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寄生虫:マラリアからマダニまで、ヒトとは長~いおつき合い。

2021/09/05
 
蔓薔薇
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見えそうで見えない敵。小さいくせに遠慮なくヒトの健康を損なう奴ら。
外から家や病室に持ち込まれると退治が厄介になる。

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お食事中の方虫嫌いな方はちょっと気持ち悪いので閲覧注意!です。

寄生虫といえばこの方という、藤田先生が亡くなられました。
わたくしも先生の著書を何冊か読ませていただきました。
ご冥福をお祈りいたします。アーメン。

アニサキス

Fox
可愛いキツネにも寄生虫がいる!

鯖、にしん、鯵、イカ等を介してヒトの胃や腸壁に取り付いて腹痛を起こす寄生虫。2㎝位。魚を生食する国に多い。ファイバー・スコープで見つけられる。

アニサキスAnisakisと呼ばれる一群の線虫nematodeはイルカなどの海生(棲)哺乳動物を終宿主とし、成虫はそれらの胃内に寄生している。幼虫はサバやイカなど多種の海産魚類の体内に寄生しており、ヒトがこれらを生食するとその幼虫が胃壁や腸壁に穿入、即時型過敏反応(I型アレルギー反応)を起こし腹痛を発する。

アニサキス属近縁の属の幼虫によっても起こり、シュードテラノバ属の幼虫によって発症するものを別にシュードテラノバ症と区別する人もいるが、一括してアニサキス症と称しているのが現状である。
胃アニサキス症gastric anisakiasisと腸アニサキス症intestinal anisakiasisとに分類されている。
前者は心窩部、後者は下腹部の激痛で時に急性腹〔部〕症として開腹手術が行われている。
しかし、最近は問診によって本症が疑われればただちに内視鏡検査を行い、幼虫を摘出して診断と治療が一挙に終了するようになった。

ただし腸アニサキス症の場合はなお診断と治療に困難を伴う。幼虫は高温には弱く、60℃では数秒で死亡する。
2℃では50日間生きているが、-20℃では数時間で死亡する。
オランダではニシンは-20℃、24時間以上の冷凍を義務づけており、患者は激減した。
また生魚、バッテラやしめさばのように食酢で処理した魚が危険。お酢や醤油では死なない

マラリア

寒気・震え・高熱を主とする熱帯地方に多い病気。感染者は8億人、毎年1~2億人が新たに感染し、120万人が死んでいく。ハマダラカによりヒトに感染する。イタリア語のmal(悪い)とaria(空気)が語源。
症状が風邪に似ているため見過ごしやすい。4種類あるが悪性だと生死に関わる。
熱帯地方に旅行した人はそれを医師に報告、総合病院で検査を受ける。

トキソプラズマ (妊婦は要注意!)

ネコに触れる、生肉、加熱不十分な肉を摂取するなどで感染する。おとなが重症化することはないが、妊婦が感染したときは危険。猫からうつることが多いが、ブタ(1/4が感染)、羊(2/3が感染)、ウシ(少数)からもうつる。
妊娠2ヵ月位までに罹ると流産、3~5ヵ月目に罹ると早産しやすい。胎児の脳に入り込んで、痙攣、発熱、貧血、肝臓・脾臓の脹れ、脳水腫、知能障害失明水頭症を起こす。脳が萎縮しておむすび型の頭になったりする。また3~5歳で痴呆や精神薄弱が見られることもある。妊娠中は猫を遠ざけ、牧場等に暮らす妊婦は血液検査を受けた方が無難。
アメリカでは毎年3,000人以上の妊婦が知的・視力障害のある子を産んでいる。
子は20歳になる前に死亡することが多い。妊娠初期の検査で抗体がないことがわかったらネコに近づかない、羊の肉は食べない、果物や野菜はよく洗う、園芸などで土に触れないなど、注意する。妊娠前に抗体検査を行って罹っておくのがベスト。

CDCは妊婦が庭の土や砂で猫の糞尿に触れる、レアステーキや生ハムなど加熱が不十分な肉を食すこと等は避けた方がよいとしている。衛生当局の調査では、公園の砂場には30㎝四方に100万個を超えるシストが見つかることも珍しくないとしている。夜間は砂場に蓋をしてネコを近づけないようアドバイスしている。肉は冷凍するか66℃以上で加熱すれば感染力はなくなる。急性の場合は薬物治療がなされるが、慢性的感染の場合は治療法が確立していない。

