!これで味も香りも自由に設定でき、保存期間も延ばせるのだから食品会社は儲かるに決まっている。

化学構造でいえば、スチルベン骨格を持っているため、女性ホルモンに似た働きをする。同じスチルベン骨格を持つ代表的な化合物に有名なジエチルスチルベステロール(合成女性ホルモン)があり、服用した女性に乳がんや卵巣がんが、服用した妊婦から生まれた子どもに膣がんや性器形成不全が多発したことから使用が中止されたこともある。食事からならそんなに摂りすぎる心配はないが、サプリだと濃縮されているため摂りすぎる可能性は否定できない。

さらに問題なのはブドウから摂ったものでなく、国によってはイタドリという植物から抽出したものもあるということ。イタドリの根は虎杖根 (こじょうこん) という生薬で、日本では食品原料としては認められない。サプリ信仰なのか、会社名や宣伝を鵜呑みにして原材料をよく見ないで気軽に服用する方がまま見受けられる。゛食品゛はある意味医薬品より審査が甘いというか、基準が曖昧なので、注意が必要である。食事を疎かにして「サプリ飲んでいるから大丈夫!」という方が男女問わずいるが、危険である。

関連情報はこちらにも→ ビタミン:A、B、C、D、E、H、K、M、P、Q、Uからルチンまで。

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