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関節リウマチ:膠原病のひとつ。関節の変形、PMRについて。

2021/09/05
 
足湯は最高
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足浴:フットケアは幸せのひととき
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アショフ結節、成人スティル病、ヘバーデン結節、ブシャール結節、シェーグレン症候群、むずむず脚症候群をざっくり解説。

関節リウマチ( RA )

リウマチ因子(RF)の正常値は20以下だが、300近くなる人もいる。ギリシャ語の「流れ」が語源。自己免疫疾患のひとつ。膠原病のうち、最も患者数が多い疾患。
30~50歳で発症し、女性が80%を占める。手の爪に一番近い関節が腫れるのは加齢による変形性関節症。それ以外の2カ所が腫れたらリウマチが疑われる。水ぶくれのように見た目軟らかい。

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痛みがないので放置されがちだが、早期治療が重要。抗リウマチ薬で半数以上は寛解に至る。効果が不十分な場合は生物学的製剤(現在日本では7種類)を使う。点滴、皮下注射が自己注射できる。

  •  ピラミッドプラン:副作用のことを考え作用の弱い薬から使い始める治療方法。
  •  ステップダウンブリッジプラン:現在はリウマチの進行を食い止めるため、早い段階から強めの薬を使うように変わってきた。関節の変性が進んでしまうと元に戻らなくなるため。

さらに詳しく知りたい方はリウマチ学会へ→ https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/

治療薬

2017年、生物学的製剤より有意に高い有効性を呈した内服薬(細胞内キナーゼJAK-1/2に対する分子標的薬バリシチニブが販売開始となった。

現在、複数のJAK阻害薬が治験中で、長期安全性が証明されれば、治療のさらなる進歩が期待される。
現在、2種類のIL-6阻害薬、複数のTNFに対するバイオシミラーが申請中、あるいは開発の最終段階で、治療の選択肢がさらに増える予定である。

最近では、抗リウマチ薬を用いた早期からの積極的な治療により、臨床的寛解のみならず、関節破壊の進行が完全に阻止される構造的寛解、関節機能が正常化する機能的寛解に導入することも可能となった。
また、寛解達成後には生物学的製剤の投与間隔を延長したり、中止したりすることも可能となりつつある。

さらに、TNFαやIL-6などの炎症性サイトカインのみでなく、T細胞も治療標的となりうるし(アバタセプト)、新たなサイトカイン(GM-CSF)やケモカイン(フラクタルカイン)の阻害療法も開発中である。
低分子化合物としてはトファシチニブ、バリシチニブなどのJAKインヒビターも登場しているが、本邦における有効性及び安全性に対する情報はまだまだ十分ではない。

 一方、MTX(メトトレキサート)✿の使用頻度が上昇するにつれてリンパ増殖性疾患(日和見リンパ腫)の合併も増えている。またMTXや生物学的製剤使用による日和見感染症(ニューモシスチス肺炎など)の併発については、予防、早期診断・治療が重要となってくる。

✿メトトレキサート:葉酸代謝拮抗薬。免疫抑制剤の一種。ガンや関節リウマチに使われる薬。核酸合成には葉酸が必須なので、それを阻害することでガン細胞が増殖するのを阻む。飲み合わせで相性の悪い薬も多い。

関節リウマチ(RA)患者は、女性が80%を占め、20~40歳の発症が多い。進行性の多発性・対称性の関節炎が特徴で、患部の腫脹、発赤、手関節の「朝のこわばり」を生じる。病理的には、原因不明の関節滑膜を中心とした慢性炎症であり、活性化されたTリンパ球、形質細胞、白血球が集簇(しゅうぞく:集まること)し、これらから分泌される炎症メディエータ〔サイトカイン、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-6(IL-6)等〕とタンパク分解酵素が滑膜増殖と骨破壊を起こす。炎症が長期に及ぶと関節は変形し固縮する。関節外症状として、リウマトイド結節、血管炎、間質性肺炎等が出現する。

以前の治療は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による対症的な抗炎症治療が主体であったが、RAの関節破壊は発症早期に生じることが認識され、診断後早期から疾患修飾性(遅効性)抗RA薬(DMARDs)の中でも強力で副作用の少ないメトトレキサート(MTX)  の使用が主流となった。


更に抗炎症性サイトカイン薬が登場し、「痛みを抑える」ことから「症状寛解」を目標とした治療が行われるようになってきた。また、新しいNSAIDsとして、炎症部位で誘導されているシクロオキシゲナーゼ(COX)の分子種COX-2を選択的に阻害するセレコキシブも登場した。胃粘膜や腎臓に常在的に発現しているCOX-1を阻害しないため、胃粘膜障害や腎障害が従来のNSAIDsより少ない。