エキノコックス症

主に北海道で見られる。キツネの腸に寄生し排卵、卵はフンとともに排泄される。そのフンに汚染された植物を食べた野ねずみの体内で卵が孵り、その幼虫がキツネに寄生というサイクルで生き延びる。
潜伏期間が数年~数10年もある。単包性多包性がある。治療は病巣を外科的に切除するのが一番。
愛知県の野良犬からも卵が見つかったためもはや北海道限定の病気とは言えない。

広東住血線虫症

ヒトに感染するとまず脳に行く。頭痛、発熱、吐き気、麻痺、髄膜脳炎を起こす。手足の麻痺が残ることがある。
なめくじ、かたつむり、蛙、アフリカマイマイを食べるとなる。
怪しげな民間療法を信じて食べた場合と、無農薬野菜をよく洗わずに切り刻んで一緒に取り込んでしまう場合がある。注意しよう。

鉤虫

十二指腸虫と呼ばれていた。本来の寄生場所は小腸の上部。ヒトが触れると皮膚を突き破って侵入、または口から侵入し、感染する。小腸壁に噛みついて血を吸う。1㎝ほどになる。多数寄生されたヒトは貧血となる。
トンネル作業員が貧血で死亡したが1,500匹も寄生されていた。毎日300mlも吸われていた計算になる。指の爪が反り返る、異食症などの症状が出る。ヒトの糞便を肥料に使ったりすると感染しやすい。

日本住血吸虫症

水田稲作とともに弥生時代に持ち込まれ農民の間で流行した。腸壁に産卵するため腹痛、下痢を起こす。
卵は血流に乗って運ばれ肝臓や脳に炎症が起これば死亡することもある。
集落で上下水道を分離するのは技術的に難しく、寄生虫、コレラ、赤痢、チフスなどの消化器感染症がしばしば蔓延した。上下水道の分離を解決したのは古代ローマだった。

住血吸虫症

ヒトと巻き貝を宿主とする。メソポタミアやエジプトなど初期の農耕社会には既に蔓延していた。
ツタンカーメン王のミイラの内臓にも卵がすくっていた。

人体寄生の住血吸虫の成虫は静脈血管内に住み、ヒトに重篤な障害を起こす寄生虫。人体寄生の種はアジアに分布する日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、アフリカに分布するビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)、中南米とアフリカに分布するマンソン住血吸虫(S.mansoni)がある。

ビルハルツ種は元はカバの寄生虫だったが、膀胱系に障害を起こす。ナポレオンが尿道の激痛を患ったのはがエジプト遠征のときこれに感染したせいである可能性がある。エジプトで1970年にアスワン・ハイ・ダムが完成、貯水を開始したと同時に感染が爆発的に広がった。

他の2種は肝、腸管系の障害を起こす。その他ヒトには寄生しないが、鳥獣の住血吸虫のセルカリアにより、セルカリア皮膚炎(cercarial dermatitis)が起きる場合もある。住血吸虫は吸虫(ジストマ)の中では変わった種で、成虫は雌雄異体で、雌は雄に抱かれた形で血管内に住む。卵は便か尿に排泄され、中からミラシジウム(miracidium)が遊出し、中間宿主の淡水産の貝に入り、セルカリアに発育する。貝から出たセルカリアは第2中間宿主をとらずに終宿主に経皮的に感染し、尾部を切離して寄生性の幼住血吸虫(schistosomulum)となり、肺を経て寄生部位に至る。

芽殖孤虫 (がしょくこちゅう) 症

感染経路不明の寄生虫。解剖すると幼虫が大量に見つかるが成虫はどこにも見当たらない。日本、台湾、アメリカで僅かに報告されている。分裂、増殖し、骨以外のあらゆる組織に侵食していく。体中に赤みを帯びたできものができ、全身が腫れ、象の皮膚のように厚くなる。できものから白い虫が大量に出てくる。手術で切開しても取りきれない。

ジアルジア症

ビーバー熱。ビーバーが生息する川の水で発症する。川や湖での水遊びでうつる。ランブル鞭毛虫に寄生された動物のフンに汚染された食べ物、飲み水からうつる。
アメリカでは5歳以下の患者が多い。水遊びが多い夏に多発、120万人/年発症している。

トリコモナス

痒みがあり泡状で悪臭のある分泌液が出る。メトロニダゾール(フラジール)を膣錠、または内服で1日3回、10~14日間投与する。発ガン性は不明だが、12週未満の妊婦だと催奇形性あり。効果のある薬が他にない。パートナーも治療しないと完治しない。

