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チョイス:乾癬ってうつる?診断、最新治療薬、光線療法について。

2021/10/10
 
焼き魚
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うつらない(伝染しない)のに、見てわかる病気のため、嫌な思いをされている患者さんも多いことでしょう。
日本には40~50万人もいらっしゃるそうです。原因は免疫の暴走だと考えられています。

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皮膚の構造
Brgfx – jp.freepik.com によって作成された education ベクトル

乾癬 (psoriasis)

皮膚は人体最大の臓器。成人ひとりでは1畳分もの大きさがある。
尋常性乾癬、膿疱性乾癬、関節症性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症の5つに分類されるが、8割は尋常性(ありふれた)乾癬
皮膚に皮疹ができ、痒くなるばかりでなく、関節に痛みや腫れ、変形を起こすこともある。
関節リウマチでも関節炎は起きるが、乾癬の関節炎やこわばりは第一関節に起きることが多い。
また朝起きてすぐが一番痛く、日中はましになるのも特徴である。
またブドウ膜炎が起きることもある。
爪に現れることもあり、でこぼこになる。見てわかるので爪白癬(水虫はうつる)と勘違いされ嫌な顔されることもある。
皮膚がぽろぽろ剥がれ落ちるため、フケだと思われたり、不潔にしていると思われたりして、仕事に差し支える場合もある。

原因

多くは不明だが、免疫のバランスが崩れることでふつう28~45日周期で新陳代謝される皮膚がその10倍!ものスピードで増殖し、炎症性サイトカインが多く分泌され、赤みや痒みが出る。
遺伝による場合もあるが、肥満、ストレス、感染症、糖尿病が悪化の原因となることもある。
男性は女性の2倍ほど多い。

診断方法は?

皮膚科医が診れば皮疹の形状とその分布からわかるが、非典型例では生検を行う。
手掌足底に好発する発疹は、梅毒2期と似ているため、鑑別には梅毒血清反応検査が必要となる。
日本では新規罹患者が年に5,000人ほどもいる!梅毒もまだ過去の病気とは言えない。

治療はどうするの?

  • 軽症:主にステロイド外用薬活性型ビタミンD3 外用薬、活性型ビタミンD3/ステロイド配合外用薬が投与される。
  • 中等症以上:外用療法に加えて、光線療法(UVB)、内服療法(アプレミラスト、シクロスポリン、レチノイド)、生物学的製剤(TNF-α阻害薬、IL-12/23阻害薬、IL-17A阻害薬、IL-17受容体A阻害薬)の服用などがなされる。
  • 関節炎がある場合:加えて非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)やメトトレキサート(保険適用外)も使用される。顆粒球吸着療法は膿疱性乾癬に対して保険適用。

最新治療薬

乾癬性関節炎にPDE4阻害薬✿であるアプレミラスト✿、IL-17Aに対するヒト化モノクローナル抗体製剤であるイキセキズマブがある。

✿ PDE4阻害薬 : サイクリックAMP(環状アデノシン3′, 5’一リン酸)という物質を分解して大幅増殖させるDPE4(ホスホジエステラーゼ4)というものを邪魔して免疫暴走を押さえる薬。

✿DPE4: 炎症性サイトカインの分泌を促す酵素。

詳しい動画はアムジェンへ→ https://www.otezla-japan.jp/dr/pso/moa?lang=ja
すごくわかりやすく解説してくれている。しかもたった3分半!

また関節リウマチの治療薬であるTNF阻害生物学的製剤であるセルトリズマブペゴルが2019年12月に乾癬性関節炎にも適応拡大の承認を取得した。
こうしてある疾患 (病気) に使われている薬が別の疾患にも効果があるとして、使われることが許可されていくのを適応拡大という。日本ではこれがなかなか難しく、時間がかかるのである。

インフリキシマブ(点滴)、ウステキヌマブは1回/3カ月、ブロダヌマブは1回/2週間に自分で腹部に皮下注射する。
いずれも高価で2~15万円/月ほどかかるが、高額療養費制度を使えば普通の収入の方なら15,000円/月くらいになる。

塗り薬は?

症状の強さ、部位に応じてミディアム〜ベリーストロングクラスのステロイド外用薬✿を使い分ける。
角化、浸潤が改善し、紅斑のみとなったら、活性型ビタミンD3 外用薬で寛解維持をはかる。

✿ステロイド剤は強弱によりクラスが分かれている。weak→medium→strong→very strong→strongestと強くなる。先の3種類は薬局でも購入できるが、後のふたつは処方薬のみとなる。
より詳しく知りたい方は第一三共へ→ https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/qa/class_steroid/

◆急性期の外用

頭皮にはアンテベートローション、顔面にはロコイド軟膏、体全体にはドボベット軟膏などが処方される。

内服薬は?

免疫抑制剤のシクロスポリン(ネオーラル)が最近のはやり。高血圧、腎機能低下に注意が必要。3割負担なら1回/日で5,000~10,000円/月くらい。
エトレチナートは催奇形性の副作用があり、体内に蓄積もするため、内服中止後でも女性は2年間男性は6カ月間の避妊が必要となる。処方時に同意書が要る。

抗リウマチ薬のメトトレキサートは1~2回/週飲む。3割負担なら800~2,000円くらい。

生物学的製剤 (レミケード、ヒュミラ、ステラーラーなど) については使用前に結核やB型肝炎などの精査が必要となる。

生活指導

メタボリックシンドロームの合併が多いため、合併症の治療や食生活の改善、ダイエットなどが勧められる。
ビタミンD3は魚、バター、卵黄に多く含まれる。

活性型ビタミンD3 製剤

効果発現まで1〜2週間の継続的な外用が必要である。治療意欲の持続が肝心。
副作用は少ないが、腎機能が低下した方、高齢者、脱水時などに広範囲で使用すると高Ca血症を誘発することがある。

  • チガソン:主な副作用としては口唇炎、皮膚の落屑、口内乾燥、皮膚菲薄化、爪囲炎などがみられる。口唇炎には白色ワセリン、ステロイド外用薬を用いる。催奇形性があるので、妊婦や妊娠可能性のある女性には禁忌。
    女性は投与中も投与終了後2年間、男性でも6カ月間の避妊が必要となる。
    投与中はもちろん、投与終了後も2年間は献血をしないようにする。
  • ネオーラル:他の薬剤や健康食品との相互作用に注意が必要。毎度お馴染みのグレープフルーツ(作用増強)やセントジョーンズワート(効果減弱)は避ける必要がある。
    スタチンの血中濃度を上昇させるため注意する(リバロとクレストールは禁忌)。
  • 生物学的製剤:結核既往者での再活性化(持続する咳、発熱など)や感染症の徴候に注意する。
    またB型肝炎ウイルスキャリアの患者さんでは肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意が必要となる。

光線療法

乾癬に対する光線療法の主なものとしては、ナローバンドUVB療法、ターゲット型光線療法、PUVA療法などが有効とされている。
更に詳しく知りたい方は日本皮膚科学会へ→ https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q16.html

すこやかな皮膚に興味がある方はこちらも→ 皮膚:アトピー、汗、ヒスタミン、セロリ皮膚炎、痒みの表現(英語)

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