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腎臓病:透析しなくて済むように、もっと食事に気をつけよう!

2021/10/19
 
盆栽
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普段気にもしないが、壊れたら元には戻らない。生きている限り使うのだから、壊さないよう、注意しよう。
透析することになったら間違いなく、あなたはかなり多くのものを失うことになる。

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泌尿器のイメージ図
日経メディカルより引用

2020年には高齢化率(65歳以上の人口割合)が28.9%となりました。
また2019年の新規透析導入患者数40,885人、透析療法を受けている患者総数は344,640人とされ、年々増加しています。

残念ながら腎不全になってしまったとき、その治療には大きく分けて腎移植血液透析腹膜透析の3つの治療法があります。しかしながら、腎移植は日本においてあまりに実施件数が少ない(この1~3月でたったの21件!)ため、順番が回ってくることは期待薄でしょう。

参照→ https://www.jotnw.or.jp/data/offer.php
治療法について詳しく知りたい患者さんは、日本透析医学会、日本腎臓学会、日本移植学会、日本臨床腎移植学会により作製された紹介ガイドブックがありますのでぜひお読みください。
まだなっていない方のため、ここにかいつまんで解説しておきます。

ストレスレッグス症候群(RLS)

不快感で脚を動かしたくなる神経筋疾患。腎不全患者さんによく見られる症状。睡眠障害の原因にもなる。
ストレッチ、アロマテラピー、マッサージなどいろいろあるが、信頼性は限定的。薬物療法で最も効果的なのはガバペンチンである。睡眠の質も有意に改善する。

急性糸球体腎炎

成人では稀。初期には非常に強い症状が出る。安静第一。1カ月以上の入院か自宅での安静が基本。
腎臓への血流は、寝ているときの方が立っているときより1.3~2倍に増加するため、横になることが大切。

ループス腎炎

全身性エリテマトーデスの患者の半数に合併する。タンパク尿、血尿を伴う。ステロイド薬を基本とし、場合によっては免疫抑制薬も使う。

多発性嚢胞腎

腎臓に大小の袋状の膿疱ができる。遺伝性で常染色体優性多発性嚢胞腎と常染色体劣性多発性嚢胞腎がある。
膿疱は肝臓、脾臓、膵臓にも発生する。膿疱の中には液体が詰まっていて、腎実質が圧迫され腎機能が低下する。進行すると腎不全に陥り、尿毒症にもなる。

腎臓病

血液尿素窒素、血清クレアチニン、血清クレアチニンクリアランスの3種を血液検査で調べ(生化学検査)、診断する。
体の水分を調整するのが腎臓の役割なので、むくむのは腎機能が弱っているサイン。塩分の処理は腎臓でなされるため、塩分の濃い食事を採れば採るほどむくみが現れる。

夜寝ていると足にたまっていた水分が顔に移動するため朝に顔が腫れぼったいのは正常だが、午後になってもむくんでいるなら腎機能低下を疑う。目の下にクマもできる。普通のクマは首から上の血行不良が原因のため厚い蒸しタオルを目に当てたり、表情筋を動かしたりして血流を改善してやれば次第に消える。
老廃物は皮膚にも溜まるので皮膚の乾燥、痒みも生じる。

腎疾患

腎疾患でタンパク質制限が必要になるのは、老廃物を上手に排泄できなくなるため。栄養素のうち糖質脂質は老廃物は出ず体のエネルギーとなるが、タンパク質からは老廃物(毒素)が出る。タンパク質を制限するのはこの身体から出る老廃物をできるだけ少なくし、腎臓に負担をかけないようにするため。同じ量のタンパク質であれば、良質なものを必要最小限の量で確保することが大切になる。

その良質なタンパク質を見分ける方法が「アミノ酸スコア」。食品に含まれるタンパク質を構成する『必須アミノ酸』✿の量が、ちょうどよいバランスで含まれているかを示した数値のこと。
100に近いほど体内で有効に使われ、老廃物が出にくいため、腎臓に負担を掛けない良質なタンパク質含有食品といえる。魚介類であればアジやサケ、イワシなどはアミノ酸スコアが100。
肉類であれば鶏のもも肉、豚肉などが100となる。牛乳や鶏卵も100。

✿必須アミノ酸:「風呂場イスひとりじめ」と覚えるェニルアラニン、イシン、リン、ソロイシン、レオニン、スチジン、リプトファン、リジン、チオニンの9種類。体内で合成できないので食事から摂取する必要がある。だからタンパク質をまったく取らないダイエットは危険なのである。
ヒトは水とタンパク質でできていることを忘れないでほしい。
反対に、アミノ酸スコアが70の食品ならば、食べたうちの30%が老廃物となり、我らの腎臓に負担をかけることになる。ヒトの体を錆びさせるのだ。

IgA腎症

喉の扁桃が細菌やウイルスに感染、免疫反応で作られた免疫複合体や凝集変性IgAが腎臓の糸球体に取り付く。
原因となる扁桃を外科的に切除する。口蓋扁桃は特に表面に小さな孔があり、ここに細菌やウイルスが入り込みやすい。

造影剤腎症(CIN)

ヨード造影剤により惹起される。しかしより新しい造影剤は非イオン性で浸透圧が従来の造影剤と比較して低い。

造影剤毒性の正確な機序は不明であるが,腎血管収縮と細胞毒性作用が活性O種の形成を通して何らかの形で組み合わさって急性尿細管壊死をもたらすものと推測される。ほとんどの患者は症状を示さず、高齢、糖尿病、肝不全、心不全などの患者に見られるのみ。腎機能は通常、後に正常まで回復する。