ライム病

1977年アメリカのコネチカット州、ライム地方に流行した慢性遊走性紅斑<erythema chronicum migrans(ECM)>を伴う関節炎が報告された。2~3日経つと赤い輪が外へ広がっていく(遊走性)。その地方名に因みライム病と名付けられた。マダニに咬まれることでボレリア・ブルグドルフェリという細菌に感染する。1987年わが国でもこの疾患が見られた。螺旋状スピロヘータの一種。森林散策の好きなヒトがマダニに丸二日吸血されて感染する。
流行は夏に多く、皮膚に遊走性紅斑を生じ、数週ないし数ヵ月後に倦怠感、発熱、頭痛、項部硬直、筋痛、関節痛等の症状がみられ(第I期)、数週ないし数ヵ月後に髄膜炎、脳神経炎、末梢神経炎、筋力低下、筋萎縮等の神経・筋症状が出現する(第II期)。更に数ヵ月ないし数年後には関節炎が起こってくる(第III期)。気分がころころ変わる、痴呆症状を呈することもあるため、精神病と間違われることもある。
治療にはペニシリンテトラサイクリンが有効。

回帰熱

マダニやシラミに咬まれて感染する。熱が出る、出ないを3~5回繰り返す。
公園やキャンプ場では長袖、マスク、帽子などで肌の露出を避ける。

渓谷熱(valley fever)

特定地域の風土病。二形性の真菌症。コクシジオイデス菌の分節胞子による病気。激しい疲労感、憂鬱感がある。

嚢虫症

幻聴、痴呆症状、暴力、自殺、精神分裂病様の症状が見られる。

クラミジア

寄生性を持つ微生物。エネルギーを生産できないので宿主細胞内に寄生して増殖する。ウイルスとは異なり、DNAとRNAの両方を持ち、グラム陰性菌と同じく細胞壁がある。
熱(60℃で10分)では失活して感染性をなくすが、-50℃以下の凍結保存や凍結乾燥状態では安定している。
治療にはテトラサイクリンマクロライドを用いる。ヒトにはトラコーマ、封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫症(鼠径リンパ肉芽腫症)、オウム病、肺炎クラミジアを起こす。

STD( sexually transmitted disease)の原因でもある。男性には非淋菌性尿道炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、前立腺炎等、女性には頚管炎、子宮内膜炎、付属器炎等を起こす。
妊婦からは新生児に垂直感染する。罹るとAIDSになりやすくなる。

細菌に属するが、一般細菌と異なり無細胞培地では増殖できず、動物細胞内でのみ増殖できる偏性細胞寄生性(obligate intracellular parasite)の小球菌である。特異な形態変化を伴う増殖環を有しており、小型で感染性のある基本小体、大型で増殖能を有する網様体とその中間体の3つの形態がある。
現在、クラミジア属にはChlamydia psittaci(オウム病クラミジア)、C. trachomatis(トラコーマクラミジア)、C. pneumoniae(肺炎クラミジア)、C. pecorumの4種があり、このうち前3種がヒトに感染し、肺炎やトラコーマ、非淋菌性尿道炎などの感染症を惹起する。

診断には検体中のクラミジア菌体あるいは菌体構成成分を直接証明する抗原検出法と、抗クラミジア抗体を証明する抗体価測定法がある。有効な抗菌薬は3種間でまったく差がなく、テトラサイクリン系ではミノサイクリン、ドキシサイクリン、マクロライド系ではクラリスロマイシン、ニューキノロン系ではスパルフロキサシン、トスフロキサシンが有効である。しかし、β‐ラクタム薬、アミノ配糖体は無効である。

恙虫病

Rickettsia tsutsugamushiによる急性感染症で日本、東南アジア、西南太平洋地域に存在し、わが国では届出伝染病である。ツツガムシとネズミの間に感染サイクルがあり、ツツガムシの幼虫がヒトに媒介する。5~14日の潜伏期の後に突然発熱し、定型例では数日で40℃前後となり、1~2週間稽留した後渙散的に解熱する。
発症時の皮膚に刺口を認め所属リンパ節は腫脹する。3~5病日に体幹から四肢に広がる粟粒大、淡紅色、斑状の発疹が出現し数日間持続する。

重症例は2週目に循環障害と昏睡が出現し、死亡する。わが国では古来新潟・山形・秋田県の河川地帯で夏にアカツツガムシの幼虫が媒介する重症ないわゆる古典的ツツガムシ病が存在したが、第二次世界大戦後に日本全土にR.tsutsugamushiの分布が判明し、その後全国各地で春、秋から冬にタテツツガムシ、一部フトゲツツガムシの幼虫が媒介するいわゆる新型ツツガムシ病が多発するようになった。

