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DOCK2:COVID-19が重症化しやすい遺伝子が見つかった!

2021/10/09
 
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3D render of a medical background with DNA strands, connecting dots

コロナ制圧タスクフォース、COVID-19重症化因子としてDOCK2を同定

慶應義塾大学医学部内科学の金井教授をリーダーとする「コロナ制圧タスクフォース」は2021年5月17日、新型コロナウイルス感染症を重症化させる因子として、インターフェロンの産生などに関わる遺伝子DOCK2が有力であるとmedRxiv(メド・アーカイブ)に投稿した。

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5月14日にオンライン開催した説明会で、金井教授は「全国の医療従事者の協力を得て、アジア最大の遺伝子研究コホートになった」と語った。

COVID-19による死亡者数が日本で少ない理由は、宿主側の遺伝学的な因子が影響しているのではないかとして、全国の主要大学から研究者を募り、2020年5月から共同研究を始めた。

全国の医療関係者とコロナ罹患者らの協力を得て、最終的には全国100以上の医療機関と3,500人を上回る患者サンプルが集まった。この規模は現時点では生体試料を併せ持つコホートとしてアジア最大である。

コロナ制圧タスクフォースの活動は国際的にも広く認知され、COVID-19 Host Genetics Initiative(世界最大の新型コロナウイルスホストゲノム研究コンソーシアム)にアジア最大の研究グループとして参加、重症化に関わる10以上の遺伝子多型の同定にも貢献した。

非高齢化患者の重症化因子を5番染色体上で発見

コロナ制圧タスクフォースはアジアで初めて、COVID-19患者と非患者との遺伝子型を網羅的に比較する大規模ゲノムワイド関連解析を実施した(非高齢・重症患者群440人とその対照群2,377人)。
その結果、5番染色体の長腕5q35.1上のDOCK2遺伝子の近くにあるゲノム配列の多型が、65歳未満の重症化リスクを2倍に高めることを発見した。
このバリアント(多様体)は、日本人を含む東アジア人の集団では約10%と高頻度に見られるが、欧米人集団ではほとんど見られないことが判明した。つまり日本人を含むアジア人集団に特有の重症化因子である可能性が考えられた。

DOCK2(Dedicator of Cytokinesis 2)がコードするタンパク質は、CDMタンパク質ファミリーに属する。これまでの研究から、リンパ球の活性化、リンパ球の遊走、Ⅰ型インターフェロン(抗ウイルス活性に関与)の産生に重要な役割を持つことが知られている。また、この遺伝子を欠損すると免疫不全に陥ることもわかっている。
金井教授は「DOCK2をコントロールできれば、ウイルス感染症に対する創薬に結び付くかもしれない。またバリアントを分類することで、重症化を判定するトリアージ(傷病者の緊急度に応じて医療行為の優先順位を決めること)にも使える可能性もある」と語った。

ただ、DOCK2遺伝子領域のバリアントだけで重症化の集団間の違いをすべて説明しきることはできなかった。
また、最近流行の中心となっている変異株については未だ十分に検証できていない。
金井教授の後任としてタスクフォースを引き継ぐことになった慶應義塾大学医学部の福永教授は、「今後更なる研究を進めるため、国による支援も求めていきたい」と訴えた。
何によらず、研究というものは経費のかかるものである。

日本人ではAB型の重症化リスクが1.4倍

タスクフォースでは、ABO式血液型とCOVID-19重症化リスクの関わりについてもゲノムワイド関連解析した。
その結果、日本人集団における重症化リスクはAB型で1.4倍、A型・B型で1倍、O型で0.8倍であった。

つまりO型は重症化しにくいということだ。ただこれは数ある血液型の分類の中で、赤血球抗原の種類のみの分類であり、なぜそうなのかは不明である。もちろんO型だからマスクはいらないということにはならない。

東京医科歯科大学副学長の木村氏は「メカニズムは分かっていないが、65歳未満の重症者では血液型で明らかな違いがある」と語った。しかしかかりやすさと血液型には相関が見られなかったという。

どのような基礎疾患や体質を持つ人が重症化しやすいのかは、メンデルランダム化解析✿を実施して調べた。
結果日本人では、肥満痛風高尿酸血症の発症がCOVID-19重症化リスクになるという因果関係が示唆された。

メンデルランダム化解析:ふたつの疾患や表現型におけるゲノムワイド関連解析の結果を互いに比較することで、疾患・表現型の間の因果関係を推定する遺伝統計解析手法のこと。

データ解析は東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータを利用したそうだ。

コロナ制圧タスクフォースの発起メンバーが所属する大学/研究機関★

•慶應義塾大学医学部(金井教授、福永教授)

•東京医科歯科大学M&Dデータ科学センター

•東京医科歯科大学統合研究機構

•東京医科歯科大学医学部附属病院

•大阪大学大学院医学系研究科

•大阪刀根山医療センター

•東京大学医科学研究所(ここのスパコン)

•北里大学大村智記念研究所

•北里大学獣医学部

•東京工業大学生命理工学院

•国立国際医療研究センター

•公立陶生病院

•千葉大学医学部附属病院

•筑波大学附属病院

•京都大学大学院医学研究科

•京都大学ウイルス・再生医科学研究所

•京都大学iPS細胞研究所

COVID-19関連情報はこちらにも→ COVID-19:感染したら処方される薬とその作用を理解するための用語を解説。

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