慢性腎臓病(CKD)

腎臓の働きが正常なヒトの60%以下に低下する。腎臓は尿を作り余分な体液を排泄する、恒常性維持に必要な微量要素のバランスを保つ働きがある。エリスロポエチンレニン活性型ビタミンDを作っている。
血清クレアチニン(血中の老廃物)を測定して60を下回ると危ない。濾過機能が低下して尿に出ず、血中に溜まっていることを指す。また腎臓に障害があるとアルブミンなどが尿中に漏れ出すのでGFRが60以上でもアルブミン値が高い場合はやはり危険。
初期では自覚症状がない。足や顔のむくみや貧血が見られるのはステージ3以上に進行してから

加工食品からのリン酸の取り過ぎに注意し、黒豆、黒ごま、ニラ、海藻などを多く採るようにする。
食事の手抜きがヒトの腎臓を傷める元である。

腎生検

局所麻酔をして背中側から針を刺し、腎臓の組織を採取する。採取は15~30分で済むが大出血に注意しなければならないため、検査後仰向けのまま2~8時間の絶対安静が必要となる。歩行許可は18~24時間後。事前検査も含めると7~10日の入院が必要。

人工透析(ヘモダイアライザー)

2013年で31万人、2019年で34万人を超えている。原因は糖尿病、腎炎、腎硬化症の順。
腎機能が通常の5%以下まで衰えると体内環境を維持できない。失った腎機能を代替するには透析療法か腎臓移植しかない。献腎移植は200件/年以下なのでまず望めない。

透析には腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)と血液透析(HD:Hemodialysis)がある。老廃物の溜まったバッグは2~6回/日交換が必要。血液透析は4~5時間かけてダイアライザーに通し老廃物を血液から除去する。医療機関に週3回通院しなければならない。

透析開始からの5年生存率は6割。腎不全になると心血管障害を合併、免疫力低下で感染しやすくなる。通常健康な腎臓が48時間かけて行う浄化作業を4時間で済ませるため体にかかる負担は大きい。機械の能力としてはもっと短縮できるが、ヒトの体が追いつかないため4時間もかけている。
透析患者は身体障害者の認定がなされるため、500万円/年の治療費の自己負担はない。透析医療の費用は国民総医療費の5%前後を占める。特定疾病療養受療制度、重度障害者医療費助成制度、自立支援医療(更生医療)制度などがある。

血液透析

透析患者の97%がこちらを選択している。導入前に腕に動脈と静脈を縫い合わせて繋ぎ、動脈から直接静脈に血液を流す内シャント(バスキュラーアクセス)を作る。患者は透析の度シャント部位へ穿刺する必要がある。静脈留置針は17~19Gで通常の治療で使用される針より太く長いため穿刺時の疼痛は大きな苦痛となる。脱血と返血のため2本挿す。

ダイアライザー(ヒトの糸球体の代わりをする機械)で血液から老廃物や電解質、余分な水分を取りだし、返血する。4時間ほどかけ週に3回ほど行う。そのたび通院が必要となるため駅前の透析クリニックが多い。口の悪いドクター(固有名詞はご勘弁!)は「定期預金」と言って憚らない。通院しなければ死んでしまうので、患者さんに「行かない」という選択枝はないのだが・・・。
疼痛緩和のため皮膚や皮下組織へリドカインを浸透させる貼付用麻酔剤(ペンレス)が1994年発売された。静脈が十分に太くなるには術後1週間~10日ほどかかる。

腹膜透析(CAPD)

腹膜にある毛細血管を透析膜として利用する。おなかにカテーテルを挿入する必要がある。カテーテルから腹腔内に透析液を流し込む。透析液と血液の濃度差(浸透圧の差)により余計な水分も取り除かれる。
透析液を1回あたり6〜8時間ほど腹腔内に入れておき、1日に4回(朝、昼、夕方、寝る前)程度交換するCAPD(持続携帯式腹膜透析)と、夜眠っている間に専用の機械で自動的に透析液を交換するAPD(自動腹膜透析)がある。
自宅や会社で行えるので、通院は月1回で済む。毎日浄化するため体の負担も軽くなる。

しかし常におなかからチューブが出ている状態なので感染に注意する必要がある。また長期間継続して行うと腹膜が劣化するため、腹膜透析を行えるのは一般的に5〜6年が限度といわれている。

腎移植

病気腎はそのままで、やや下の位置に移植腎を配置する。膀胱に近いため術後皮膚の上から触診しやすく術後管理がしやすい。ただ日本では死体腎の提供数が少ないため、HLAが一致するドナーを見つけるのは容易ではない。

保存的腎臓療法(CKM)

透析や腎移植を施行せず、腎疾患の進行をできる限り遅らせながら、症状の緩和やQOLの向上を図る保存的治療。
具体的には血圧、貧血、慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)、酸塩基平衡や高カリウム血症の管理、QOL (quality of life) の向上を主眼とした症状緩和を行いながら、心理的・社会的サポートや文化的・精神的なケアを提供するもの。
CKMでも3年以上の予後が期待できる場合があり、透析を開始した患者よりも入院日数が短かったとする報告もある。

QOL:生活の質。ある人がどれだけ人間らしい、自分らしい生活を送れるかを尺度として捉える概念。

関連情報はこちらにも→ 医学用語:コロナに限らず、情報を理解するには多少の知識が必要です。

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