古典的ツツガムシ病に比べて一般に軽症で、非定型的なものもある。発生地住民の抗体保有調査では数%の陽性者がみられ、不顕性感染の存在が推定されている。テトラサイクリン系抗生物質が有効で急速に改善する。
病原体分離は有熱期血液をマウス腹腔内に接種するが、新型の場合には分離されないことが多い。
OXKに対するワイル・フェリックス反応は偽陰性が多く、信頼性に乏しい。血清学的診断はR.tsutsugamushiに対する蛍光抗体法、酵素免疫抗体法等の特異的診断法が行われる。

鎌状赤血球性貧血症

11番の染色体上にある。男女差はない。赤血球が鎌型(半月型)で血管内の通りが悪いため、運動や作業をすると赤血球が足らなくなって貧血を来たす。また固まったヘモグロビンが分解されてその色素のために黄疸が現れる。
赤血球の弾力性が失われて毛細血管に詰まって閉塞を起こし、強い骨痛、菌血症、肺炎、足の腫瘍、癲癇、脳梗塞、小児では脾臓梗塞等の症状が見られる。黒人に多く見られる。マラリアに抵抗性があるので、遺伝的にプログラムされている。貧血は劣性遺伝。

疥癬

疥癬虫(俗称ヒゼンダニ)の寄生によって生ずる。俗にヒゼン(皮癬)といっている。指間、下腹部、外陰部、関節屈側窩、乳房部等、皮膚の柔らかい部分に小丘疹を多数生じて激しい痒みがある。殊に夜間に温まると痒みが強くなる。丘疹に連続して細い灰白色の短い線条を見ることがあり、疥癬トンネル(mite burrow)という。
このトンネルの終点にあたる表皮角層内にメスの成虫が存在し、掻き取って苛性カリ液で溶解させて顕微鏡で見ると虫体の他に虫卵や糞を認める。陰嚢や腋窩では痒疹様の結節を作ることも多い。

一部の老人、精神遅滞者、免疫能低下のある人等では、厚い白色痂皮に覆われた形をとることがあり、ノルウェー疥癬(Norwegian scabies)という。原因虫は同一。また幼小児では、掌蹠を含んで全身に無数の皮疹を生ずる例がある。
本症は衛生状態の不良な箇所に発生しやすく、また集団発生例が多い。わが国でも第二次世界大戦後に多発し、その後激減したが、近年また増加する傾向にある。特に近年では性感染症(STD)の一種とみなされるようになった。
患者とともに、同居者や配偶者も診察・治療する必要がある。治療にはイベルメクチンの内服、フェノトリンローションの外用が推奨されている。クロタミトンもある。

まずは疥癬トンネルを探す。ダーモスコピーでヒゼンダニを見つける。イベルメクチンを2~5錠、空腹時に服用する。卵には効かないため孵化する頃再度服用する。肝機能障害が出ることがある。ピレスロイド系のフェノトリンローションを首から下の全身に塗り1週間後再度塗布する。痒みには抗ヒスタミン薬を内服する。

毛虱

シラミ症の原因となるシラミ(louse)はシラミ目に属し、アタマジラミ(Linnaeus、1758年)、コロモジラミ(DeGeer、1778年)、ケジラミ(Linnaeus、 1758年)の3種がある。アタマジラミは頭髪に、コロモジラミは衣服の縫い目、襞に、ケジラミは陰毛に生息し、その付近で1日に数回吸血する。
第二次世界大戦直後にはコロモジラミが増え、その媒介により発疹チフス(typhus fever)が爆発的に流行した。その後姿を消したが、1970年代後半からアタマジラミの流行が保育所や小学校低学年児童の間に全国的にみられるようになった。臨床症状としては、頭部の掻痒感が特徴的で、湿疹の併発もみられる。

成人の間では同様にケジラミの増加がみられる。治療は寄生部位の剃毛が確実である。
薬剤としては、フェノトリン0.4%粉剤を3日おきに3~4回、1回7 g(頭髪)、あるいは2 g(陰毛)を局所に散布し1時間後に洗う。

詳しくは日本寄生虫学会へ→ http://jsp.tm.nagasaki-u.ac.jp/

関連情報ははこちらにも→ アニサキス・アレルギーとアナフィラキシーについて。

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