現在MTXが中心であるが、ピリミジン合成を阻害するレフルノミドや免疫調節作用をもつサラゾスルファピリジン、イグラチモドも使用されている。

更に炎症メディエータであるTNF-αを分子標的とする薬物が登場した。インフリキシマブとアダリムマブなどはTNF-αに対するモノクローナル抗体であり、ゴリムマブとセルトリズマブ・ペゴルも完全ヒト化抗体製剤として上市された。

エタネルセプトはTNFαに対する「囮受容体」として働くタンパク製剤で、いずれもRAで過剰に産生されているTNF-αの受容体結合を阻害する。

また、IL-6受容体抗体であるトシリズマブがRAとキャッスルマン病の治療に用いられる。さらに抗原提示細胞に結合し、T細胞の活性化とサイトカイン産生を抑制するT細胞選択的共刺激調節薬アバタセプトがRA治療に導入された。

トファシチニブクエン酸塩とバリシチニブは、IFN-α/β、IL-6などのサイトカインの細胞内シグナル伝達経路で重要な役割を果たしているJAK(ヤヌスキナーゼ)のリン酸化を阻害する機序で抗RA作用を発揮する。

アショフ結節

リウマチ熱に由来するリウマチ性心筋炎の病理組織所見の中で最も特徴的なもの。
類上皮細胞や単球などで形成される結節性病変。1904年、アショフ(Aschoff)が初めて報告。
早期病変である心弁膜と心内膜のフィブリノイド変性に引き続き発現する病変で、心弁膜症の発症に関与する。
急性期を過ぎて炎症が消失した後も、長期間持続的に存在する。

成人スティル病

小児に起こる原因不明のスティル病(全身型若年性関節リウマチ)が成人になって発症するもの。
軽度であれば自然寛解もある。

臨床症状は弛張熱、リウマトイド疹、関節炎、リンパ節腫脹、肝・脾腫大、漿膜炎など。
成人では発症時の咽頭痛が特徴だが、小児例では少ない。
白血球(好中球)・血小板増多、貧血をみるが、抗核抗体、RFは陰性、血清フェリチン値が約80%で著増する。

合併症として心嚢液/胸水貯留、肝障害、播種性血管内凝固(DIC)、血球貪食症候群、アミロイドーシスがあり、手根骨・足根骨の癒合を起こす。多周期性に全身症状、関節症状を呈する例はステロイド剤依存例が多い。
Sir George Frederic Stillが報告。

ヘバーデン結節

指の第一関節に、太くなる、曲がる、痛むなどの症状が出る。血液検査では判らない。関節リウマチと間違って治療されることが多い。治療法は安静固定しかない。残念!

ブシャール結節

近位指節間関節 (指の第二関節)が大きく変形、痛む。
骨棘、破壊、可動制限が見られる。1884年、Charles Jacques Bouchardが報告。

リウマチ性多発筋痛症(PMR)

70歳代で発症(50歳未満はまずいない)、女性に多い。免疫細胞が肩や腰の関節、筋肉を攻撃、痛みや硬直が生じる。低容量のステロイド錠剤で劇的に回復する。1/5が巨細胞性動脈炎を併発する。
顔の脇の動脈に異常が生じ、頭痛、頭皮過敏、噛んでいるときの顎の痛み、視界がぼやけるなどの症状が見られる。視界の異常は進行性で、高容量のステロイドで適切に治療しなければ取り返しがつかなくなる。

シェーグレン症候群

乾性角結膜炎、口腔乾燥症、慢性関節リウマチその他の結合組織疾患(膠原病)を三主要症状とする症候群。
1933年スウェーデンの眼科医 Sjögrenが口腔乾燥症と乾性角結膜炎19例の臨床的・組織学的所見を報告した。
男女比は1:9と女性に多い。乾燥症状のみで膠原病の合併がない場合は乾燥症候群と呼ばれる。
唾液腺組織には著明なリンパ球浸潤が認められる。
臨床検査は、高γグロブリン血症の他、リウマチ因子、抗核抗体等の自己抗体、特に抗SSA、抗SSB抗体が高率に陽性を示し、HLA‐B 8及びDW 3の陽性率が高い。
組織所見及びこれらの臨床検査所見は、自己免疫の関与を示しており、涙腺・唾液腺以外の外分泌腺にも異常が認められる。自己免疫性外分泌腺症(autoimmune exocrinopathy)と考えることができる。

むずむず足症候群

またの名をレストレスレッグス症候群(RLS)。むずむずするわけではない。足に違和感が出て眠れなくなる。
高齢女性、関節リウマチ、透析患者さんや鉄欠乏性貧血の患者さんに多く見られる。
検査では異常が出ず、問診で診断される。鉄欠乏性貧血患者の約24%に合併する。
薬はパーキンソン病と同じでよい。

  • 病態

脳内のドーパミン機能低下によって引き起こされる。また、ドーパミン合成に鉄が必要であることから、鉄欠乏が一因であると考えられている。ドーパミン機能は、夕方から夜にかけて低下する日内リズムを有しており、症状が顕著になる時間帯との関連性からも理解しやすい。
加えて脊髄レベルでは、視床下部や交感神経節細胞への下行路、求心性感覚処理を司る後角領域、脊髄介在ニューロン、2次運動ニューロンなどの機能不全が関わっていると考えられている。

RLSには、1次性2次性がある。1次性RLSは遺伝性であり発症年齢も若く、おおむね45歳までに発症する。
2次性RLSの多くは45歳以降の発症であり、原因疾患原因薬剤が存在する。
原因疾患として、鉄欠乏、パーキンソン病、末梢神経障害、ポリオ後症候群、脊髄損傷などの脊髄疾患、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、多発性硬化症、腎不全、妊娠、リウマチ疾患、膠原病、糖尿病、胃切除後、うつ病などが挙げられる。
欧米では7〜10%程度の有病率であるが、アジアではそれより低値で、1〜5%程度である。

  • 診断

特徴的症状と薬効で診断するのが一般的で、特徴的症状がある。

◆脚を動かしたいという強い衝動が存在し、その衝動は不快な下肢のむずむず感だけではない異常感覚によって生じる。その際、患者さんの訴えは、疼く、火照る、虫が這うような、ズキズキする、引き裂くような、電気が流れるような、痛い、痛痒い、など多様である。

◆夕方から夜間に安静状態なのに症状が出現、増悪する。

◆歩いたり、脚の屈伸をしたりすると症状が改善する。そのためじっとしていられなくなる。

◆レボドパのみならずドーパミン受容体刺激薬など各種ドーパミン作動薬で症状が改善する。

◆若年者では多くの場合家族歴(親族に同じ病気のヒトがいる)がある。

◆周期性四肢運動(PLM:primary limb movements)が起こる。
PLMは、睡眠中などに起こる周期的な短時間の下肢の動き。RLSの80%で起こるといわれる。
入眠時期に下肢が動く、ピクつくなどのことであるが、自覚していない患者さんも多い。

鑑別診断すべき状態としてRLS mimicがあり、異常感覚を伴う末梢神経障害や脊髄障害、向精神薬の副作用としてのアカシジア、下肢の閉塞性動脈硬化症による血行障害などが挙げられる。

一般検査として、フェリチンを測定する場合がある。フェリチン低下と症状には相関性があるといわれており、50μg/dL以下の場合は鉄剤の補充を必要とする。

  • 治療方針

まず、原因のある2次性では、原疾患の治療を実施する。原因薬物がある場合には中止する。
ドーパミン遮断薬、神経遮断薬、制吐薬(メトクロプラミドなど)、抗うつ薬、なかでも四環系抗うつ薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、中枢作動性抗ヒスタミン薬など。
また鉄欠乏状態が明らかな場合は、鉄の補充を行う。

これらによっても改善がない場合や不十分である場合、また1次性RLSでは、規則的な生活リズムでよりよい睡眠がとれるようにしたり、アルコール、カフェインなどの摂取を抑制するなどの生活改善を図る。
それでも改善が見られなければ最後に薬物療法の導入を考える。

単剤での治療を基本とし、薬物療法を行う際には、腎機能に注意して投与量を決定✿する必要がある。

✿薬には腎臓から尿へ排泄されるものと肝臓から胆汁に出て便として排泄されるものがあるため。まあそれ以外に唾液、汗、母乳に排泄されるものもあるがごく僅かである。腎機能が落ちている患者さんなどにはその点を考えて処方されているはずである。

  • 処方

ドーパミン作動薬での治療を基本とし、患者の状態により経口薬と貼付薬を使い分ける。
ドーパミン作動薬の効果が不十分な場合は、GABA誘導体への切り換え、またはドーパミン作動薬の追加投与となる。

ドーパミン作動薬:ビ・シフロール錠、ニュープロパッチ
GABA誘導体:レグナイト錠
保険外治療薬:リボトリール錠、ガバペン錠

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